シアン化カルシウム
シアン化カルシウム(シアンかカルシウム、英: calcium cyanide)はカルシウムのシアン化物で、化学式 Ca(CN)2 で表される無機化合物。
シアン化カルシウム calcium cyanide | |
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calcium cyanide | |
別称 カルシウムジシアニド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 592-01-8 |
特性 | |
化学式 | Ca(CN)2 |
外観 | 無色ないし白色の固体 |
匂い | アーモンド臭 |
密度 | 1.853 g/cm3 |
融点 |
350 °Cで分解 |
水への溶解度 | (激しく反応) |
溶解度 | アルコールに可溶 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0407 |
引火点 | (不燃性) |
半数致死量 LD50 | 39 mg/kg(ラット、経口) |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 塩化カルシウム ヨウ化カルシウム |
その他の陽イオン | シアン化亜鉛 シアン化カドミウム シアン化マグネシウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
用途
編集燻蒸剤、除草剤、殺鼠剤、セメント安定剤およびステンレス鋼の製造に利用される[1]。かつては金や銀の湿式製錬(シアン化法)にも用いられた。
安全性
編集シアン化合物であり、日本の毒物及び劇物取締法では毒物に分類される。ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は39mg/kgで、皮膚からも吸収されることがある。摂取すると特に中枢神経系や心血管系、長期間曝露すると甲状腺に影響が生じる。シアン化カルシウム自体は不燃性であるが、350°Cで分解し、窒素酸化物やシアン化水素などの有毒ガスを生じる。水、空気中の水分、二酸化炭素、酸や酸性の塩と反応し、火災や爆発の可能性がある[1][2]。
脚注
編集- ^ a b 製品安全データシート(安全衛生情報センター)
- ^ 国際化学物質安全性カード シアン化カルシウム ICSC番号:0407 (日本語版), 国立医薬品食品衛生研究所