サブスタンス (ニュー・オーダーのアルバム)
『サブスタンス』(Substance)は、イギリスのバンドニュー・オーダーが1987年に発表したアルバムであり、彼らの最初のベスト・アルバムでもある。
『サブスタンス』 | ||||
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ニュー・オーダー の ベスト・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | エレクトロニカ、オルタナティヴ・ロック、マッドチェスター、ハウス | |||
時間 | ||||
レーベル | ファクトリー・レコード | |||
プロデュース | ニュー・オーダー、マーティン・ハネット、アーサー・ベイカー、ジョン・ロビー、ステファン・ヘイグ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ニュー・オーダー アルバム 年表 | ||||
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解説
編集このアルバムには、1981年2月にリリースされたシングル「セレモニー」からこのアルバムに先駆けてリリースされた「トゥルー・フェイス」までの12曲の12インチ・ヴァージョンが収録されているが、「テンプテーション」「コンフュージョン」の2曲はこのアルバム用に録音されたヴァージョンが収録されている。また当時彼らが所属していたファクトリー・レコードからリリースされた音源に加え、一部楽曲についてはファクトリー・レコードとベルギーのクレプスキュール・レーベルとの兄弟会社ファクトリー・ベネルクスからリリースされた12インチ・シングル収録の音源を収録している。なお「シーヴス・ライク・アス」までのシングル曲及び「シェルショック」「ステイト・オブ・ザ・ネイション」の8曲はオリジナル・アルバム初収録でもあった。(厳密に言えば「ブルー・マンデー」や「ステイト・オブ・ザ・ネイション」のようにリリースされた国によって、もしくはアルバム再発時に追加収録された曲もある)なお、サブスタンスの収録マスタリングは、全編通してマンチェスターにあるSpirit Studioにて行われた。ファクトリー・レコードでのアルバムのカタログ番号はFACT 200。
またこのアルバムは、1987年のリリース時にアナログ、CDの2つのフォーマット(国によってはカセットテープも含め3種類のフォーマット)で発売されたが、アナログは12インチにこだわってか各面3曲ずつ収録した12インチシングル2枚組で、CDは1枚目に12曲全て、2枚目に12インチシングルのカップリング曲などを全12曲、計24曲を収録した2枚組でリリースされている。カセットテープは2本組でCDでは未収録であった「Mesh][Dub Vulture][Shellcock]も収録されている。
『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、363位にランクイン[1]。
日本での発売について
編集日本では1987年8月10日、ファクトリー・レコードの販売を行っていた日本コロムビアより12インチシングル2枚組、CD2枚組と2種類のフォーマットで世界に先駆け先行リリースされた。しかし1992年にファクトリー・レコードが破産した際に彼らはロンドン・レコードに移籍、日本ではポリドール(現・ユニバーサルミュージック)から作品が発売されることになり、1993年11月6日に改めてポリドールからCD2枚組として再リリースされている。この際、ポリドールから12インチシングル2枚組は発売されなかった。
また、日本コロムビアからリリースされていた洋楽アルバムには、歌詞カードが添付されていないものが多く、このアルバムにも付属しなかったが、ポリドール盤には添付されていた。逆に、日本コロムビアからリリースされた洋楽シングルには歌詞カードが添付されているものが多く(「ブルー・マンデー」などでは帯に歌詞が刷り込まれていた)、「テンプテーション」以降の日本コロムビア盤シングルには歌詞カードが添付されていた。なお、歌詞カードには少し間違った歌詞が記載されていた事が有った。例えば"Thieves Like Us"の中の"And it belongs to every one of us"は正しくは"And it belongs to every one but us"であり、また"1963"の中の"When Jonny came home with a girl for me"は正しくは"When Johnny came home with a gift for me"である(日本語訳も同じ)。
収録曲
編集※CD2枚組(邦題はポリドール盤)による。日本コロムビア盤、ポリドール盤共に収録曲と順番はオリジナルのファクトリー・レコード盤と同じ。日本コロムビア盤の12インチシングル2枚組のほうは1枚目のA面にCDのDISC 1の1.-3.、B面に同4.-6.、2枚目のA面に同7.-9.、B面に同10.-12.が収録された。
- DISC 1 (日本コロムビア盤:50CY1737、ポリドール盤:POCD1888)
# | 邦題 | 原題 | 演奏時間 | 備考 |
1 | セレモニー | Ceremony | 4:24 | オリジナル・アルバム初収録曲で元々は前身のジョイ・ディヴィジョン時代の楽曲である。この曲は2回プレスされているが、収録されているのはジリアン・ギルバートが参加した2回目のヴァージョンである。日本ではシングルがリリースされておらず、これが初めての日本での正式リリースである。 |
2 | エヴリシング・ゴーン・グリーン | Everything's Gone Green | 5:31 | オリジナル・アルバム初収録曲。このアルバムではファクトリー・ベネルクスからリリースされた12インチ・ヴァージョンを収録している。なおファクトリー・レコードからはこの曲をA面としたシングルは出ておらず、シングル「プロセッション」(DISC 2収録)のB面にこの曲のオリジナル・ヴァージョンが収録されている。また「セレモニー」同様この曲も日本ではシングルがリリースされておらず、これが初めての日本での正式リリースである。 |
3 | テンプテイション(NEW VERSION) | Temptation (New Version) | 6:59 | オリジナル・アルバム初収録曲、バンド初プロデュース作品。日本ではこの曲がデビュー・シングルであった。このアルバム用にレコーディングされたニュー・ヴァージョンを収録。 |
4 | ブルー・マンデー | Blue Monday | 7:29 | オリジナル・アルバム初収録曲(但しセカンド・アルバム『権力の美学』の米国盤にはこの曲とカップリング曲「ザ・ビーチ」が収録されている)。バンドの出世作。 |
5 | コンフュージョン(NEW VERSION) | Confusion (New Version) | 4:43 | オリジナル・アルバム初収録曲。このアルバム用にレコーディングされたニュー・ヴァージョンを収録。 |
6 | シーヴス・ライク・アス | Thieves Like Us | 6:37 | オリジナル・アルバム初収録曲。日本コロムビア盤では邦題は「夢盗人」であった。 |
7 | パーフェクト・キス | The Perfect Kiss | 8:02 | サード・アルバム『ロウ・ライフ』からのシングル・カット。厳密に言えばオリジナルの12インチ・ヴァージョンではない。詳細はこの曲の項を参照。 |
8 | サブ・カルチャー | Sub-culture | 4:48 | サード・アルバム『ロウ・ライフ』から2枚目のシングル・カット。 |
9 | シェルショック | Shellshock | 6:29 | 映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』に提供した曲でオリジナル・アルバム初収録。サントラ盤とは若干ヴァージョンが異なっている。 |
10 | ステイト・オブ・ザ・ネイション | State of the Nation | 6:32 | オリジナル・アルバム初収録曲。1985年5月に来日した際に日本コロムビアのスタジオでレコーディングされた曲で、日本コロムビア盤のライナーノーツにも僅かながらその記述がある。 |
11 | ビザール・ラヴ・トライアングル | Bizarre Love Triangle | 6:45 | 4thアルバム『ブラザーフッド』からのシングル・カット。 |
12 | トゥルー・フェイス | True Faith | 5:54 | このアルバム用にレコーディングされた新曲で、アルバムリリースに先駆けてシングル・カットされた。 |
- DISC 2(日本コロムビア盤:50CY1738、ポリドール盤:POCD1889)
