ジュベイナ
ジュベイナ(マルタ語: Ġbejna、複数形:Ġbejniet)は、ゴゾチーズ(Gozo Cheese)とも呼ばれるマルタ共和国ゴゾ島に起源を有するチーズ[1]。
円形に形成されることが多いチーズで、原料は羊乳か山羊乳に塩とレンネットを加えたものである[2]。法的には、使用される乳としてこの2種のいずれかか混合によるものに限定されている[3]。一方、マルタでは19世紀末から20世紀初頭にかけて未殺菌の乳(当時、ヤギから路上で山羊乳を絞り販売する習慣があった)によるブルセラ病が流行しており[4]、ジュベイナに起因する症例の報告も存在する[5]。このような細菌に対する対策として、パスチャライゼーションした牛乳で製造される場合もある[6]。
マルタの欧州連合加盟に際し、イルコッタ(乳と海水から作られるカード状のチーズ)と共に伝統的なチーズとして保護された[7]。
フレッシュチーズ(friskiまたはtal-ilma)、塩漬け(maħsulin)、ハーブを加えたもの(mħawrin)、乾燥させ塩を加えたもの(moxxi)、さらに胡椒や酢を加えたもの(tal-bżar)などの種類が知られている[2]。フレッシュなものはモッツァレッラに類似し、乾燥させたものはスパイシーである。ピザに載せられたりパスタに混ぜて用いられる場合もある[8]。
出典
編集- ^ Anton F. Attard. “GOZO'S TRADITIONAL CRAFTS & DELICACIES”. aboutmalta.com. 2015年7月8日閲覧。
- ^ a b “FAQ”. ベンナ. 2015年7月9日閲覧。
- ^ “Regolamenti tal-2012, dwar il-Produzzjoni u l-Bejgħ tal-Ġbejna u Prodotti tal-Ħalib (Production and Sale of Ġbejna and Diary Products Rules, 2012 )” (PDF). マルタ共和国. pp. 12947-12964 (2012年11月16日). 2015年7月9日閲覧。
- ^ Vassallo, D. J. (1996). “The saga of brucellosis: controversy over credit for linking Malta fever with goats’ milk.”. ランセット 348: 804–808. doi:10.1016/s0140-6736(96)05470-0.
- ^ “未殺菌乳製品によるブルセラ症-英国”. 国立感染症研究所感染症情報センター 病原微生物検出情報事務局 (1995年). 2015年7月9日閲覧。
- ^ 例:“Benna’s Gbejniet Friski now on the market, 10th March 2010”. ベンナ (2010年3月18日). 2015年7月9日閲覧。
- ^ Edward Demicoli、Carmel Attard (2003-02). “The safety of agricultural food”. Aggornat Special Edition (22): 2 2015年7月9日閲覧。.
- ^ “Malta – a lot of a good thing”. ジェイミー・オリヴァー (2014年1月9日). 2015年7月9日閲覧。