ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷
『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』（ザ・グラッジ しりょうのすむやしき、The Grudge）は2020年のアメリカ合衆国のホラー映画。監督はニコラス・ペッシェ、主演はアンドレア・ライズボローが務めた。本作は2000年に発表された映画『呪怨』を原作としており、ハリウッドで製作されたシリーズ作品としては4作目に当たる。また、本作はシリーズをリブートする作品でもある。
| ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 | |
|---|---|
| The Grudge | |
| 監督 | ニコラス・ペッシェ |
| 脚本 | ニコラス・ペッシェ |
| 原案 |
ニコラス・ペッシェ ジェフ・ブーラー |
| 原作 | 清水崇『呪怨』 |
| 製作 |
一瀬隆重 サム・ライミ ロバート・G・タパート |
| 製作総指揮 |
ダグ・デイヴィソン ジョセフ・ドレイク ネイサン・カヘイン ロイ・リー ジョン・パワーズ・ミドルトン スカイラー・ワイス |
| 出演者 |
アンドレア・ライズボロー デミアン・ビチル ジョン・チョー ベティ・ギルピン |
| 音楽 | ザ・ニュートン・ブラザーズ |
| 撮影 | ザッカリー・ギャラー |
| 編集 |
ガードナー・グールド ケン・ブラックウェル |
| 製作会社 |
スクリーン ジェムズ ゴースト・ハウス・ピクチャーズ ステージ6・フィルムズ |
| 配給 |
 ソニー・ピクチャーズ・リリーシング イオンエンターテイメント |
| 公開 |
2020年1月3日 2020年10月30日 |
| 上映時間 | 94分[1] |
| 製作国 |
アメリカ合衆国 |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $10,000,000[2] |
| 興行収入 |
 $40,257,664[3] |
ストーリー
編集変死体が発見されたという一報を受け、マルドゥーン刑事は現場へ急行した。現場の近くには「その屋敷に足を踏み入れた者は怨霊によって惨殺される」と噂される屋敷があった。マルドゥーンは捜査のために屋敷へ入ったが、手掛かりとなりそうなものはなかった。
帰宅後、マルドゥーンは屋敷から怨霊が自分の後をついてきたことに気が付いた。怨霊はマルドゥーンとその息子（バーク）に容赦なく襲いかかるのだった。
なお、本作のストーリーは①ランダーズ家が遭遇した出来事、②スペンサー家が遭遇した出来事、③マシスン家が遭遇した出来事、④マルドゥーン刑事が遭遇した出来事の4つのストーリーから構成されており、各ストーリーを時系列順に並べると①（2004年）→②→③（2005年）→④（2006年）となっている。ただし、ストーリーは必ずしも時系列順に展開されていない。
キャスト
編集- マルドゥーン刑事 - アンドレア・ライズボロー（庄司宇芽香）
- グッドマン刑事 - デミアン・ビチル（竹田雅則）
- ピーター・スペンサー - ジョン・チョー（浪川大輔）
- ニーナ・スペンサー - ベティ・ギルピン（島田愛野）
- フェイス・マシスン - リン・シェイ（藤貴子）
- ローナ・ムーディ - ジャッキー・ウィーヴァー（犬山イヌコ）
- ウィルソン刑事 - ウィリアム・サドラー（森宮隆）
- ミスター・マシスン - フランキー・フェイソン（俊藤光利）
- バーク - ジョン・J・ハンセン（濱口綾乃）
- フィオナ・ランダーズ - タラ・ウェストウッド（藤貴子[6]）
- 佐伯伽椰子 - ジュンコ・ベイリー
- コール - ナンシー・ソレル
- 看護師 - ステファニー・シィ
- グレコ刑事 - ジョエル・マーシュ・ガーランド（真木駿一）
- サム・ランダーズ - デヴィッド・ローレンス・ブラウン
- メリンダ・ランダーズ - ゾーイ・フィッシュ
- フリードマン - ロビン・ルエル
- マイケルズ - ブラッドリー・サワツキー
製作
編集構想
編集2011年8月26日、ゴースト・ハウス・ピクチャーズとマンデート・ピクチャーズがハリウッド版『呪怨』の第4作を企画しており、シリーズをリブートする意向であると報じられた[7]。11月、前3作の製作総指揮を務めたロイ・リーがインタビューで「シリーズの新しい展開についてのアイデアを脚本家たちから聞いている最中だ」という趣旨のことを述べた[8]。
2014年3月20日、グッド・ユニバースとゴースト・ハウス・ピクチャーズがハリウッド版『呪怨』をリブートする作品を製作することになり、ジェフ・ブーラーが脚本を担当することになったとの報道があった[9][10]。4月、ブーラーが「リブート版は『呪怨』シリーズの精神を受け継いだ作品だが、ストーリーは過去作のそれと繋がらない全く新しいものになる」という趣旨のことを語った[11]。2017年7月6日、ニコラス・ペッシェが監督に起用され、脚本のリライトを行うことになったと報じられた[12]。
キャスティング
編集2018年3月3日、製作サイドがアンドレア・ライズボローの起用を検討していると報じられた[13]。15日、デミアン・ビチルの出演が決まったとの報道があった[14]。4月、ジョン・チョーがキャスト入りした[15]。21日、リン・シェイが本作に出演することになったと報じられた[16]。4月、ジャッキー・ウィーヴァー、フランキー・フェイソン、ウィリアム・サドラー、ベティ・ギルピンらが起用された[17]。
撮影・音楽
編集本作の主要撮影は2018年5月7日にマニトバ州のウィニペグで始まり、同年6月23日に終了した。2019年6月2日、本作の追加撮影が行われた[18]。9月24日、ザ・ニュートン・ブラザーズが本作で使用される楽曲を手掛けるとの報道があった[19]。2020年1月5日、本作のサウンドトラックが発売された[20]。
公開・マーケティング
編集2019年9月20日、本作の劇中写真が初めて公開された[21]。10月28日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[22]。
当初、本作は2019年8月16日に全米公開される予定だったが[23]、後に公開日は同年6月21日→2020年1月3日に変更されることになった[24][25]。
興行収入
編集本作は公開初週末に900万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが[26]、実際の数字はそれを若干上回るものとなった。2020年1月3日、本作は全米2642館で公開され、公開初週末に1140万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場5位となった[27]。
評価
編集本作は批評家から酷評されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには55件のレビューがあり、批評家支持率は16%、平均点は10点満点で4.14点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「オリジナリティのない退屈な作品だ。リブート版『呪怨』は才能のある俳優・スタッフを安っぽい恐怖のために無駄遣いしている。本作を鑑賞した者は苛立ちを募らせるかもしれない。」となっている[28]。
Metacriticには21件のレビューがあり、加重平均値は37/100となっている[29]。
CinemaScoreによる評価は、最低のFとなっている[30]。
出典
編集- ^ “ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷”. 映画.com. 2020年9月24日閲覧。
- ^ “The Grudge”. Box Office Mojo. 2020年1月27日閲覧。
