シュヴァルツビール
シュヴァルツビール(Schwarzbier)は、下面発酵(ラガー)で製造されるビールのスタイルのひとつである。ドイツのバイエルン地方が発祥と言われている。
日本語表記としては「シュバルツビール」「シュヴァルツビア」「シュバルツビア」、あるいは単に「シュヴァルツ」「シュバルツ」と表記されることがある。日本地ビール協会の『ビアスタイル・ガイドライン1208』では「カテゴリー(E) ダークラガー」の中の「ジャーマンスタイル・シュヴァルツビア」と分類されている。本項では以下「シュヴァルツ」と表記することとする。
概要
編集ドイツ語で「黒ビール」を意味する通りに黒い液色が特徴である。
アルコール度数は4.1%から5%。液色の黒色はローストされたモルトに由来し、同じくローストされたモルトからなる香ばしさと苦味、ラガーらしいすっきりした後味もあるが、甘味を感じさせることも多い。
液色が黒いビールには、他にスタウトやポーターがあるが、これらは上面発酵である。
ビアスタイル・ガイドラインでの定義
編集『ビアスタイル・ガイドライン1208』ではシュヴァルツを以下のように定義している。
- 色合いは、ダーク・ブラウンからブラックまでの範囲。
- ローストした麦芽の風味。
- ローないしミディアム・レベルの甘味。
- 高温焙焦モルトに由来する渋味があってはならない。
- ボディはミディアム。
- ホップの苦味はローからミディアムの範囲。
- ノーブル・タイプ[1]のホップを使用し、アロマ[2]とフレーバー[3]のいずれも非常に低レベルに抑えること。ただし皆無ではなく感じられる程度は必要。
- フルーティーなエステル香とダイアセチルの香りがあってはならない。
- アルコール度数は3.8%から5%
- SRM 25から30
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SRM 25
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SRM 30
歴史
編集シュヴァルツの歴史は古く、現在でもシュヴァルツの代表的なメーカーであるケストリッツァーは1543年テューリンゲン地方のバート・ケストリッツ村で創業されている。
現在では、液色の淡いビールが一般的となり、シュヴァルツのドイツ国内における市場シェアは1.6%程度である[4]。
製品例
編集- ケストリッツァー
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- ケストリッツァー シュヴァルツビア (Köstritzer Schwarzbier)
- クルムバッハ・ビール醸造所
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- モンヒスホーフ・シュヴァルツビール (Mönchshof Schwarzbier)
- カイザードーム
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- カイザードーム ダークラガー (Kaiserdom Dark Lager Bier)
- ヱビスビール(サッポロビール)
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- ヱビス プレミアムブラック
- 舞浜地ビール工房ハーヴェスト・ムーン
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- シュバルツ - ジャパン・アジア・ビアカップで2009年、2011年、2012年にダークラガービール部門で金賞受賞や10年連続入賞を果たしている。
- イケア
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- ダークラガービール(ÖL MÖRK LAGER)
- 店舗に併設されたフード・マーケットで販売するオリジナルのビール
- ダークラガービール(ÖL MÖRK LAGER)
- ベアレン醸造所
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- シュバルツ
- 熊澤酒造
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- 湘南ビール シュバルツ
- 御殿場高原ビール
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- シュバルツ
脚注
編集- ^ ホップの品種による分類。en:List of hop varieties#Nobleを参照
- ^ 鼻で感じる香り
- ^ 口の中で感じる香味
- ^ Andreas Hummel: DDR-Spezialität erlebt eine Wiedergeburt, Südwest Presse, 25. Juli 2011