ジョゼフ・ラフソン
ジョゼフ・ラフソン(Joseph Raphson, 1648年頃 - 1715年頃)はニュートン・ラフソン法で知られるイギリスの数学者である。
経歴
編集出自
編集ラフソンの人生について知られていることは少なく、生年と没年すら不明であったが、数学史家のフロリアン・カジョリはおおよそ1648年生まれ1715年没であるとした。
学歴
編集ラフソンはケンブリッジ大学のジーザス・カレッジに通い、1692年に修士号を取得した[1]。1689年にはエドモンド・ハレーの推薦により王立協会フェローになった[2]。
業績
編集ニュートン・ラフソン法
編集ラフソンの最も特筆すべき業績は1690年のAnalysis Aequationum Universalisである。 それは方程式の根を近似する手法(現在ではニュートン・ラフソン法として知られている)を含んでいる。アイザック・ニュートンも似たような公式を1671年のMethod of Fluxionsで開発しているがこの研究は1736年(ラフソンによる研究の50年近く後)になるまで出版されなかった。しかしラフソンの方がニュートンより単純であり、それゆえに優れていると一般に考えられている。今日の教科書で見られるのはニュートンのよりもラフソンのものの方である。
微分積分
編集微分積分法の発見を巡るニュートンとゴットフリート・ライプニッツの論争において、ラフソンはニュートンの忠実な支援者だった。実際、ラフソンはニュートンのArithmetica Universalisを英語に訳している。
汎神論
編集ラフソンは汎神論という言葉を1697年のDe Spatio Realiで作っており[3]、ラフソンの研究を独創的と評したジョン・トーランドによって発見された[4]。 ラフソンは世界が人間の理解に関して果てしないものだと信じ、人間には決して理解できないものであるとした[5]。
出典
編集- ^ "Ralphson, Joseph (RLF692J)". A Cambridge Alumni Database (英語). University of Cambridge.
- ^ "Raphson; Joseph (- ? 1716)". Record (英語). The Royal Society. 2019年4月23日閲覧。
- ^ Thomson, Ann (2008). Bodies of Thought: Science, Religion, and the Soul in the Early Enlightenment. New York: Oxford University Press. p. 54. ISBN 978-0-19-923619-0
- ^ De Spatio Reali
- ^ The Closed World to the Infinite Universe by Alexandre Koyre
参考文献
編集- Thomas, David J.; Smith, Judith M. (1990). "Joseph Raphson, F.R.S.". Notes and Records of the Royal Society of London. 44 (2): 151–167. doi:10.1098/rsnr.1990.0016
外部リンク
編集- O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “ジョゼフ・ラフソン”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews.