コンタクト・フロム・ジ・アンダーワールド・オブ・レッド・ボーイ
『コンタクト・フロム・ジ・アンダーワールド・オブ・レッド・ボーイ[4]』(原題:Contact from the Underworld of Redboy)は、カナダのロック・ミュージシャン、ロビー・ロバートソンが1998年に発表したスタジオ・アルバム。ソロ・アルバムとしては通算4作目に当たる。
『コンタクト・フロム・ジ・アンダーワールド・オブ・レッド・ボーイ』 | ||||
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ロビー・ロバートソン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック、民族音楽、エレクトロニカ | |||
時間 | ||||
レーベル | キャピトル・レコード | |||
プロデュース | ロビー・ロバートソン、ハウィー・B、マリウス・デ・ヴライス、ティム・ゴーディン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ロビー・ロバートソン アルバム 年表 | ||||
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背景
編集前作『ネイティヴ・アメリカン』(1994年)に引き続き、アメリカ先住民の音楽を取り入れた内容だが、一方でハウィー・Bやマリウス・デ・ヴライスといったエレクトロニカ系のプロデューサーが参加した[5]。ロバートソンはそのことに関して「最新の流行には興味ない。私にとっては、使えるツールを使って、本当にエモーショナルなレコードを作るってことなんだ。テクノロジーでもトレンドでもなく、『私を感動させてくれるか? 驚かせてくれるか? ゾクゾクさせてくれるか?』ってことだよ」と語っている[5]。
「サウンド・イズ・フェイディング」におけるLeah Hicks-Manningのボーカルは、アメリカ議会図書館に残された1942年の録音をサンプリングしたものである[6]。「コード・オブ・ハンサム・レイク」に参加したJoanne Shenandoahはオナイダ族(イロコイ連邦を構成する部族の一つ)の女性歌手で、ロバートソンは1997年、「彼女の美しいイロコイのチャントを聴けば、恍惚感が織り込まれるよ」とコメントしている[7]。「サクリファイス」には、1976年以来殺人容疑で服役してきた活動家レナード・ペルティエからの電話の声が使用されており[8]、ロバートソンはペルティエの有罪判決を不当とみなして「彼は生贄の子羊だったんだ」とコメントしている[9]。「ストンプ・ダンス(ユニティ)」にはWALELAのメンバー3人(リタ・クーリッジ、プリシラ・クーリッジ、ローラ・サッターフィールド)が参加しており、ロバートソンとWALELAは2002年、ソルトレークシティオリンピックの開会式でこの曲を歌っている[10]。
反響・評価
編集ノルウェーでは『ストーリーヴィル』(1991年)以来のアルバム・チャート入りを果たし、4週連続でトップ40入りして最高16位を記録[1]。スウェーデンのアルバム・チャートでは3週連続でトップ50入りして最高45位を記録した[2]。アメリカのBillboard 200では119位に達した[3]。
収録曲
編集- サウンド・イズ・フェイディング "The Sound Is Fading" (Traditional) – 5:01
- フィーチャリング:Leah Hicks-Manning
- コード・オブ・ハンサム・レイク "The Code of Handsome Lake" (Robbie Robertson) – 6:11
- メイキング・ア・ノイズ "Making a Noise" (R. Robertson) – 5:13
- アンバウンド "Unbound" (R. Robertson, Tim Gordine) – 4:36
- サクリファイス "Sacrifice" (R. Robertson, Marius de Vries, Leonard Peltier) – 6:19
- フィーチャリング:レナード・ペルティエ
- ラトルボーン "Rattlebone" (R. Robertson, M. de Vries) – 4:26
- ペヨーテ・ヒーリング "Peyote Healing" (Verdell Primeaux, Johnny Mike) – 6:10
- フィーチャリング:Primeaux and Mike
- イン・ザ・ブラッド "In the Blood" (R. Robertson, T. Gordine) – 4:35
- ストンプ・ダンス(ユニティ) "Stomp Dance (Unity)" (R. Robertson, Jim Wilson) – 4:49
- フィーチャリング:The Six Nations Women Singers
- ザ・ライツ "The Lights" (R. Robertson, Howie B) – 5:46
ボーナス・トラック
編集インターナショナル盤は14.のみ収録。日本盤CD(TOCP-50356)には4曲とも収録された。
- ホリー・ヘル "Holy Hell" – 4:55
- プレイ "Pray" – 4:03
- メイキング・ア・ノイズ(ミッドナイト・スペシャル) "Making a Noise (Midnight Special)" – 7:02
