サレム(英語:Salem)は旧約聖書に登場する地名で、エルサレムを指す古称の一つである。「平和」「平安」を意味するシャーレームが語源であるという説や、この場所で礼拝された異教の神にちなんでいるという説もある[1]

本来、カナンのエブス人が住んだ町で、南東丘をさす「シオン」とも呼ばれた。創世記に登場する王と祭司を兼務したメルキゼデクは、その町の代表者として、アブラハムに戦勝の祝福の言葉を述べた。新約聖書のヘブル人への手紙でもメルキゼデクは「サレムの王、すなわち平和の王」と言及されている ダビデが先住民のエブス人を追放してから、イスラエル人が住むことになり、エルサレムと呼ばれるようになった。

脚注

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  1. ^ エブス人の神の名前であったと思われる。F・F・ブルース『新約聖書註解(ヘブル人への手紙)』239ページ脚注

参考文献

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