ザ・フリーシンカー
『ザ・フリーシンカー』(The Freethinker) は、G・W・フットが1881年に創刊したイギリスの世俗的ヒューマニズム雑誌[1]。世界で最も古い時期から刊行が継続されていた雑誌であったが、2014年にはオンライン配信のみに移行した。
カテゴリ | 学術雑誌 |
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刊行頻度 | 月刊 |
創刊号 | 1881年5月1日 |
最終号 | 2014年4月(プリント版) |
国 | イギリス |
言語 | 英語 |
ウェブサイト |
www |
この雑誌は一貫して、妥協の余地なく無神論、反宗教主義の立場をとった。1881年5月の創刊号に、フットは『ザ・フリーシンカー』の目的を次のように定めた。
この雑誌は、英国世俗協会 (National Secular Society, NSS) と密接に結びついており、NSSの歴代の会長や事務局長が『ザ・フリーシンカー』の編集人を務めてきたが、『ザ・フリーシンカー』はあくまでも自立した雑誌であり、NSSが発行主体であったことはまったくない。
2006年には、それまで表紙の題字に添えて掲げられていた「Secular humanist monthly」(世俗的ヒューマニズムの月刊誌)が、「The Voice of Atheism since 1881」(1881年創刊の無神論者の声)へと変更された。
現在の編集人はバリー・デュークである。
歴史
編集『ザ・フリーシンカー』の1882年のクリスマス号に反宗教的風刺漫画を掲載したとして、フットは冒涜の罪に問われ、12か月の懲役・重労働の判決を受けた。熱心なカトリック信者であるノース判事 (Mr Justice North) から判決を言い渡された際、フットは「熟慮の結果として」と前置きし、「閣下、私は閣下に感謝をいたします。この判決は貴殿の信条に叶うものであります。」と述べた。フットはこの経験を、1886年の著書『Prisoner for Blasphemy』にまとめた。
2014年4月号の『ザ・フリーシンカー』は、5月号が印刷媒体として発行される最後になるという告知を掲載し、以降はオンライン配信で発行を継続するとした[2]。
編集人一覧
編集1881年以来の『ザ・フリーシンカー』の編集人の一覧である。
- ジョージ・ウィリアム・フット (George William Foote)、1881年–1915年
- フットが投獄されていた1883年には、エドワード・エイヴリング (Edward Aveling) が編集にあたった。
- チャップマン・コーエン (Chapman Cohen)、1915年–1951年
- フランク・リドリー (Frank Ridley)、1951年–1954年
- F・A・ホーニブルック (F. A. Hornibrook)、ベイヤード・シモンズ (Bayard Simmons)、G・H・テイラー (G. H. Taylor) による委員会、1954年–1957年?
- コリン・マッコール (Colin McCall)、1957年にシモンズに代わって委員会に参加、1965年12月に単独の編集人となる。
- デイヴィッド・トライブ (David Tribe)、1966年1月–7月
- キット・ムート (Kit Mouat)、1966年8月–1967年1月
- デイヴィッド・コリス (David Collis)、1967年1月–11月
- カール・ハイド (Karl Hyde)、1967年11月–1968年8月
- デイヴィッド・レイノルズ (David Reynolds)、1968年9月–1970年7月
- ウィリアム・マキルロイ (William McIlroy)、1970年–1971年12月
- ナイジェル・シノット (Nigel Sinnott)、1972年1月-1973年11月
- クリストファー・モレイ (Christopher Morey)、1973年11月-1974年12月
- ウィリアム・マキルロイ、1975年–1976年
- ジム・ヘリック (Jim Herrick)、1977年1月–1981年
- ウィリアム・マキルロイ、1981年9月–1982年12月
- ピーター・ブレアリー (Peter Brearey)、1993年1月–1998年
- バリー・デューク (Barry Duke)、1998年–現在
脚注
編集- ^ “Atheism and Humanism Links”. Arthur Chappell. 2016年10月12日閲覧。
- ^ The future of the Freethinker: an important announcement, April 1, 2014. (archive. original)
関連項目
編集参考文献
編集- Cohen, Chapman (1940). Almost an Autobiography: Confessions of a Freethinker. London: Pioneer Press
- Herrick, Jim (1982). Vision and Realism: A Hundred Years of The Freethinker. London: GW Foote & Co. ISBN 0-9508243-0-5
- Marsh, Joss (1998). Word Crimes: Blasphemy, Culture, and Literature in Nineteenth-Century England. Chicago: University of Chicago Press. ISBN 0-226-50691-6
- Smoker, Barbara (2002). Freethoughts: Atheism, Secularism, Humanism – Selected Egotistically from 'The Freethinker'. London: GW Foote & Co. ISBN 0-9508243-5-6
外部リンク
編集- The Freethinker's website
- Google Books (holds Vol. 10 [1890]).