ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ (探査機)

ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイGhost Riders in the Sky)はアメリカの航空宇宙企業ファイアフライ・エアロスペースミッション。Blue Ghost Mission 1とも呼ばれている。同社初の月面着陸ミッションで、月の危難の海西部にあるラトレイユ山英語版という場所へ着陸する。ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイにはファイアフライ・エアロスペースの月着陸機ブルーゴーストが使用される。ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイは商業月面輸送サービス (CLPS) のミッションの一つで、NASAが同プログラムを通してファイアフライ社へ委託した10の機器が搭載されている。ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイはispaceHAKUTO-R ミッション2と同じファルコン9ロケットで打ち上げられるが、二つの民間企業の月着陸機が同じロケットで打ち上げられるのは初めてのこととなる[1]

ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ
Blue Ghost Mission 1の月面着陸後の想像図
所属 ファイアフライ・エアロスペース
主製造業者 ファイアフライ・エアロスペース
公式ページ https://fireflyspace.com/missions/blue-ghost-mission-1/
国際標識番号 2025-010A
カタログ番号 62716
状態 計画
目的 月探査
観測対象
打上げ機 ファルコン9
打上げ日時 2025年1月(予定)
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ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイに搭載されたNASAの観測機器LMSとLISTERは月の温度構造や温度進化を探る[2]

搭載ペイロード

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NASAのCLPSプログラムの機器

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ハニービー・ロボティクスが開発したルナーPlanetVac
 
メリーランド大学が開発した次世代リトロリフレクターアレイ
 
ボストン大学が開発した月環境太陽圏X線イメージャー
迅速な地下熱探査のための月面計測機器 (LISTER)
月の表面から2~3mの深さまで刺さり、深さによる熱の変化や深さごとの熱伝導率を測定し、月内部からの熱の流動を調べる。
ルナーPlanetVac (LPV)
ガスを使ってレゴリスを容器に採取し、内部で篩にかけた後に容器内のレゴリスを撮影する。
次世代リトロリフレクターアレイ (NGLR)
アポロ計画で設置された既存の反射鏡よりも高い精度を持つリトロリフレクターで、地球と月の距離をミリメートル未満の精度で計測することができる。
レゴリス粘着特性評価 (RAC)
15種類の素材サンプルにレゴリスが粘着する様子を試験する。
耐放射線コンピュータシステム (RadPC)
放射線による影響から回復することができるコンピュータを試験する。
電気力学ダストシールド (EDS)
ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイの着陸後に月面の上に配置され、電場を使って月面のダストを浮遊・除去したり、任意の場所へ移動させる技術を実証する。
月環境太陽圏X線イメージャー (LEXI)
広視野の軟X線イメージャーで地球の磁気圏シースと磁気圏境界面を撮影し、太陽風のエネルギーが地磁気に取り込まれ磁気嵐などを起こす過程を調べる。
月磁気地電流サウンダ (LMS)
太陽風と地球の磁気圏の電場および磁場の時間変化を測定することにより月内部の電気伝導特性を特定し、月の温度構造や歴史を探る。
衛星測位システム受信機実験 (LuGRE)
地球周回軌道上の衛星測位システム (GNSS) を月への遷移時及び月面での移動に活用する実証を行う。
月プルームと表面の研究用のステレオカメラ 1.1 (SCALPSS 1.1)
ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイの着陸前後での月面の変化を撮影し、着陸による月表面の摩耗やクレーター形成を測定する。

その他のペイロード

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LifeShip
ピラミッドの形をした芸術作品で、種子銀行などが内部に含まれている[1]

脚注

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  1. ^ a b Firefly, ispace lunar landers to share Falcon 9 launch”. SpaceNews (2024年12月18日). 2025年1月11日閲覧。
  2. ^ TO19D Science”. NASA (2025年1月2日). 2024年1月22日閲覧。

外部リンク

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