ジンゲロン
ジンゲロン(英: Zingerone)は化学式C11H14O3で表される有機化合物。ジンゲロンの名称はジボダン社の登録商標であり[1]、別名はバニリルアセトン。天然にはショウガの根や茎に存在し、ショウガの主要な香り成分の1つである。辛みは有さない[1]。結晶性の固体で、水に微溶であるがエーテルに溶ける。
ジンゲロン Zingerone | |
---|---|
4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-ブタノン | |
別称 バニリルアセトン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 122-48-5 |
| |
特性 | |
化学式 | C11H14O3 |
モル質量 | 194.22 g/mol |
外観 | 結晶性固体 |
匂い | ショウガ様臭気 |
密度 | 1.138 |
融点 |
40-41 ℃ |
沸点 |
187-188 ℃ (14mmHg) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
化学構造はバニリンやオイゲノールに類似し、ジンジャーエールなどに使われる食品用香料の調合原料となる。新鮮なショウガにはジンゲロンは含まれず、ギンゲロールからアルドール反応の逆の反応により生じる。
ジンゲロンは、夏バテに有効である以外に、発展途上国において乳児の死亡の原因となる一部の大腸菌性下痢に有効であるとの報告がある[2]。
脚注
編集- ^ a b 『におい かおり -実践的な知識と技術-』堀内哲嗣郎著 2006年 フレグランスジャーナル刊 ISBN 9784894790995 p132-133
- ^ Chen, Jaw-Chyun; Li-Jiau Huang, Shih-Lu Wu, Sheng-Chu Kuo, Tin-Yun Ho, Chien-Yun Hsiang (2007). “Ginger and Its Bioactive Component Inhibit Enterotoxigenic Escherichia coli Heat-Labile Enterotoxin-Induced Diarrhea in Mice”. Journal of Agricultural and Food Chemistry 55 (21): 8390–8397. doi:10.1021/jf071460f. PMID 17880155.