コンパクト・ディスコ
コンパクト・ディスコ(Compact Disco)は、ハンガリーのエレクトリック・ロック・バンドであり、ブダペストを拠点として2008年に結成された。ユーロビジョン・ソング・コンテスト2012のハンガリー代表に選出され、2012年5月にアゼルバイジャンのバクーで開催される同大会で「Sound of Our Hearts」を歌う。
コンパクト・ディスコ Compact Disco | |
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出身地 | ハンガリー・ブダペスト |
ジャンル | エレクトリック・ロック |
活動期間 | 2008年 - |
レーベル | CLS Music |
公式サイト | 公式サイト |
メンバー |
パール・ガーボル ロフティ・ベフナム シャーンドル・アッティラ ヴァルコー・チャバ |
来歴
編集初期
編集ロフティ、パールとヴァルコーが初めて互いに出会ったのは2005年のことであり、その時ロフティ・ベフナムは、自身が属するテクノのプロデューサー・デュオ「コリンズ・アンド・ベフナム」が、アダムスキ(Adamski)とシールの楽曲「Killer」のカヴァーをするために必要なヴォーカリストを探していた。当時ヴァルコー・チャバはアメリカン・アイドルのようなタレント・オーディション番組にエントリしており[1]、ロフティはヴァルコーに、カヴァー曲のヴォーカルを依頼し、ヴァルコーはこれを受け入れる。ヴァルコーはは当時「ブラウンフィールド」というファンク、ポップのバンドで活動しており、同バンドのメンバーにも録音に参加するよう求めた。そのメンバーの中のひとりがパール・ガーボルであり、パールはニュージャズのバンド「トイ・ディヴィジョン」の創設者でもあった。こうしてロフティ、パール、ヴァルコーの3人が互いに出会うことになる。
しかし、彼らがバンド結成に動くのは2008年のことであった。このときロフティはヴァルコーと共にエレクトリック・ポップのバンドを立ち上げることを構想し、ヴァルコーはそのためのキーボーディストとなるようパールにもちかけた。3人は2008年の8月に初めて集まり、バンドとして初めての楽曲の制作を始めた。このときの楽曲は後に「Fly or Dive」と名付けられる。
3人は2009年の3月まで楽曲の制作に取り組み、この時点までにヴォーカル部分以外はすべて録音が完了した。そして、アルバム発売を目指してヴォーカル部分の録音、ミキシング、マスタリングを行う。「コリンズ・アンド・ベフナム」でロフティの相方を務めてきたネーメティ・ガーボル“コリンズ”のスタジオ「Groovejack Studio」で2009年7月まで作業を続けた。
彼らはアルバムの制作が終わり、バンド名を「コンパクト・ディスコ」とすること、またアルバムのタイトルを『Stereoid』を決めた。ハンガリーのインディ・レーベル、CLSミュージック(CLS Music)が彼らに関心を持ち、2009年9月にレーベルとの合意が交わされ、12月にアルバムは発売にこぎ着けた。
『Stereoid』発売後
編集彼らは2010年1月からライブを始め、ハンガリー国内やルーマニアのトランシルヴァニア地方を巡った。初のビデオ・クリップ「I'm in Love」も制作され、この曲はハンガリーのダンス・ミュージックのチャートでトップ10入りした。このビデオはアルバム発売の直前にあたる2009年11月に撮影され、プロデュースはハンガリーの映像製作会社Studio Xであった。
アルバム『Stereoid』は発売後、2010年のハンガリー音楽賞(Fonogram Awards)のエレクトリック・ミュージック部門にノミネートされた[2]。
2010年5月、2作目のビデオ・クリップとして「Without You」のプロモーション・ビデオがStudio Xのプロデュースにより撮影された。「I'm in Love」はハンガリーのチャートで一定の成功を収めたものの、バンドの売り込みには十分ではなく、多くの人々がこれを外国のバンドの作品と誤認していた[3]。そのため、この2本目のビデオは「イメージ・ビデオ」としてバンドの映像のみを使用することにした[4]。
同じく5月には、中欧の週刊誌Bravoはコンパクト・ディスコを2010年のオットー賞の新人部門にノミネートし[5]、またマジャル・ラジオ(Magyar Rádió)の音楽チャンネル「MR2ペテーフィ」の番組「Akusztik」でも取り上げられた。マジャル・ラジオの第8スタジオにて、観衆が見守る中で番組の収録が行われた[6]。
