シンノウヤシ(親王椰子、学名: Phoenix roebelenii)は、中国南東部(雲南省)からラオスベトナムの北部にかけての東南アジアに自生する[1][2]ナツメヤシ属の植物である。

シンノウヤシ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ヤシ目 Arecales
: ヤシ科 Arecaceae
: ナツメヤシ属 Phoenix
: シンノウヤシ P. roebelenii
学名
Phoenix roebelenii
O'Brien
英名
pygmy date palm

種小名roebeleniiはこのヤシを「発見」したスイス人カール・ロベレンドイツ語版(C. Roebelin)への献名である。和名は、原産地の1つラオスで、高岳親王(平城天皇第三皇子)が虎の害にあった、とされることに由来する[3]

記述

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シンノウヤシは小型から中型で、ゆっくりと2-3 mまで成長する。葉は長さ60-120 cmの羽状で、同一平面上の100枚程度の小葉から構成される。それぞれの小葉は長さ15-25 cm、幅1 cmである。色は灰色がかった緑色で、裏面が軟毛に覆われている。

45 cm程の長さの花序に小さな黄色い花を付ける。果実は食用可能な1 cm程の核果で、ナツメヤシの果実に似る[4]

栽培と利用

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シンノウヤシは、熱帯地域等では庭の観賞用植物として人気がある。10-16 ℃の最低気温が必要で、これより涼しい地域では温室の中、または室内の観葉植物として育てられる[5]。剪定はほぼ必要なく、害虫や土壌変動にも強い。日向ないし半日陰が適する(植える場所の気候により幅がある)。東京都八丈島青ヶ島等ではタイからもたらされた本種(島ではフェニックス・ロベレニー、ロベとも)が栽培されている。島の農作物の3分の2を占め売上は12億円に達するが襲来する台風の被害も多い。

王立園芸協会からガーデン・メリット賞を受賞している[6]

ギャラリー

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出典

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  1. ^ WCSP, World Checklist of Arecaceae: Phoenix roebelenii
  2. ^ Germplasm Resources Information Network: Phoenix roebelenii
  3. ^ 原田幸雄「シンノウヤシPhoenix roebelenii O’Brien の和名の由来」『植物研究雑誌』第85巻第1号、2010年、51-52頁、doi:10.51033/jjapbot.85_1_10182 
  4. ^ Huxley, A., ed. (1992). New RHS Dictionary of Gardening. Macmillan ISBN 0-333-47494-5.
  5. ^ RHS A-Z encyclopedia of garden plants. United Kingdom: Dorling Kindersley. (2008). pp. 1136. ISBN 1405332964 
  6. ^ RHS Plant Selector - Phoenix roebelenii”. 2023年2月9日閲覧。

外部リンク

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