サーシャ・ガヴァシ

イギリスのジャーナリスト、脚本家、映画監督 (1966-)

サーシャ・ガヴァシSacha Gervasi, 1966年 - )は、イギリスジャーナリスト脚本家映画監督。映画賞獲得者[1]

サーシャ・ガヴァシ
Sacha Gervasi
生年月日 1966年
出生地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
職業 脚本家映画監督
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幼少期と映画脚本家としての仕事

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1966年ロンドンに生まれ、ウェストミンスター・スクールに通い、キングス・カレッジ・ロンドンにて近代史を専攻。1981年彼が18歳のとき、カナダヘヴィメタルバンド「アンヴィル」がロンドンで演奏をしていたところを手助けし、ついにロードマネージャーとなり3つの地方ツアーに参加。別れる1986年まで親交を深めた[2]

ガヴァシの最初の職は1968年に二人の若い詩人ジョン・フェアファックスとジョン・モートにより設立されたアーヴォン筆記財団にて、イングランドの桂冠詩人テッド・ヒューズのもとで働くことであった。彼が学位を極めた後、1989年、競売会社サザビーズサミュエル・ベケットの私文書を売り払う整理をしていたサミュエル・ベケットアーカイブのジョン・カルダーのもとで働いた。中にはトリニティ・カレッジに売られた『ゴドーを待ちながら』のベケット自らが注釈をつけたバージョンも含まれていた。

1995年ロサンゼルスに移ると、カリフォルニア大学映画学校で映像作家過程に通い、二度のアカデミー賞奨学金を獲得した。過程の間、彼はジャーナリストとして働き生計を立て、『サンデー・タイムズ』紙や『オブザーバー』、『パンチ』などの新聞や雑誌に記事を寄せた。

ガヴァシはクレイグ・ファーガソンとの共同脚本で『The Big Tease』を書き、映画の仕事を始めた。2004年、監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・ハンクスの映画『ターミナル』の脚本を務めた。ロンドンの『デイリー・テレグラフ』は「彼はスピルバーグの映画となった脚本を持つ、たった二人の英国人のうちの一人である。もう一人はトム・ストッパード(『太陽の帝国』)だ」[3]と書いた。

他の映画にはニコール・キッドマン主演の『百万長者と結婚する方法』と、トム・ハンクス主演の『コムレイド・ロックスター』がある。また、脚本とエグゼクティブプロデューサーを務めた、キアヌ・リーブスジェームズ・カーンヴェラ・ファーミガが演じた『フェイク・クライム』がある。この映画は2010年10月のトロント国際映画祭で上映された[4]

彼はカリフォルニア大学でハンターザーキン脚本講座の講師に任命され、2009年秋までそこで教鞭を取った。またガヴァシはスティーヴン・ザイリアンオースティン映画祭の最高脚本家賞を送った。

2018年、彼は俳優エルヴェ・ヴィルシェーズの伝記映画を、1993年のエルヴェの自殺のわずか数日前に自らが行ったインタビューを基に脚本、監督を務めた。このTV映画は、『シンドラーのリスト』でオスカー賞を受賞したスティーヴン・ザイリアンがプロデュースをした[5]

現在ジョー・ネスボノルウェーの恐怖映像「Headhunters」をサミット・エンターテインメント配給でリメイクしている。

アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち

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ガヴァシは、30年以上共に過ごしたカナダのヘヴィメタルバンドのアンヴィルのドキュメンタリー映画の監督を務めた。ガヴァシはロンドンのマーキークラブでの仕事以来、1982年9月21日に初めてアンヴィルに会った。彼は自身を「イギリス一のアンヴィルのファンだ」と売り込んだ。彼はその後、1982年、1984年1985年のツアーに、バンドのローディーとなり、バンドからは「ティーバッグ」の愛称をもらった[6]。彼は20年の断交から後に再会し、2005年11月、彼らについてロキュメンタリーの撮影を始めた[6]

2008年1月にサンダンス映画祭で初上映され、2008年度シドニー映画祭ロサンゼルス映画祭ガルウェイ国際映画祭で観客賞を勝ち取った。

映画は多くの批評で賞賛と高い喝采を受けた。Rotten Tomatoesでは98%のレーティングだった[7][8][9][10][11][12][13][14]

