シロバナタンポポ
キク科タンポポ属の植物の一種
シロバナタンポポ(白花蒲公英、学名: Taraxacum albidum)とは、キク科タンポポ属の一種で、多年生植物。
シロバナタンポポ | |||||||||||||||||||||
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シロバナタンポポ(大阪府、2006年5月)
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Taraxacum albidum Dahlst. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
シロバナタンポポ(白花蒲公英) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
white-flowering Japanese dandelion |
特徴
編集日本在来種。関東・北陸地方以西に自生する。東北地方以北で唯一確認されている龍雲院(北海道松前町)境内のシロバナタンポポは移入されたと推測されている[1]。
2月 - 5月にかけて白い花をつける。頭花(花に見える部分全体)のサイズは直径3.5 - 4.5cmほどになる。白く見える部分は舌状花(頭花を作る1つ1つの小さな花)の花冠(「花びら」に見える部分)で、中央の花柱部は黄色である。
舌状花は1つの頭花におよそ100個ほどで、他種と比べて比較的少ない。ゆえに結実する種子も比較的少ないが、他の日本在来種の主なタンポポとは違い、5倍体で単為生殖が可能である。
本種はカンサイタンポポを種子親とする雑種起源であることが確認され、またケイリンシロタンポポが花粉親としての条件を満たすことも確認された[2]。ただし、後の調査で母系遺伝する葉緑体がシロバナタンポポとケイリンシロタンポポで同一であることから、ケイリンシロタンポポが種子親でカンサイタンポポが花粉親であることが分かっている[3][4]。
他のタンポポより舌状花が少なく白色なので区別は容易である。
他の白いタンポポ
編集日本にはシロバナタンポポと上記のケイリンシロタンポポ以外にも白いタンポポは存在する。
他に花弁の色が薄いカントウタンポポをウスジロカントウタンポポと呼んで区別する場合がある。
その他
編集- 四国や九州の一部では、「タンポポの花は白いもので、黄色の花は珍しい」とする[5]。
ギャラリー
編集脚注
編集- ^ 佐藤杏子、竹内秀敏、岩坪美兼「松前公園(北海道)のシロバナタンポポの核型」『植物地理・分類研究』59(2),pp.131-133, 2012年3月
- ^ 森田龍義; 西野貴子 (1997年). “東アジアにおけるタンポポ属(Taraxacam)の倍数性種分化の分子系統学的解析”. KAKEN. 2023年10月1日閲覧。
- ^ 森田龍義; 西野貴子 (2000年). “エゾタンポポにおける無融合生殖複合体の構造と形成過程”. KAKEN. 2023年10月1日閲覧。
- ^ “タンポポ調査・西日本2015 ニュースレター”. gonhana.sakura.ne.jp. 2023年4月3日閲覧。
- ^ 田中修『雑草のはなし』中公新書 12版2018年(初版2007年)ISBN 978-4-12-101890-8 p.42
外部リンク
編集- シロバナタンポポ - ウェイバックマシン(2008年2月18日アーカイブ分)(植物雑学事典)
- 岡山県のタンポポ属植物(倉敷市立自然史博物館)