2010年の夏期には、ハンガリーの有力な音楽フェスティバルに多数出場し、ハンガリーのMTV Iconにてアーコシュ(Ákos)のカヴァーをするよう求められた[7]。この頃、パールとヴァルコーがかつて属していたバンド「ブラウンフィールド」のメンバーであったシャーンドル・アッティラがステージ上でベーシストを務めており、2010年11月にシャーンドルは正式メンバーとしてコンパクト・ディスコの一員となった[4]。2010年11月、レッドブルの要求に応えて3作目のビデオ・クリップ「Fly or Dive」がStudio Xプロデュースにより制作された[4]。
この年、「I'm in Love」とそのリミックス作品はイギリスのBuzz Chart[8]、スイスのSwiss DJ Chart[9]を含む各国のチャートにランキングされた。この曲はハンガリーのダンス・ミュージックのチャートThe VIVA Club Chartで首位となった[10]。ティエスト、フェリー・コーステン、アレックス・ガウディーノ(Alex Gaudino)、オリヴァー・ラング(Oliver Lang)、Mischa Daniels、Henry John Morgan、Chris Finan、Ant Nichols、Paul Ughesといった各国のDJがこの曲を使用した[11]。
また彼らは、ハンガリーのエスノ・ポップ・バンドホルドヴィオラ(Holdviola)の「Erdő, erdő」や「Bánat utca」、アーコシュの「A fénybe nézz」のリミックスを制作した[4]。
2010年11月15日、ビデオ・クリップ・シリーズ「Segíts Antosnak」が好評を得たことも功を奏し[12]、4週間におよぶ選考の末にコンパクト・ディスコはMTV brand:newの賞を受けた[13]。2010年12月6日、デビュー・アルバムの『Stereoid』は無料ダウンロード公開された[4]。
『II』
編集2010年12月、彼らは2作目のアルバム『II』の制作を始めた[4]。収録曲はヴォーカル部分以外はコンパクト・ディスコのホーム・スタジオで制作され、ヴォーカル部分は再びコリンズの「Groovejack Studio」が使用された。ミキシングとマスタリングはアノルガニク(Anorganik)のガーボル・ドイチュ(Gábor Deutsch)が担当した[14][15][16]。本作品からの初のシングル・カット曲は「Feel The Rain」であり、マジャル・ラジオのMR2ペテフィのチャートで2位にランキングされた[17]。またこの時に新しいバンドのロゴが作成され、シャーンドルによってアルバムのカヴァーがデザインされた。
アルバム発売までに彼らはハンガリーの複数の音楽賞によってノミネートされ、一部は受賞に至った。2011年1月にはフォノグラム賞(Fonogram)の3部門(エレクトリック・ミュージック、新人、最優秀曲)でノミネートされ、3月2日にエレクトリック・ミュージック部門で受賞した[18]。4月24日にはアントロポシュ.hu(Antropos.hu)の最優秀アルバムを受賞した[15]。2011年4月にはVIVA(Viva)ハンガリーのComet賞で最優秀バンドに選出される[15]。
Age Mediaは『Stereoid』からのシングル・カット3作品を世界向けに販売する権利を獲て発売し[15]、またユニバーサルミュージックはルーマニアおよびブルガリアで「I'm in Love」を販売した。
2011年5月、レッドブルはハンガリーの著名な作曲家であるフランツ・リスト(リスト・フェレンツ)の生誕を記念するイベント「リスト・リミックス」を開催する。イベントはハンガリーのミュージシャンたちがリストの作品をリミックスするなどして3-4曲のパフォーマンスをするというもので、コンパクト・ディスコは「ハンガリー狂詩曲第2番」をアップテンポのドラムンベースにアレンジし、「愛の夢第3番」を取り入れた楽曲「Feel The Rain」を制作した。またファーストアルバム『Stereoid』収録曲「Withou You」をクラシック・オーケストラにした。この作品は録音されてMR2ペテフィ・ラジオで繰り返し放送された[19][20][21][22]。
ユーロビジョン2012
編集2012年2月、ユーロビジョン・ソング・コンテスト2012のハンガリー代表を選ぶ国内選考の決勝戦にて「Sound of Our Hearts」を歌って優勝し、同大会のハンガリー代表となることが決まった[23]。
メンバー
編集- ロフティ・ベフナム(Lotfi Behnam) - DJ
- パール・ガーボル(Pál Gábor) - キーボーディスト
- シャーンドル・アッティラ(Sándor Attila) - ベース
- ヴァルコー・チャバ(Walkó Csaba) - ヴォーカル
ディスコグラフィー
編集アルバム