マイケル・ムーアはその映画を「私が見てきた中で最高のドキュメンタリーだ」と言い放ち、『タイムズ』紙は「おそらく現時点でロックンロールについて語った最高の映画」と呼んだ[15]

ロンドンではイブニングスタンダード英国映画賞で、2009年の最高のドキュメンタリーと呼ばれた。コールドプレイクリス・マーティンが賞を与えた[16]

2009年アメリカ映画協会はベストピクチャーノミネートを5作から10作に拡げた。2009年10月、『アンヴィル』は最高ドキュメンタリーとしてだけでなく、拡大したベストピクチャー賞の熟慮のために送られた最初の作品だった[17]。アンヴィルが注目されながら最優秀ドキュメンタリー賞の候補作にならなかった時、失望感があった[18]

この映画はロサンゼルス2010年インディペンデント・スピリット賞で最優秀ドキュメンタリー賞、最優秀音楽賞、国際ドキュメンタリー協会賞最優秀ドキュメンタリー賞を勝ち取った[19]

アンヴィルは2010年の優れた芸術や文化行事賞でエミー賞を受賞した。

監督デビュー

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2009年、ガヴァシは『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』で映画監督としてデビューした。


日常生活

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彼の父シーン・ガヴァシはホワイトハウスジョン・F・ケネディの経済アドバイザーで、ユーゴスラビアの事務の専門家でもあり、オックスフォードロンドン経済大学ヴァンセンヌパリ大学経済学を教えた[20][21][22]

彼のおじのトム・ガヴァシは情報問題の専門家であり、「ソ連の軍事的優位の神話」や「民主主義の兵器庫」シリーズの著者[23][24]

彼の祖父のフランク・ガヴァシはハーストの国際通信社のローマ支局長であり、オランダベルギーフランスの崩壊をかばい、第二次世界大戦の初期にコリアーズウィークリーに加わった[25]

その後『ワシントン・ポスト』の記者となり、イタリアマーシャル・プランの情報の主任となった。ローマでのジャーナリスト人生と、アドルフ・ヒトラーベニート・ムッソリーニとの個人的な出会いを詳細に描いた「A Violent Decade」を含めた12の作品の著者である。

彼の祖母はフィラデルフィア出身のキャサリン・マッキガンだったが、彼は1950年代後半に祖父フランクが結婚した50年代の歌手ジョージア・ギブスに育てられた。彼女のミリオンセラーシングルには『エル・チョクロ』や、『dance』、『tweedle』などがある。彼女はハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を持っている。

ガヴァシは2006年5月14日に生まれたブルーベル・マドンナ・ハリウェルの父。彼女はスパイスガールズのリーダーで国連人口基金親善大使ジェリ・ハリウェルの娘。ガヴァシはトビー・ヤングによる「How to Lose Friends and Alienate People」の本の中のアレックス・デ・シルヴァのキャラクターの元ネタである言われている[26]。ロンドンにいる間、彼はギャヴィン・ロスデイルと『Future Primitives』という音楽グループを立ち上げドラムをやったが、翌年バンド名をブッシュに名前を変え、その後世界的に有名となった[6]

