シノビグモ(学名:Shinobius orientalis)は、クモ目サシアシグモ科に属するクモの一種である。

シノビグモ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 鋏角亜門 Chelicerata
: クモ綱 Arachnida
: クモ目 Araneae
: サシアシグモ科 Trechaleidae
: シノビグモ属 Shinobius
: シノビグモ
S. orientalis
学名
Shinobius orientalis
(Yaginuma, 1967)

特徴

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体長は雌で5-8mm、雄は5-6mm。全体に褐色から黄褐色で黒褐色の斑紋がある。眼は2列8眼、両列とも後曲(側眼が中眼より後ろ)だが、特に後列の眼が大きくて強く曲がる。

山地に生息し、石や倒木、落ち葉の下など、湿り気の多い地面に潜んでいる。網は張らず、地表を歩いて獲物を捕食する。

産卵期は5-6月で、6月に仔グモが孵化して、翌年の10月頃に成体となるが、そのまま越冬して、産卵はさらに翌年である。

雌はコモリグモ科のもののように卵嚢を糸疣につけて運ぶ。ただし、コモリグモ科とは異なり、孵化した幼虫は雌の腹背でなく、卵嚢の上に集まる[1]

分布

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北海道・本州・四国に分布する。現時点では日本固有種。

分類

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本種は当初キシダグモ科に所属させたが、現在は上記の科に所属させる。この科のものは13属70種ほどが知られるが、ほとんどが中南米産であり、この種の分布はかけ離れたものである。系統的にはコモリグモ科に近いとされる。

出典

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  1. ^ 八木沼(1986),p.175

参考文献

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  • 新海栄一『ネイチャーガイド 日本のクモ』文一総合出版、2006年11月30日。ISBN 4-8299-0174-8 p.77
  • 小野展嗣編著、『日本産クモ類』、(2009)、東海大学出版会
  • 八木沼健夫,『原色日本クモ類図鑑』、(1986),保育社