スライド・エリア
『スライド・エリア [注釈 1]』(原題:The Slide Area)は、アメリカ合衆国のミュージシャン、ライ・クーダーが1982年に発表した、サウンドトラック・アルバムを除けば通算9作目のスタジオ・アルバム。
『スライド・エリア』 | ||||
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ライ・クーダー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
サンタモニカ(#1, #2, #4, #5, #7)[1] オーシャン・ウェイ・レコーディング(#3, #6, #8)[1] | |||
ジャンル | ロック、ブルースロック、ルーツ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ワーナー・ブラザース・レコード | |||
プロデュース | ライ・クーダー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ライ・クーダー アルバム 年表 | ||||
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反響・評価
編集母国アメリカのBillboard 200では105位に終わり、『バップ・ドロップ・デラックス』(1979年)、『ボーダーライン』(1980年)に続く全米トップ100入りは果たせなかった[9]。一方、ノルウェーのアルバム・チャートでは9週トップ40入りして最高5位を記録し、前2作に引き続きトップ10入りした[3]。日本では、クーダーのアルバムとしては唯一オリコンLPチャート(1970年 - 1989年集計)でトップ100入りし、最高76位を記録した[8]。
Bob Gottliebはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け、冒頭の「ゲットーのUFO」を「馬鹿げており非常にファンキー」「他の曲から浮いている」と評する一方、「ブルー・スウェード・シューズ」および「アイ・ニード・ア・ウーマン」のカヴァーを聴き所として挙げ「いずれもオリジナルと比べると、ブタとスナネズミぐらいの違いがあり、R&Bチャートでヒットしそうな形に変えられている」と評している[10]。ロバート・クリストガウは本作にCプラスを付け、サイド1に関して「彼としては最も見当違いで、奇妙かつ古臭い」と評している[2]。また、『アンカット』誌の2014年の記事「Ry Cooder - 1970 - 1987」では、全体像に関して前作『ボーダーライン』と共に「『バップ・ドロップ・デラックス』の都会的でエレクトリック色の強い雰囲気を引き継いだ」、インプレッションズのカヴァー「ジプシー・ウーマン」に関して「ボーカリストとしてのクーダーの力量では、とても無理な曲である」と評されている[11]。
収録曲
編集- ゲットーのUFO - UFO Has Landed in the Ghetto (Ry Cooder, Jim Keltner) - 5:03
- アイ・ニード・ア・ウーマン - I Need a Woman (Bob Dylan) - 4:37
- ジプシー・ウーマン - Gypsy Woman (Curtis Mayfield) - 4:04
- ブルー・スウェード・シューズ - Blue Suede Shoes (Carl Perkins) - 5:21
- ママ、あなたったらひどいわよ - Mama, Don't Treat Your Daughter Mean (R. Cooder) - 5:58
- ドリンキング・アゲイン - I'm Drinking Again (R. Cooder, J. Keltner) - 4:38
- ウィッチ・ケイム・ファースト - Which Came First (R. Cooder, Willie Dixon) - 3:46
- - That's the Way Love Turned Out for Me (Quinton Claunch, Dave Hall, R. Cooder) - 5:48
参加ミュージシャン
編集- ライ・クーダー - ボーカル、ギター
- ジム・ディッキンソン - キーボード(on #1, #2, #3, #6, #8)、ピアノ(on #4)、エレクトリックピアノ(on #5)、オルガン(on #7)
- ウィリアム・D・スミス - キーボード(on #1, #2, #3, #6, #8)
- ティム・ドラモンド - ベース(on #1, #2, #4, #5, #7)
- チャック・レイニー - ベース(on #3)
- レジー・マクブライド - ベース(on #6, #8)
- ジム・ケルトナー - ボーカル(on #6)、ドラムス
- ラス・バブー - パーカッション(on #3)
- 松居和 - 尺八(on #5, #7)
- ジョン・ハイアット - ボーカル(on #6)、ギター(on #8)、バックグラウンド・ボーカル(on #1, #2, #3, #4, #5, #7, #8)
- ボビー・キング - バックグラウンド・ボーカル(on #1, #2, #3, #4, #5, #7, #8)
- ウィリー・グリーン - バックグラウンド・ボーカル(on #1, #2, #3, #4, #5, #7, #8)
- ハーマン・ジョンソン - バックグラウンド・ボーカル(on #1, #2, #4, #5, #7, #8)
- ボビー・ベイカー - バックグラウンド・ボーカル(on #3)
- ジョージ・マクファーデン - バックグラウンド・ボーカル(on #4, #5)
- ニック・デカロ - ストリングス・アレンジ、指揮(on #8)
脚注
編集注釈
編集- ^ 1990年再発CD (WPCP-3159)、1998年再発CD (WPCR-2629)の帯に準拠。日本初回盤LP (P-11136)の邦題は『スライド天国』で、2009年発売の紙ジャケットCD (WPCR-13695)でも、当時の帯が復刻されている。
出典
編集- ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b Christgau, Robert. “CG: Ry Cooder”. 2023年12月21日閲覧。
- ^ a b norwegiancharts.com - Ry Cooder - The Slide Area
- ^ swedishcharts.com - Ry Cooder - The Slide Area
- ^ RY COODER songs and albums | full Official Chart History
- ^ Ry Cooder - The Slide Area - dutchcharts.nl
- ^ charts.org.nz - Ry Cooder - The Slide Area
- ^ a b 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』オリジナルコンフィデンス、1990年、312頁。ISBN 4-87131-025-6。
- ^ a b “Ry Cooder - Awards”. AllMusic. 2016年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月21日閲覧。
- ^ Gottlieb, Bob. “Ry Cooder - The Slide Area Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年12月21日閲覧。
- ^ “Ry Cooder - 1970 - 1987”. Uncut (2014年1月31日). 2023年12月21日閲覧。