サマリウム鉄窒素磁石(サマリウムてつちっそじしゃく、samarium-iron-nitrogen magnet)は、サマリウム窒素で構成されている希土類磁石(レアアース磁石)である。

Sm2Fe17NX保磁力Nd-Fe-B系材料の5倍程度と高いものの、550℃以上で分解してしまうため、ネオジム磁石のように焼結が出来ないことから、現状ではボンド磁石として使われている。結合材の分だけ磁粉の充填率が下がるため、最大エネルギー積がNd-Fe-B系焼結磁石の半分以下に留まっており[1]、保磁力の高さを活かしきれていない。

属性

編集
  • 強い磁力(サイズが大きいほど磁力は強い)
  • ネオジム磁石で必要だった希土類元素(特にジスプロシウム)の使用を低減できる。

脚注

編集

参考文献

編集
  • 足立吟也. "新しい永久磁石材料--サマリウム・鉄・窒素合金 (1991 年の化学-11-)." 化学 46.11 (1991): p814-815.
  • 福野亮. "サマリウム-鉄-窒化化合物磁石の研究." (1995).
  • 入山恭彦, 今岡伸嘉. "磁性材料の化学 Sm2Fe17N3 新磁石の発見." 粉体および粉末冶金 43.1 (1996): 59-65.
  • 新井智久, 川島史行, 中川勝利. "世界最強の SmZrFeN 系等方性ボンド磁石粉." 東芝レビュー 56.2 (2001): 56.
  • 大松澤亮, 入山恭彦. "サマリウム‐鉄‐窒素系等方性ボンド磁石の開発." まてりあ 44.2 (2005): 157-159.
  • 広沢哲, 宝野和博, 杉本諭. "特集 「永久磁石材料の現状と将来展望」 によせて." 日本金屬學會誌 76.1 (2012): 1-1.

関連項目

編集