シャンティ (ゲーム)
『シャンティ』(Shantae)は、アメリカのWayForward Technologiesが開発しカプコンより北アメリカで2002年6月2日に発売されたゲームボーイカラー用横スクロールアクションゲーム。
ジャンル | 横スクロールアクションゲーム |
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対応機種 |
ゲームボーイカラー ニンテンドー3DS Nintendo Switch PlayStation 4 PlayStation 5 |
開発元 | WayForward Technologies |
発売元 |
カプコン(GBC) Wayforward Technologies オーイズミ・アミュージオ( Switch, PS5) |
シリーズ | シャンティシリーズ |
人数 | 1人 |
発売日 |
GBC 2002年6月2日[1] 3DS 2013年7月18日 Switch 2021年4月22日 2025年予定 PS4 2023年6月2日 PS5 2023年6月2日 2025年予定 |
対象年齢 |
ESRB:E10+(10歳以上) PEGI:7 USK:6(6歳未満提供禁止) ACB:G |
概要
編集ジーニー(魔人)の母親を持つ「ハーフジーニー」の少女シャンティが主人公で、街の平和を脅かす悪の女海賊リスキィ・ブーツの計画を阻止するため様々なエリアを冒険する。シャンティは、長い髪を鞭のようにしならせて攻撃したり、ベリーダンスを踊ることで様々な生き物に変身したりする能力を持っており、これらを駆使してエリアの探索やダンジョンの攻略を行っていく[2]。
当初のゲームボーイカラー版は北アメリカのみで発売されたが、2013年7月18日にニンテンドー3DSのバーチャルコンソール用ソフトとしてヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドで初めて発売され[3]、日本では2025年にPlayStation 5、Nintendo Switch用ソフトとして初リリース予定となっている[2]。
開発
編集Wayforward Technologiesは本作の開発を1997年から検討しており、この時点ではPCまたはPlayStation向けにデザインされていた。試作版のグラフィックは背景が3Dで描写され、その中で2Dのキャラクターがアニメーションするという形式になっている[4]。その後、本作ディレクターのマット・ボゾンが携わった2000年発売のゲームボーイカラー用ソフト『Xtreme Sports』が完成すると、WayForward創業者のヴォルディ・ウェイは本作のゲームボーイカラー版の開発を承認した。本作には『Xtreme Sports』と同じゲームエンジンが使用されており、新たに本作用のエフェクトのサポートを追加した[5]。
直接的にインスピレーションを受けた作品としてボゾンは『リンクの冒険』と『ドラキュラII 呪いの封印』を挙げている。一方で、『アレックスキッドのミラクルワールド』に似ていると指摘されることもあるがボゾンは「最近(2005年時点)まで遊んだことがなかった」と語っている[6]。
評価
編集本作の発売時期は、ゲームボーイカラーの次世代機であるゲームボーイアドバンスが2001年に発売された後ということもあって売り上げは芳しくなく、ボゾンによると本数は2万から2万5000本程度だったという。本作のゲームデータは完成度が95%の時点で発売元のカプコンに渡されたが、完成後8か月間保留されていた。その理由はカプコンから伝えられていないが、ボゾンは、同時期に開発が進められていたカプコンのゲームボーイカラー用ソフト『BIOHAZARD GAIDEN』に配慮したためだろうと推測している。また、時期的要因に加えて、ボゾンは、シャンティの姿が子供向けのゲームとしてはセクシーすぎ、男性向けとしては少女的すぎるということで、ターゲット層を決められなかったことを売り上げ不振の要因として挙げている[7]。
しかし、ボゾンが思っていた以上に購入者からの評価は高く、後に、ROMカートリッジの生産数が少なかったため入手したくてもできないという「幻のゲーム」のような扱いとなり、市場ではプレミア価格が付けられている[8]。
また、批評家からもおおむね好評を博している。ゲーム・インフォーマーのベン・リーブスは本作をゲームボーイ用ソフトのベスト15に挙げ、本作が見落とされていると感じている[9]。コンプレックスは本作を「堅実なプラットフォーム」と呼び、ゲームボーイ用ソフトのベスト7に選んだ[10]。GamesRadarはゲームボーイ用ソフトのベスト8にランク付けし「『シャンティ』は典型的な2Dプラットフォームの要素が満載だが、すべてが驚くほどうまくできており、ゲームボーイカラーではめったに見られないビジュアルセンスがある」と述べた[11]。フランスのウェブサイトJeuxvideo.comでは2018年にゲームボーイ用ソフトのベスト9にランク付けされ「素晴らしいアートディレクションを備えた優れたアクションプラットフォームゲーム」と評している[12]。
脚注
編集- ^ “Shantae” (英語). WayForward. 2023年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月13日閲覧。
- ^ a b “国内未発売だった「シャンティ」シリーズの1作目が日本語訳されて2025年にPS5&Switchでリリース。ポータルサイトもオープン”. 4Gamer.net (2024年11月6日). 2024年11月13日閲覧。
- ^ “The Original Shantae Is Headed To 3DS Virtual Console Next Week” (英語). Siliconera (2013年7月11日). 2024年11月13日閲覧。
- ^ “Shantae Introductory Game Spec” (英語). WayForward (1997年2月5日). 1997年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月13日閲覧。
- ^ “An Interview with Shantae's Designer” (英語). IGN (2000年12月9日). 2024年11月13日閲覧。
- ^ “Retro/Active: Shantae from 1UP.com (1/2)” (英語) (2005年8月16日). 2016年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月13日閲覧。
- ^ “Retro/Active: Shantae from 1UP.com (2/2)” (英語) (2005年8月16日). 2016年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月13日閲覧。
- ^ “『シャンティ -海賊の呪い-』開発者マット・ボゾン氏インタビュー 日本上陸間近の日本人が作るより日本らしいゲーム!?【TGS2015】”. ファミ通.com (2015年9月18日). 2024年11月13日閲覧。
- ^ Reeves, Ben (2014年4月21日). “The 25 Best Game Boy Games Of All Time”. Game Informer. オリジナルの2014年4月21日時点におけるアーカイブ。 2024年11月13日閲覧。.
- ^ Rich Knight (2013年8月31日). “sha – The 25 Best Video Games for Nintendo's Gameboy Color”. Complex. 2014年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月13日閲覧。
- ^ GamesRadar Staff (2014年3月6日). “Best Game Boy games of all time”. GamesRadar. Future plc. 2024年11月13日閲覧。
- ^ Jeuxvideo.com Staff (2018年3月7日). “Top 10 des jeux Game Boy/Game Boy Color” (French). Jeuxvideo.com. Webedia. 2024年11月13日閲覧。
外部リンク
編集- Wayforward Technologies公式サイト(アーカイブ)