- ^ “The Grudge (2020)”. The Numbers. 2020年1月27日閲覧。
- ^ “ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷”. ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント. 2020年12月18日閲覧。
- ^ “ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷”. ふきカエル大作戦!! (2020年1月15日). 2022年5月15日閲覧。
- ^ 藤貴子 [@fujitakako_2017] (2021年1月17日). "声のお仕事の告知 Voice acting". Instagramより2022年5月15日閲覧。
- ^ “The Curse of ‘The Grudge’: The Franchise Will Never Die”. Bloody Disgusting (2011年8月26日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “Producer Roy Lee Talks THE RING, POLTERGEIST, and THE GRUDGE Reboots, A Darker Ending for Spike Lee’s OLDBOY Remake, and More”. Collider (2011年11月28日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “Horror Hit ‘The Grudge’ Going Reboot Route”. Deadline.com (2014年3月20日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “'The Grudge' Reboot in the Works from 'Midnight Meat Train' Writer”. Screen Rant (2014年3月20日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “‘The Grudge’ Re-Re-Reboot Will Carry New Mythology”. Bloody Disgusting (2014年8月9日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “‘The Grudge’ Reboot Taps ‘Eyes of My Mother’ Director Nicolas Pesce”. Variety (2017年7月6日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “'The Grudge' Re-re-reboot Infects Andrea Riseborough”. Bloody Disgusting (2018年3月3日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “'The Grudge' Reboot Adds 'The Nun's' Demian Bichir”. Bloody Disgusting (2018年3月15日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “John Cho Goes From "Exorcist" to 'The Grudge'”. Bloody Disgusting (2018年3月16日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “Lin Shaye Continues Career Resurgence With Role in 'The Grudge' Reboot”. Bloody Disgusting (2018年3月21日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “‘Grudge’: Jacki Weaver, Betty Gilpin, William Sadler & Frankie Faison Join Sony’s Reimagining”. Deadline.com (2018年4月30日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “EXCLUSIVE: John Cho’s ‘The Grudge’ Reboot Getting Four Days of Additional Photography Starting June 3rd”. Geeks WorldWide (2019年6月2日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “The Newton Brothers Scoring Nicolas Pesce’s ‘The Grudge’ Reboot”. Film Music Reporter (2019年9月24日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “‘The Grudge’ Soundtrack Released”. Film Music Reporter (2020年1月5日). 2020年8月23日閲覧。
- ^ “First ‘The Grudge’ Reboot Images Reveal Evil All Up in Your Face”. Collider (2019年9月20日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “The Grudge Trailer Teases Sony's R-Rated Horror Movie Reboot”. Screen Rant (2019年10月28日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “The Grudge Remake Will Infect Theaters In 2019”. Bloody Disgusting (2018年4月5日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “‘Grudge’ Will Go Earlier In Summer 2019”. Deadline.com (2018年10月23日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “Screen Gems’ ‘Grudge’ Reboot Will Now Scare In 2020”. Deadline.com (2019年1月28日). 2019年10月30日閲覧。
- ^ “'The Grudge' Set for $12 Million Debut”. Box Office Mojo (2020年1月3日). 2020年1月27日閲覧。
- ^ “Domestic 2020 Weekend 1 January 3-5, 2020”. Box Office Mojo. 2020年1月27日閲覧。
- ^ “The Grudge”. Rotten Tomatoes. 2020年1月5日閲覧。
- ^ “The Grudge (2020)”. Metacritic. 2020年1月5日閲覧。
- ^ “‘Star Wars: Rise Of Skywalker’ Seeing $36M+ Third Weekend; ‘Grudge’ Slammed With ‘F’ CinemaScore”. Deadline.com (2020年1月4日). 2020年1月5日閲覧。