編集年 | タイトル | レーベル |
---|---|---|
2009 | Stereoid | CLS Music |
2011 | II | CLS Music |
受賞歴
編集年 | 賞 | 部門 | 結果 |
---|---|---|---|
2010 | Fonogram Awards | Best Performance in Electronic Music | ノミネート |
2010 | Bravo Otto Awards | Best New Artist | ノミネート |
2010 | MTV brand:new | 6th brand:new band | ノミネート |
2011 | Fonogram Awards | Best Performance in Electronic Music | 受賞 |
2011 | Fonogram Awards | Best New Artist | ノミネート |
2011 | Fonogram Awards | Best Song (I'm in Love) | ノミネート |
2011 | Antropos.hu Awards | Album of the Year 2010 | 受賞 |
2011 | VIVA Comet | Band of the Year 2010 | ノミネート |
2011 | MTV Europe Music Awards | Best Local Artist - Hungary | 受賞 |
2011 | MTV Europe Music Awards | Wordwide Act - European Nominee | ノミネート |
脚注
編集出典
編集- ^ Wan2 Magazin, Nr. 93, March 2010, page 12-14 (in Hungarian)
- ^ Official Fonogram page in Hungarian
- ^ Comments on YouTube mostly in Hungarian
- ^ a b c d e f Interview on Lángoló Gitárok in Hungarian
- ^ Official Bravo Otto Awards page in Hungarian
- ^ Interview in MR2 Petőfi Rádió; transcription (in Hungarian)
- ^ MTV Hungary's newscast in Hungarian
- ^ Buzz Chart issue 398
- ^ SDC Week 49, 2010
- ^ VIVA Club Chart No. 547
- ^ Media 2 Radio's report on Compact Disco - "I'm in Love", second update, September 28, 2010.
- ^ PR blog Webbrand's article on the series (in Hungarian)
- ^ MTV Hungary's official press release (in Hungarian)
- ^ Album pre-order info on CLS Webshop
- ^ a b c d CLS Music press release of May 9, 2011 (in Hungarian)
- ^ MTV Hungary's press release (in Hungarian)
- ^ MR2 Petőfi Rádió Top30, 21st Week of 2011
- ^ Nominees and winners in all categories for the 2011 Fonogram Awards (in Hungarian)
- ^ Official Red Bull Press Release (in Hungarian)
- ^ Article no. 1 on Liszt Remix (in Hungarian)
- ^ Article no. 2 on Liszt Remix (in Hungarian)
- ^ Article no. 3 on Liszt Remix (in Hungarian)
- ^ Jiandani, Sanjay (10 January 2012). “Hungary: 20 hopefuls revealed”. Esctoday.com. 10 January 2012閲覧。
外部リンク
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