スプーンフル
「スプーンフル」(Spoonful)は、アメリカ合衆国のブルース・ミュージシャン、ハウリン・ウルフが1960年に発表した楽曲。作詞・作曲はウィリー・ディクスンによる。チャーリー・パットンが1929年に録音した曲「A Spoonful Blues」を参考にして作られたが、パットンの曲も、パパ・チャーリー・ジャクスンが1925年に発表した曲「All I Want Is a Spoonful」から影響を受けている[2]。
「スプーンフル」 | ||||
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ハウリン・ウルフ の シングル | ||||
初出アルバム『ハウリン・ウルフ』 | ||||
B面 | Howlin' for My Darling | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチ・シングル | |||
録音 | 1960年6月 シカゴ[1] | |||
ジャンル | ブルース | |||
時間 | ||||
レーベル | チェス・レコード | |||
作詞・作曲 | ウィリー・ディクスン | |||
プロデュース | レナード・チェス、フィル・チェス、ウィリー・ディクスン | |||
ハウリン・ウルフ シングル 年表 | ||||
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ハウリン・ウルフの録音
編集当初はオーティス・ラッシュに提供する案もあったが、ラッシュのスタイルに合わないことから、最終的にウルフの持ち歌となった[3]。音楽的には全編ともワン・コードで通されている[2]。オリジナル・ヴァージョンのレコーディングでは、作者のディクスンがベースで参加したのに加えて、オーティス・スパン(ピアノ)、ヒューバート・サムリン(ギター)、フレディ・ロビンソン(ギター)、フレッド・ビロウ(ドラムス)が起用されたが、フレディ・キングもギターで参加したという説もある[3]。ウルフのヴァージョンはシングルとしてリリースされたが、『ビルボード』の各種チャート入りを果たせなかった[2]。
1968年にはウルフ、マディ・ウォーターズ、ボ・ディドリーのコラボレーション・アルバム『ザ・スーパー・スーパー・ブルース・バンド』で本作のリメイクが発表された[2]。また、ウルフがレーベルからの要望で嫌々制作したアルバム『ハウリン・ウルフ・アルバム』(1969年)では、サイケデリック色の強いアレンジでリメイクされた[4]。
2004年に選出された「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」では219位にランク・イン[5]。
カヴァー
編集「Spoonful」 | |
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エタ・アンド・ハーヴィー の シングル | |
B面 | It's a Crying Shame |
リリース | |
規格 | 7インチ・シングル |
ジャンル | ブルース、ソウル |
時間 | |
レーベル | チェス・レコード |
作詞・作曲 | ウィリー・ディクスン |
チャート最高順位 | |
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「スプーンフル」 | |
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クリームの楽曲 | |
収録アルバム | 『フレッシュ・クリーム』 |
リリース | 1966年12月9日 |
録音 | 1966年 |
ジャンル | ブルースロック |
時間 | 6分26秒 |
作詞者 | ウィリー・ディクスン |
作曲者 | ウィリー・ディクスン |
プロデュース | ロバート・スティグウッド |
エタ・アンド・ハーヴィーによるカヴァー
編集エタ・ジェイムズとハーヴィー・フークワは、オリジナル・ヴァージョンの発表から間もなく、本作のカヴァーをチェス・レコードから発表し[3]、1961年1月2日付のBillboard Hot 100で最高78位を記録した[6]。
クリームによるカヴァー
編集クリームは1966年のデビュー・アルバム『フレッシュ・クリーム』で本作をカヴァーした[2]。アメリカ初回盤LPでは外されて代わりに2作目のシングルとして発表された「アイ・フィール・フリー」が収録され[7]、1967年に本作をA面/B面に分割したシングルがアトコ・レコードから発売されている[8]。
ライヴでも取り上げられ、アルバム『クリームの素晴らしき世界』(1968年)には約17分にも及ぶ演奏が収録された[2]。2005年の再結成公演でもセットリスト入りし、ライヴ・アルバム『リユニオン・ライヴ2005』および映像作品『ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール2005』にも収録された[9]。