- テイク・ユア・パートナー・バイ・ザ・ハンド "Take Your Partner by the Hand (Red Alert Mix)" – 6:41
参加ミュージシャン
編集- ロビー・ロバートソン - ギター、ボーカル
- Leah Hicks-Manning - ボーカル(on #1)
- Joanne Shenandoah - ボーカル(on #2)
- James Biagody - ボーカル(on #2, #3, #6)
- リタ・クーリッジ - ボーカル(on #3, #9)
- Star Nayea - ボーカル(on #3, #9)
- ジャッキー・バード - ボーカル(on #3)
- アイヴァン・ネヴィル - ボーカル(on #3)
- クリー・サマー - ボーカル(on #3, #6)
- キャロライン・マッケンドリック - ボーカル(on #4, #8)
- ボニー・ジョー・ハント - ボーカル(on #5)
- Anthony Begay - ボーカル(on #5)
- Verdell Primeaux - ボーカル(on #7)
- Johnny Mike - ボーカル(on #7)
- プリシラ・クーリッジ - ボーカル(on #9)
- ローラ・サッターフィールド - ボーカル(on #9, #10)
- チーフ・ジェイク・トーマス - スポークン・ワード(on #2)
- レナード・ペルティエ - スポークン・ワード(on #5)
- Tudjaat - スロート・シンギング(on #6)
- ジェレミー・ショウ - キーボード、チューニング(on #1, #3, #10)
- ジュールス・ブルックス - キーボード(on #1)
- マリウス・デ・ヴライス - キーボード、プログラミング(on #2, #3, #5, #6, #7, #8)
- ティム・ゴーディン - キーボード、プログラミング(on #4, #8)
- ジョニー・ロックスター - プログラミング(on #1, #3, #8, #10)
- アンドリュー・シェップス - プログラミング(on #9)
- Vines Pvel - リ・プログラミング(on #9)
- ビル・ディロン - ギター(on #10)
- ジョエル・シアラー - ベース(on #9)
- ジェフリー・ゴードン - フレイム・ドラム(on #3)、ドラムス(on #7)、パーカッション(on #7, #9)
- ルパート・ブラウン - ドラムス(on #4)
- ベニート・コンチャ - ドラムス(on #5)
- ジム・ウィルソン - ドラムス(on #7)、パーカッション(on #7)、キーボード(on #9)、プログラミング(on #9)
- Maztl Galindo - フルート(on #5)
- デヴィッド・キャンベル - ストリングス・アレンジ(on #3)
脚注
編集- ^ a b norwegiancharts.com - Robbie Robertson - Contact From The Underworld Of Redboy
- ^ a b swedishcharts.com - Robbie Robertson - Contact From The Underworld Of Redboy
- ^ a b Robbie Robertson | Awards | AllMusic
- ^ 日本盤CD(TOCP-50356)帯に準拠
- ^ a b Return To The Roots - Chicago Tribune - article by Greg Kot - 2014年8月30日閲覧
- ^ PBS - American Roots Music : The Songs and the Artists - Robbie Robertson - 2014年8月30日閲覧
- ^ As Elders Foretold, Joanne Shenandoah Gives Voice to Iroquois Culture - Los Angeles Times - article by William Kates - 2014年8月30日閲覧
- ^ Contact from the Underworld of Red Boy - Robbie Robertson | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine
- ^ Robertson Helps Jailed Friend Peltier With Music | Rolling Stone - article by Jeff Apter - 2014年8月30日閲覧
- ^ Look Back: 2002 Olympics Opening Ceremony - powwows.com - 2014年8月30日閲覧
- ^ Wright-McLeod, Brian (2005) (英語). The Encyclopedia of Native Music: More Than a Century of Recordings from Wax Cylinder to the Internet. University of Arizona Press. p. 168. ISBN 0816524475 Google Books参照