ザ・ナイト・サイレン〜天空の美情
スティーヴ・ハケットのアルバム
『ザ・ナイト・サイレン〜天空の美情』(The Night Siren)は、イギリスのギタリスト、スティーヴ・ハケットが2017年に発表したスタジオ・アルバム。
『ザ・ナイト・サイレン〜天空の美情』 | ||||
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スティーヴ・ハケット の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | インサイド・アウト・ミュージック | |||
プロデュース |
スティーヴ・ハケット&ロジャー・キング スティーヴ・ハケット&ベネディクト・フェナー(#11) | |||
チャート最高順位 | ||||
スティーヴ・ハケット アルバム 年表 | ||||
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背景
編集ハケットのソロ・ワークとしては初のコンセプト・アルバムで、音楽を通じて多民族の融和を目指した内容である[1]。ハケット自身は本作の方向性について「ある意味、音楽による国際連合さ」と説明している[11]。
「荒廃した世へ」は難民を題材とした曲で、「希望の輝き」ではパレスチナ人の歌手とイスラエル人の歌手が共演している[12]。「北極点から情景」は、自身のツアーでアイスランドに滞在した体験が反映された曲で[13]、本作のジャケットには、アイスランドで撮影されたオーロラの写真が使用されている[14]。また、「愛情と情熱」のイントロではフラメンコの奏法が取り入れられており[13]、「インカの地にて」はペルーに滞在した体験にインスパイアされた曲である[11]。
本作のレコーディングでは、中東のウード、中南米のチャランゴ、アイルランドのイリアン・パイプスを含む多数の民族楽器が使用された[15]。
日本盤ボーナス・トラックのうち「アフター・ジ・オーディール」は、ジェネシス時代の楽曲の再録音で、オリジナル・ヴァージョンはアルバム『月影の騎士』(1973年)に収録されている[16]。
反響
編集母国イギリスでは、2017年4月6日付の全英アルバムチャートで28位を記録したが、翌週にはチャート圏外に落ちた[3]。ドイツのアルバム・チャートでは2週トップ100入りし、最高22位を記録[2]。
収録曲
編集特記なき楽曲はスティーヴ・ハケットとジョー・ハケットの共作。
- 荒廃した世へ "Behind the Smoke" (Steve Hackett, Jo Hackett, Roger King) - 6:57
- 火星の海辺 "Martian Sea" (S. Hackett, R. King) - 4:40
- 北極点から情景 "Fifty Miles from the North Pole" (S. Hackett, J. Hackett, Amanda Lehmann) - 7:08
- エル・ニーニョの影 "El Niño" (S. Hackett, R. King) - 3:51
- 障壁を超えて "Other Side of the Wall" - 4:00
- 愛情と情熱 "Anything but Love" (S. Hackett) - 5:56
- インカの地にて "Inca Terra" - 5:53
- もう一つの人生 "In Another Life" (S. Hackett, J. Hackett, R. King, Troy Donockley) - 6:07
- 夢幻の回廊 "In the Skeleton Gallery" - 5:09
- 希望の輝き "West to East" - 5:14
- 心の贈り物 "The Gift" (Leslie-Miriam Bennet, Benedict Fenner) - 2:43
日本盤ボーナス・トラック
編集- アフター・ジ・オーディール "After the Ordeal" (S. Hackett, Peter Gabriel, Mike Rutherford, Tony Banks, Phil Collins) - 2:02
- 真夏の夜のジャズ "Jazz on a Summer's Night" (S. Hackett) - 4:01
参加ミュージシャン
編集- スティーヴ・ハケット - ギター、ボーカル、ウード、チャランゴ、シタール・ギター、ハーモニカ
- ロジャー・キング - キーボード、プログラミング
- ベネディクト・フェナー - キーボード、プログラミング (on #11)
- レスリー=ミリアム・ベネット - キーボード (on #11)
- ジョン・ハケット - フルート (on #2, #10, #12, #13)
- ロブ・タウンゼント - フルート、サクソフォーン、フラジオレット、ケーナ、ドゥドゥク、バスクラリネット (#1, #4, #7, #9, #12, #13)
- アマンダ・リーマン - ボーカル (on #1, #2, #3, #6, #7, #8, #9, #10)
- ナッド・シルヴァン - ボーカル (on #7)
- ミラ・アワド - ボーカル (on #10)
- コビ・ファーヒ - ボーカル (on #10)
- ジョー・ハケット - ボーカル (on #10)
- ディック・ドライヴァー - ダブル・ベース (on #3, #4, #5, #7)
- ニック・ディヴァージリオ - ドラムス (on #2)
- ゲイリー・オトゥール - ドラムス (on #3, #4, #10)
- Gulli Briem - ドラムス、カホン、パーカッション (on #7, #9)
- Malik Mansurov - タール (on #1)
- Sara Kovács - ディジュリドゥ (on #3)
- Ferenc Kovács - トランペット (on #3)
- トロイ・ドノクリー - イリアン・パイプス (on #8)
- クリスティン・タウンゼント - ヴァイオリン、ヴィオラ (on #3, #4, #5, #7, #9, #10)
脚注・出典
編集- ^ a b “スティーヴ・ハケット/ザ・ナイト・サイレン〜天空の美情 (紙ジャケット仕様) (SHM-CD) (限定)”. CDJournal. 音楽出版社. 2018年6月19日閲覧。
- ^ a b Offizielle Deutsche Charts
- ^ a b STEVE HACKETT | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ Steve Hackett - The Night Siren - dutchcharts.nl
- ^ italiancharts.com - Steve Hackett - The Night Siren
- ^ ultratop.be - Steve Hackett - The Night Siren
- ^ Steve Hackett - The Night Siren - hitparade.ch
- ^ Steve Hackett - The Night Siren - austriancharts.at
- ^ ultratop.be - Steve Hackett - The Night Siren
- ^ lescharts.com - Steve Hackett - The Night Siren
- ^ a b Chiu, David (2017年3月7日). “Steve Hackett on His New World Music-Influenced Album and Leaving Genesis 40 Years Ago”. PopMatters. 2018年6月19日閲覧。
- ^ Sharp, Ken (2017年3月13日). “Steve Hackett on Genesis, the Beatles, 'The Night Siren' and Music’s Ability to Inspire Change”. Rock Cellar Magazine. 2018年6月19日閲覧。
- ^ a b Derrough, Leslie Michele (2017年2月6日). “Steve Hackett Talks New LP 'The Night Siren' & Revisiting 'Wind & Wuthering' (INTERVIEW)”. Glide Magazine. 2018年6月19日閲覧。
- ^ “THE NIGHT SIREN MAGICAL IMAGES - MARCH 2017”. HackettSongs. 2018年6月19日閲覧。
- ^ “Steve Hackett:: 'The Night Siren'”. Inside Out Music (2016年12月15日). 2017年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月8日閲覧。
- ^ Selling England by the Pound - Genesis | AllMusic
外部リンク
編集- ザ・ナイト・サイレン〜天空の美情 - Discogs (発売一覧)