作品

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参考文献

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  1. ^ “IMDB Sacha Gervasi”. IMDb. (2010年8月6日). https://www.imdb.com/title/tt1157605/awards/ 2010年8月6日閲覧。 
  2. ^ Anvil: The Story of Anvil by Steve Kudlow and Robb Reiner (Foreword by Slash) Bantam Press (March 13, 2009) ISBN 0593063643 page 127 and 165
  3. ^ Horan, Tom (26 January 2008). “Sundance Film Festival: Triumph of the sundance kids”. The Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml;jsessionid=HQYOVZHBU2NPDQFIQMFSFGGAVCBQ0IV0?xml=/arts/2008/01/26/bfsundance126.xml&page=1 1 November 2008閲覧。 
  4. ^ Fleming, Michael (29 October 2009). “Farmiga, Caan partner for 'Crime'”. Daily Variety. http://www.variety.com/article/VR1118010526.html?categoryId=13&cs=1&cache=false 30 October 2009閲覧。 
  5. ^ Siegel, Tatiana (15 October 2008). “Mandate, Zaillian to produce 'Dinner'”. Daily Variety. http://www.variety.com/VR1117994097.html 1 December 2008閲覧。 
  6. ^ a b c Sacha Gervasi: The Story of Anvil (A Tale of Two Metalheads)”. SuicideGirls.com (30 March 2009). 2009年3月30日閲覧。
  7. ^ Rodman, Sarah (April 12, 2009). “Metal band Anvil lives!”. The Boston Globe. http://www.boston.com/ae/music/articles/2009/04/12/anvil_lives/ 2 May 2009閲覧。 
  8. ^ “Movie Review: Sweetness and humor lighten load of 'Anvil'”. Sacramento Bee. (May 1, 2009). http://www.sacbee.com/moviereviews/story/1821539.html 2 May 2009閲覧。  [リンク切れ]
  9. ^ Anderson, John (May 18, 2008). “Heavy Metal, Light on the Success”. New York Times. http://www.nytimes.com/2008/05/18/movies/18ande.html 2 May 2009閲覧。 
  10. ^ “Rock band Anvil on a roll as docu hits theaters”. Reuters. (April 2, 2009). http://www.reuters.com/article/musicNews/idUSTRE53308120090404 2 May 2009閲覧。 
  11. ^ “ANVIL In London: Interview, Performance Footage Available”. Blabbermouth.net. (February 20, 2009). http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=114761 2 May 2009閲覧。 
  12. ^ “Anvil This Is Thirteen”. KNAC. (March 6, 2008). http://www.knac.com/article.asp?ArticleID=6174 2 May 2009閲覧。 
  13. ^ “'Anvil': For Heavy-Metal Vets, It's A Hard-Rock Life”. NPR. (April 10, 2009). http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=102868751 2 May 2009閲覧。 
  14. ^ “Failure is not an option for headbanging band or inspiring documentary”. Weekly Alibi. http://alibi.com/index.php?story=28331&scn=film 
  15. ^ “Wendy Ide's films to look out for in 2009”. The Times. (3 January 2009). http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/film/article5383161.ece 6 August 2010閲覧。 
  16. ^ “'Anvil is the headbangers fairytale”. The London Standard. (12 February 2010). http://www.thisislondon.co.uk/film/article-23805421-anvil-is-the-headbangers-fairytale.do 6 August 2010閲覧。 
  17. ^ Whipp, Glenn (29 October 2009). “Oscar's best pic expansion overdue”. Daily Variety. http://www.variety.com/article/VR1118010516.html?categoryid=1982&cs=1 30 October 2009閲覧。 
  18. ^ Gleiberman, Owen (20 November 2009). “Oscar documentary scandal: The real reason that too many good movies got left out”. Entertainment Weekly. http://movie-critics.ew.com/2009/11/20/oscar-documentary-scandal/ 6 August 2010閲覧。 
  19. ^ Nelson, Steffie (10 December 2009). “'Anvils' Upset Victory”. Variety. オリジナルの28 December 2012時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/KW2f 6 August 2010閲覧。 
  20. ^ “Namebase Gervasi, Sean”. Namebase. (1996年). http://www.namebase.org/xgas/Sean-Gervasi.html 1 December 2008閲覧。 
  21. ^ “Economist exposed U.S. German role in Balkans”. Workers World News Service. (29 August 1996). http://www.workers.org/ww/1997/gervasi.html 1 December 2008閲覧。 
  22. ^ “Why Is NATO In Yugoslavia? by Sean Gervasi”. Institute of International Politics and Economics, Belgrade. (13 January 1996). http://www.sam.hi-ho.ne.jp/~minovic/gervasi.html 1 December 2008閲覧。 
  23. ^ “Tom Gervasi”. Harper's Magazine. (1 December 2008). http://www.harpers.org/subjects/TomGervasi 1 December 2008閲覧。 
  24. ^ “In a Savage Irony, Pentagon Critic Tom Gervasi Is Laid Low—by His Own Toy Soldiers”. People Magazine. (13 June 1988). http://www.people.com/people/archive/article/0,,20099200,00.html 1 December 2008閲覧。 
  25. ^ “Frank Gervasi, Author And Correspondent, 81”. The New York Times. (22 January 1990). https://www.nytimes.com/1990/01/22/obituaries/frank-gervasi-author-and-correspondent-81.html 1 December 2008閲覧。 
  26. ^ Bachman, James (5 February 2003). “Alex de Silva”. Gas Giant. http://www.infinitemonkeys.co.uk/gasgiant/000130.shtml 1 November 2008閲覧。 

関連文献

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外部リンク

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