コヴイ人
コヴイ人[1](コヴイじん、ロシア語: Ковуи)はキエフ・ルーシ期のテュルク系の、民族[2](あるいは部族[3])である。
コヴイ人は11 - 12世紀に黒海沿岸のステップをポロヴェツ族が占有した後にルーシ領域内に集団移住し、12 - 13世紀にはドニエプル川左岸の森林ステップ地帯(ru)[注 1]に住み、チェルニゴフ公に従属した。
『イパーチー年代記』には、1185年のノヴゴロド・セヴェルスキー公イーゴリのポロヴェツ族への遠征に、チェルニゴフ公国のヴォエヴォダ・オリスチン揮下の一軍として参加したことが言及されている[1]。なお、この遠征を題材とした『イーゴリ遠征物語』には、チェルニゴフ公ヤロスラフに属するモグトタトラン、シェルビル、トプチャク、オルベルという集団が言及されている[5]。これらもヤロスラフに従属するテュルク系部族名、あるいは族長名と考えられる[3]。
脚注
編集注釈
出典
参考文献
編集- 木村彰一 訳註 『イーゴリ遠征物語』 岩波書店、1983年
- 井桁貞義編 『コンサイス露和辞典』 三省堂、2009年