ゴダールの決別
1993年のジャン=リュック・ゴダール監督のフランス・スイス合作映画
『ゴダールの決別』(-けつべつ、仏語 Hélas pour moi)は、1993年(平成5年)に製作された、ジャン=リュック・ゴダール監督のフランス・スイス合作映画である。フランス映画界のスター、ジェラール・ドパルデューを初めて起用した商業作品[2]として知られる。
ゴダールの決別 | |
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Hélas pour moi | |
監督 | ジャン=リュック・ゴダール |
脚本 | ジャン=リュック・ゴダール |
製作総指揮 | アラン・サルド[1][2] |
出演者 |
ジェラール・ドパルデュー ロランス・マスリア ベルナール・ヴェルレー |
音楽 |
キース・ジャレット キム・カシュカシャン |
撮影 | カロリーヌ・シャンプティエ |
編集 | ジャン=リュック・ゴダール |
製作会社 |
レ・フィルム・アラン・サルド テレヴィジオン・スイス・ロマンド ヴェガ・フィルム ペリフェリア |
配給 | コムストック[1] |
公開 |
1993年9月8日 1994年9月3日[2] |
上映時間 |
95分 84分[1] |
製作国 |
フランス スイス |
言語 | フランス語 |
前作 | たたえられよ、サラエヴォ |
次作 | 芸術の幼年期 |
概要
編集本作は、ギリシア神話の神ゼウスと人妻とが浮気をするエピソードをベース[1]に、神と肉体をテーマした作品である[2]。フランスでの公開当時、「他の遊星から落ちてきた隕石のかけらのように美しい」と「フィガロ」紙が評した[1]。
原題の「Hélas pour moi」は、「Hélas」が後悔や痛みを表現する感嘆語で、「私のために、ああ」というような意味だが、「ギリシャ」の古名「ヘラス」(Hellas)との駄洒落でもある。
ストーリー
編集スイス・レマン湖畔の町に住む、平凡な夫婦、シモン(ジェラール・ドパルデュー)とラシェル(ロランス・マスリア)のドナデュー夫妻。夫が一晩家を空けた日、突然帰宅した夫シモンが別人のようであった。シモンは妻ラシェルに「私はおまえの愛人であって、シモンの身体を借りた神である」と言う。
最後に「シモン・ドナデュー」とサインをする。Simon Donnadieu、これは、Si m'on donne à Dieu、つまり「もしわが身を神に捧げるなら」を意味する。
スタッフ
編集- 監督・脚本・編集 : ジャン=リュック・ゴダール
- 撮影 : カロリーヌ・シャンプティエ
- 録音 : フランソワ・ミュジー、ピエール=アラン・ベス、ナタリー・ヴィダル
- 美術・製作主任 : アンヌ=マリー・フォー
- 音楽 : キース・ジャレット、キム・カシュカシャン
- プロデューサー : アラン・サルド、クリスティーヌ・ゴスラン、クリスティーヌ・ユタン、ブノワ・ロッセル
- 製作会社 : レ・フィルム・アラン・サルド、テレヴィジオン・スイス・ロマンド、ヴェガ・フィルム、ペリフェリア
キャスト
編集- ジェラール・ドパルデュー (シモン・ドナデュー役)
- ロランス・マスリア (ラシェル・ドナデュー役)
- ベルナール・ヴェルレー (アブラン・クリムト役)
- オード・アミオ (女子大生オード・アミエル役)
- ジャン=ルイ・ロカ (マックス・メルキュール役)
- フランソワ・ジェルモン (牧師役)
- ジャン=ピエール・ミケル (別の牧師役)
評価
編集レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは7件のレビューで支持率は71%、平均点は6.80/10となった[3]。
文献
編集- ジャン=リュック・ゴダール『ゴダールの決別』寺尾次郎訳、角川書店、1994年