メンバーだったジャック・ブルースは1993年11月に生誕50周年を記念して開催したケルン公演で、同じくメンバーだったジンジャー・ベイカーとゲイリー・ムーアを迎えて本作を含むクリームの曲を演奏した。その模様はブルース名義のライヴ・アルバム『シティーズ・オブ・ザ・ハート〜ライヴ1993』および映像作品『ライヴ・イン・ジャーマニー1993』に収録された[10]。
Ultimate Classic Rockの2014年の企画「クリームの曲トップ10」では、本作のスタジオ・ヴァージョンが9位にランク・インした[11]。
その他
編集- ブルース・プロジェクト - ライヴ・アルバム『カフェ・オ・ゴー・ゴーのブルース・プロジェクト』(1966年)に収録[2]。
- テン・イヤーズ・アフター - アルバム『テン・イヤーズ・アフター・ファースト』(1967年)に収録[12]。
- ブルース・クリエイション - アルバム『ブルース・クリエイション』(1969年)に収録[13]。
- キャンド・ヒート - アルバム『Vintage』(1970年)に収録[2]。
- ココ・テイラー - アルバム『The Earthshaker』(1978年)に収録[14]。
- ヴィヴィアン・キャンベル - アルバム『ツー・サイズ・オブ・イフ』(2005年)に収録[15]。
- ロニー・ウッド - アルバム『アイ・フィール・ライク・プレイング』(2010年)に収録[16]。
- ジョー・ボナマッサ - ライヴ・アルバム『Muddy Wolf at Red Rocks』(2015年)に収録[2]。
脚注
編集- ^ “Illustrated Howlin' Wolf discography”. wirz.de. 2023年1月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i Waring, Charles (2022年6月1日). “'Spoonful': The Story Behind Howlin' Wolf's Classic Blues Song”. uDiscoverMusic. 2023年1月22日閲覧。
- ^ a b c “Spoonful - Howlin' Wolf (Chess, 1960)”. The Blues Foundation (2016年11月10日). 2023年1月22日閲覧。
- ^ Chilton, Martin (2022年11月11日). “'The Howlin' Wolf Album': More Than A Psych-Blues Novelty Record”. uDiscoverMusic. 2023年1月22日閲覧。
- ^ “The RS 500 Greatest Songs of All Time”. Rolling Stone (2004年12月9日). 2009年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月22日閲覧。
- ^ a b “Etta James Chart History - Billboard Hot 100”. Billboard. 2023年1月22日閲覧。
- ^ “Fresh Cream”. The Official Jack Bruce Website. 2023年1月22日閲覧。
- ^ The Cream - Spoonful (1967, Vinyl) - Discogs
- ^ Collette, Doug (2005年12月4日). “Cream: Cream: Royal Albert Hall London May 2-3-5-6 2005 album review”. All About Jazz. 2023年1月22日閲覧。
- ^ “ジャック・ブルース、1993年ドイツでの50歳バースデイ記念スペシャル・ライヴがDVDで初登場!”. CDJournal. 音楽出版社. 2023年1月22日閲覧。
- ^ Gallucci, Michael (2014年10月25日). “Top 10 Cream Songs”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2023年1月22日閲覧。
- ^ Needs, Kris (2017年11月4日). “Ten Years After The Albums 1967-1974 album review”. loudersound.com. Future plc. 2023年10月18日閲覧。
- ^ “ブルース・クリエイション/ブルース・クリエイション”. TOWER RECORDS JAPAN. 2023年1月22日閲覧。
- ^ Dahl, Bill. “Koko Taylor - The Earthshaker Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年1月22日閲覧。
- ^ Theakston, Rob. “Vivian Campbell - Two Sides of If Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年1月22日閲覧。
- ^ Moore, Rick. “Ronnie Wood: I Feel Like Playing”. American Songwriter. 2023年1月22日閲覧。