サトプラ山脈
サトプラ山脈(サトプラさんみゃく、マラーティー語: सातपुडा)、あるいはサートプラー山脈は、インド亜大陸のほぼ中央を、東西に走る山脈。インドの南側を逆三角形に見立てたとき、西側の辺に西ガーツ山脈、東側の辺に東ガーツ山脈、北側の辺にサトプラ山脈があると考えてよい。また、その三つの山脈に囲まれた高原地帯がデカン高原であり、南インドと呼ばれる地域でもある。最高地点は1,350mのドゥプガル山。
サトプラ山脈 | |
---|---|
パンチマルヒ・バレー | |
所在地 |
インド中部 グジャラート州・マハーラーシュトラ州・マディヤ・プラデーシュ州・チャッティースガル州 |
位置 | 北緯22度27分02秒 東経78度22分14秒 / 北緯22.45056度 東経78.37056度座標: 北緯22度27分02秒 東経78度22分14秒 / 北緯22.45056度 東経78.37056度 |
プロジェクト 山 |
概要
編集アラビア海沿岸のグジャラート州東部から、マハーラーシュトラ州、マディヤ・プラデーシュ州、そしてチャッティースガル州にかけての地域に広がる。
自然
編集サトプラ山脈は、元々は全体が鬱蒼とした森に覆われていたが、イギリス植民地時代以降切り開かれ、現在では原生林は少ししか残っていない。しかし、その貴重な森林には、トラ、ガウル(インドヤギュウ)、ドール(アカオオカミ)、ナマケグマ、ヨツヅノレイヨウ、ブラックバック、ヒョウ、インドオオリス、カンムリワシなどが生息している[1]。
モンスーンの強い影響を受けているため、東側は西側よりも降水量が多く、東ガーツ山脈と交わる高原には落葉樹の森林が広がっている。西側はナルマダー渓谷とともに、乾燥した落葉樹林となっている。樹種はチーク、サラソウジュなどが多く、特にサラソウジュはインドでここでしか生えていない。また、マツバラン属やハナヤスリ属などのシダ植物も多く見られる[1]。
歴史
編集サトプラ山脈は、歴史的に見て、ヴィンディヤ山脈とともにインドという国を南北に分断する文化的な壁となっていた。日本に流布しているインドのイメージとして、カレーの国というものや、ターバンやサリーを身に着けた人々がいる国というものがあるが、これらは大まかに見て北インドのイメージである。一方、南インドは経済的に発展しており、教育水準も高い。インドにおける南北の格差は大きく、これは、地理的にサトプラ山脈があったことで、長らく続いてきた問題であった。
脚注
編集- ^ a b c “Pachmarhi Biosphere Reserve, India” (英語). UNESCO (2019年1月22日). 2023年4月23日閲覧。