# | 邦題 | 原題 | 演奏時間 | 備考 |
1 | イン・ア・ロンリー・プレイス | In a Lonely Place | 6:16 | 12インチ・シングル「セレモニー」のB面に収録されていた曲。 |
2 | プロセッション | Procession | 4:27 | 前述の通りファクトリー・レコードからリリースされたシングル曲で、B面は「エヴリシング・ゴーン・グリーン」のオリジナル・ヴァージョンが収録されていた。この曲ではスティーヴン・モリスがヴォーカルを担当している。 |
3 | メッシュ | Mesh | 3:25 | 日本コロムビア盤、ポリドール盤とも「メッシュ」と表記されたこの曲は、実はタイトルが間違っており、正確には12インチ・シングル「エヴリシング・ゴーン・グリーン」のB面1曲目に収録されていた「Cries and Whispers」である。これはシングルリリース時のミスプリントに起因しており、本当の「メッシュ」は同シングルの2曲目に収録されていた。 |
4 | ハート | Hurt | 6:58 | 12インチ・シングル「テンプテーション」のB面に収録されていた曲。 |
5 | ザ・ビーチ | The Beach | 7:19 | 12インチ・シングル「ブルー・マンデー」のB面に収録されていた曲。言わば「ブルー・マンデー」のインストゥルメンタル・ミックス。 |
6 | コンフューズド・インストゥルメンタル | Confused Instrumental | 7:38 | 12インチ・シングル「コンフュージョン」のB面1曲目に収録されていた曲で「コンフュージョン」のインストゥルメンタル・ミックス。 |
7 | ロンサム・トゥナイト | Lonesome Tonight | 5:11 | 12インチ・シングル「シーヴス・ライク・アス」のB面に収録されていた曲。 |
8 | マーダー | Murder | 3:55 | ファクトリー・ベネルクスからリリースされた12インチ・シングル「マーダー」に収録された曲でオリジナル・アルバム初収録。 |
9 | シーヴス・ライク・アス (インストゥルメンタル) |
Thieves Like Us Instrumental | 6:57 | 上記「マーダー」の12インチ・シングルB面に収録されていた「シーヴス・ライク・アス」のインストゥルメンタル・ヴァージョン。日本コロムビア盤での邦題は「夢盗人(インストゥルメンタル)」であった。 |
10 | キッス・オブ・デス | Kiss of Death | 7:02 | 12インチ・シングル「パーフェクト・キッス」のB面2曲目に収録されていた曲。言わば「パーフェクト・キッス」のインストゥルメンタル・ミックス。ちなみに12インチ・シングルのB面1曲目には骨組みだけのヴァージョン「Perfect Pit」が収録されていた。 |
11 | シェイム・オブ・ザ・ネイション | Shame of the Nation | 7:54 | 12インチ・シングル「ステイト・オブ・ザ・ネイション」のB面に収録されていた曲。「ステイト・オブ・ザ・ネイション」の別ヴァージョン。 |
12 | 1963 | 1963 | 5:35 | 12インチ・シングル「トゥルー・フェイス」のB面に収録されていた曲。 |
その他
編集- このアルバムのジャケットは「NEW ORDER SUBSTANCE 1987」と文字が刻まれただけのシンプルなものであるが、このアルバムに先駆けてリリースされた「トゥルー・フェイス」のジャケットの裏面には同じ字体と配置で「NEW ORDER TRUE FAITH 1963」(「1963」は前述のとおり「トゥルー・フェイス」のカップリング曲)と刻まれていた。ちなみに日本コロムビア盤の12インチシングル「トゥルー・フェイス」では歌詞カードの表に「NEW ORDER TRUE FAITH 1963」と記載されていた。
- このアルバム用に新録音された「テンプテーション」「コンフュージョン」のニュー・ヴァージョンなど一部の楽曲については、このアルバム以降にリリースされたベスト盤に収録される際に、オリジナルの7インチ・ヴァージョンが使用されているため、このアルバムでしか聞けないヴァージョンのものがある。
- 日本のテレビ番組『タモリ倶楽部』のコーナー「空耳アワー」で、「コンフューズド・インストゥルメンタル」が紹介されたことがある[2]。