スホーイ

ロシアの航空機メーカー
スホーイ民間航空機から転送)

公共株式会社スホーイ・カンパニーロシア語: ПАО «Компания „Сухой“»英語: Sukhoi Company (JSC)、単にスホーイまたはスホイとも)は、ロシアの主要航空機メーカー。ソ連時代はスホーイ設計局として専ら軍用機戦闘機攻撃機など)を手がけていたが、現在では民間機も製造している。旧称は公開株式会社スホーイ・カンパニーロシア語: ОАО «Компания „Сухой“»)で、2014年の法改正[1]を受けて公開株式会社から公共株式会社に移行し、現在の名称になっている。

公共株式会社スホーイ・カンパニー
ПАО «Компания „Сухой“»
Sukhoi Company (JSC)
スホーイ本社
種類 公共株式会社
略称 スホーイ
Su
本社所在地 ロシアの旗 ロシア
モスクワ
設立 1939年
業種 輸送用機器
事業内容 航空機
主要株主 統一航空機製造会社 (98.83%)
主要子会社 Sukhoi Civil Aircraft 87.93%
Sukhoi Design Bureau 50.0%
KnAAZ 74.5%
NAPO 74.5%
ベリエフ 38.0%
イルクート 11.89%
関係する人物 パーヴェル・スホーイ
外部リンク http://www.sukhoi.org/
テンプレートを表示


概要

編集

ソ連時代の1939年パーヴェル・スホーイによりスホーイ設計局(OKB-51、プレフィックスSu)として設立された。モスクワにJSCスホーイ設計局(現本社、ПАО «ОКБ Сухого»)があり、工場はノヴォシビルスクПАО «НАПО им. В. П. Чкалова»)、コムソモリスク・ナ・アムーレПАО «КнААПО им. Ю. А. Гагарина»)、イルクーツクПАО «Корпорация „Иркут“»)の3カ所にある。フィンメカニカが、スホーイの民間部門の25%株主となっている[2]。ロシア政府はスホーイとミグイリューシンイルクートツポレフヤコヴレフを「統一航空機製造会社」(Объединённая авиастроительная корпорация,ОАК)という名の新会社に統合しようとしており[3]、各社は現在統一航空機製造会社の傘下に入っている。

なお、OKBは「試作設計局」(一般にたんに「設計局」と訳される)を意味するロシア語の略語「ОКБ」のラテン文字転写。

ロシア空軍海軍では、スホーイの航空機は現在Su-24Su-25Su-27Su-30Su-33Su-34Su-35の7機種が運用中である。

ロシア以外には、ベラルーシウクライナカザフスタンウズベキスタングルジアインド中華人民共和国ポーランドチェコ共和国スロバキアハンガリードイツ(旧東ドイツ運用)・シリアアルジェリア北朝鮮ベトナムアフガニスタンイエメンエジプトリビアイランアンゴラエチオピアペルーなど各国で軍用機が運用されている。

民間機部門ではSu-26Su-29Su-31など安価ながら高度なエアロバティックが可能な曲技機を開発しており、世界選手権を始め多くの競技会で使われている。

スホーイ製の航空機の整備・補修などはウクライナやベラルーシなどロシア海外でも独自に行われている。また、旧ソ連各国からの中古機の転売も行われている。

2017年6月、統一航空機製造会社(OAK/UAC)がミグとスホーイを2019年内に合併・統合すると発表した[4]

製品

編集

引用符で囲まれている軍用機名称は北大西洋条約機構(NATO)が識別用に付けたNATOコードネーム

設計局閉鎖まで ( -1949年)
再開後 (1953年- )


開発・計画中

編集


主な試作機

編集
設計局閉鎖まで ( -1949年)
再開後 (1953年- )
  • Su-28 - 練習機
  • Su-35 「フランカー」 - 戦闘機
  • Su-37 「フラウンダー」 - 戦闘攻撃機
  • Su-37 テルミナートル 「フランカー」 - 多用途戦闘機
  • Su-38 - 農業用プロペラ機
  • Su-39 - 攻撃機
  • S-32 - 多用途戦闘機 (MFI)
  • Su-47 (S-37) ベールクト 「ファーキン」 - S-32の概念実証機
  • T-4 - 超音速爆撃機
  • KR-860 - 大型旅客機

機種名の補足

編集

スホーイOKBでは、他局同様ときおり機体呼称を再利用した。たとえば、1946年製のSu-9と1957年製のSu-9は同一名称であるが、相互に直接の関係はない。前者は大量生産されず試作のみに終わっている。

また、スホーイにおけるプロトタイプの呼称は翼面図に基づく場合があり、例えばデルタ翼ロシア語: Треугольное トレウゴリノイェ)の機体にはT(Т)、後退翼ロシア語: Стреловидное ストレロヴィドノイェ)の機体にはS(С)のプレフィックスが付与された(例:T-3S-1[5]。ただしこの原則は次第に崩れてゆき、デルタ翼から可変後退翼に設計変更されたSu-24の原型機T-6は変更後もデルタ翼を指すTを用い続けたほか、ほぼ直線翼であるSu-25の原型機の名もT-8である[5]。また、Sのプレフィックスは前進翼機にも使用されている。

出典

編集
  1. ^ 連邦法2014年5月5日付№99-FZ (Федеральный закон от 5 мая 2014 г. N 99-ФЗ) (ロシア語)
  2. ^ "Finmeccanica Will Buy 25% of Sukhoi Civil Aircraft." Bloomberg.com. 21 Feb. 2006.
  3. ^ "Russian Aircraft Industry Seeks Revival Through Merger." The New York Times. 22 Feb. 2006.
  4. ^ ミグとスホーイ合併へ 旧ソ連機の代名詞と現ロシア主力機メーカー ブランドは存続か
  5. ^ a b エフィーム・ゴードン、ビル・スィートマン 著、桂令夫  訳『ソビエトXプレーン』松代守弘 監修、光栄、2001年、8頁。ISBN 978-4877198541 

関連項目

編集

外部リンク

編集