スンダー・ピチャイ
スンダー・ピチャイ(タミル語: சுந்தர் பிச்சை、英語: Sundar Pichai、 1972年6月10日[3] - )は、インド出身のインド系アメリカ人実業家で、Google及びGoogle親会社であるAlphabetの最高経営責任者。2015年の就任当初は日本語で「サンダー・ピチャイ」との表記であったが、現在は「スンダー・ピチャイ」と表記されている[4][5][6]。
スンダー・ピチャイ | |
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Sundar Pichai | |
2023年 | |
生誕 |
Pichai Sundararajan 1972年6月10日(52歳) インド・タミル・ナードゥ州 |
国籍 | |
出身校 | |
職業 | 実業家 |
給料 | 200万ドル(2020年)[1] |
肩書き | GoogleおよびAlphabetのCEO |
前任者 | ラリー・ペイジ |
取締役会 |
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配偶者 | アンジャリ・ピチャイ[2] |
子供 | 2人[2] |
署名 | |
経歴
編集タミル人の両親のもと、インドに生まれる。子供時代をマドラス(現在のチェンナイ)で過ごす[7]。インド工科大学カラグプル校で金属工学の学士号を得た後に渡米、スタンフォード大学で材料工学の修士号、ペンシルベニア大学ウォートン校で経営学修士号(MBA)を取得した。
アプライド・マテリアルズで技術者・製品管理者として勤めた後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2004年にGoogleへ入社[4]。Google Chromeなどのプロダクトマネジメントに携わった[8]。
2015年、Googleの組織再編とGoogleの持株会社となるAlphabetの設立に伴い、Googleの最高経営責任者に任命された[9]。
2018年8月、Googleが中国政府のネット検閲を受け入れた検索サービスを開発する「ドラゴンフライ計画」を推し進めていることが暴露された際はGoogleの社員1,400人が署名で抗議する事態となり[10]、ピチャイは同年10月に計画を認めて「中国市場の重要性や利用者の多さを考えれば、探求することは重要だ」と正当化し[11]、同年12月のアメリカ合衆国議会の公聴会でこの計画は、同年3月に同様にGoogleの社員から抗議を受けた米軍のAIの軍事利用に協力する「メイヴン計画」(Project Maven (英語版))[12]とともにAIを用いた兵器開発や人権侵害は行わせないと誓った同年6月のAI開発6原則との整合性でピチャイは追及を受けた[13]。
2019年3月14日、統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォードや国防長官代行のパトリック・シャナハン、大統領のドナルド・トランプから中国でのAI研究拠点の設立などでGoogleは中国人民解放軍に協力していると非難されたことを受け[14][15]、27日にピチャイはダンフォードやトランプと面談して中国のAI研究拠点の成果は中国に限らず全ての人々に開放されていると釈明した[16]。
2019年10月23日、世界最高速のスーパーコンピューターで1万年かかる計算問題を量子コンピューターが3分20秒で解くことに成功し、Googleは量子超越性を世界で初めて実証したと発表し、ピチャイは地球から最初に飛び立った宇宙ロケットに匹敵する成果と述べた[17][18]。
2019年12月3日、AlphabetのCEOだったラリー・ペイジの退任に伴い、AlphabetのCEOに任命された。以降、AlphabetとGoogleのCEOをそれぞれ兼任する[19]。
人物
編集妻はアンジャリ・ピチャイ。子供が2人いる[2]。
クリケットファンとして知られる。2022年にはリライアンス・インダストリーズの会長で、世界的な大富豪であるムケシュ・アンバニとクリケットの聖地と呼ばれるローズ・クリケット・グラウンドでクリケットを観戦した[20]。
脚注
編集- ^ “アルファベット新CEOの給料は年間「2億2000万円」と株式報酬” (日本語). Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン). (2019年12月23日) 2020年7月2日閲覧。
- ^ a b c “Who is Google CEO Sundar Pichai?”. Fox Business. Fox (2020年6月17日). 2023年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月12日閲覧。
- ^ “Factbox: New Alphabet chief started at Google, made name with Android”. Reuters (2019年12月4日). 2019年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月26日閲覧。
- ^ a b “インド出身のグーグル新CEO サンダー・ピチャイが愛される理由” (日本語). Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン). (2015年8月16日) 2018年10月26日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2022年10月7日). “グーグルのピチャイCEO、日本の発表会に登場”. ケータイ Watch. 2022年10月9日閲覧。
- ^ “CEO スンダー ピチャイが語る Google アシスタント - Google”. Google. 2024年4月19日閲覧。
- ^ “グーグル新CEO、サンダー・ピチャイとは何者か”. WIRED.jp. Condé Nast Japan (2015年8月12日). 2022年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月22日閲覧。
- ^ “米Googleの新CEOにSundar Pichai氏が就任へ、新会社Alphabet設立も”. BRIDGE (2015年8月11日). 2022年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月22日閲覧。
- ^ “グーグルの大規模再編--新会社Alphabet設立の狙いは”. ZDNet Japan (2015年8月12日). 2022年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月22日閲覧。
- ^ “【電子版】グーグルの中国再参入計画「監視せよ」 検閲対応検索に社員千人超が抗議”. 日刊工業新聞 (2018年8月18日). 2018年8月19日閲覧。
- ^ “グーグルのCEO、中国向け検索エンジンの計画を初めて認める--意図も明らかに”. CNET (2018年10月18日). 2019年4月10日閲覧。
- ^ “GoogleのAIを軍事活用する極秘計画「Project Maven」の関係者による生々しい内部メールが流出”. ギズモード (2018年6月2日). 2019年1月1日閲覧。
- ^ “2018年テック界の嘘ワースト8”. ギズモード (2018年12月30日). 2018年12月31日閲覧。
- ^ “米軍制服組トップ、グーグルに懸念「中国軍に恩恵」”. 日本経済新聞 (2019年3月15日). 2019年3月20日閲覧。
- ^ “Googleは米国でなく中国の軍事力を助けている-トランプ大統領が批判”. 日本経済新聞 (2019年3月18日). 2019年4月10日閲覧。
- ^ “(The Economist)対中ビジネスが問う米企業の正義”. 日本経済新聞 (2019年4月9日). 2019年4月10日閲覧。
- ^ “The Morning After: Google claims 'quantum supremacy'”. engadget (2019年10月24日). 2019年10月25日閲覧。
- ^ “米グーグル、「量子超越性」達成と発表 スパコン超える”. ロイター (2019年10月23日). 2019年10月25日閲覧。
- ^ “Alphabet Investor Relations” (英語). Alphabet Investor Relations. 2019年12月3日閲覧。
- ^ Sundar Pichai, Mukesh Ambani spotted at Lord's at The Hundred 2022 The Economic Times 2023年10月14日閲覧。
外部リンク
編集- Sundar Pichai|Google Blog
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