ゲンナジー・ゴロフキン 対 ケル・ブルック戦

ゲンナジー・ゴロフキン 対 ケル・ブルック戦(ゲンナジー・ゴロフキン たい ケル・ブルックせん)は、2016年9月10日にイギリスロンドンO2アリーナで開催されたプロボクシングの試合。すべてのランカーに断られた挙句、一時決まっていたクリス・ユーバンク・ジュニアの試合が最終条件でユーバンク・ジュニア陣営がファイトマネーを欲しがったため交渉が決裂する結果になったWBAWBCIBFIBO世界ミドル級スーパー王者ゴロフキンがアンダーカードでWBO世界ウェルター級王者ジェシー・バルガスとの王座統一戦が内定していたが、ゴロフキン挑戦に名乗り出た2階級下のIBF世界ウェルター級王者ブルックとの対戦。イベント名は『ゴロフキンVSブルック』。アンダーカードは3年ぶりの対戦となるIBF世界バンタム級王者リー・ハスキンスと元IBF世界バンタム級王者スチュアート・ホール第2戦、IBF世界フライ級王者ジョンリル・カシメロポール・ウェアーに次ぐイギリスのボクサーで2番目に早い8戦目での王座獲得を狙うチャーリー・エドワーズと対戦、WBO世界スーパーウェルター級王者リアム・スミスの弟WBC世界スーパーミドル級シルバー王者カラム・スミスの世界前哨戦並びに兄ポウル・スミスのスミス兄弟揃い踏み、WBA世界バンタム級王者ジェームス・マクドネルの双子の弟ギャビン・マクドネルのスーパーバンタム級進出戦、元世界2階級制覇王者ナイジェル・ベンの息子コナー・ベンがイベントのトップバッターとして花を添えた。この試合はイギリスではBスカイBのスカイ・ボックス・オフィスがペイ・パー・ビューで、アメリカではHBOワールドチャンピオンシップボクシングの録画中継(ただしHBOラテン語放送は生中継)で放送された。

ゴロフキンVSブルック
ゲンナジー・ゴロフキン 対 ケル・ブルック戦
開催日 2016年9月10日
認定王座 WBCIBFIBO世界ミドル級タイトルマッチ
開催地 イギリスロンドン
会場 O2アリーナ
リングアナ マイケル・バッファー
放送局 スカイ・ボックス・オフィス
HBO
実況・解説 ジム・ランプリー(進行役、実況)
マックス・ケラーマン(リポーター)
ロイ・ジョーンズ・ジュニア(解説)
主催 エディー・ハーン(マッチルーム・スポーツ)
トム・ローファー(K2プロモーションズ(メインイベントのみ提供))
クリス・サニッガー(サニッガー・スポーツ(リー・ハスキンスVSスチュアート・ホール第2戦のみ提供))
ミック・ヘネシー(ヘネシー・スポーツ(リー・ハスキンスVSスチュアート・ホール第2戦のみ提供))
サンプソン・リューコイツ(サンプソン・ボクシング(ジョンリル・カシメロVSチャーリー・エドワーズ戦のみ提供))

ゲンナジー・ゴロフキン 対 ケル・ブルック
GGG(トリプルG) The Special One(特別な逸材)
比較データ
34歳 年齢 30歳
カラガンダ州カラガンダ 出身地 シェフィールド
35戦 35勝 (32KO) 無敗 戦績 36戦 36勝 (25KO) 無敗
5フィート10.5インチ (179.1センチメートル) 身長 5フィート9インチ (175.3センチメートル)
変形自在なフック、アッパー、ストレート、驚異的な連打 特徴 切れ味鋭いフック、コンビネーション
アベル・サンチェス 指導者 ドミニク・イングル
WBAWBCIBFIBO世界ミドル級スーパー王者 評価 IBF世界ウェルター級王者

結果 ゴロフキン5回1分52秒タオル投入によるTKO勝ち
主審 マルロン・ライト(WBC)
副審 グレイグ・メトカーフ(WBC)
ギエド・カバリエリ(WBC)
ベノイト・ラッセル(IBF)

成立まで

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当初はケル・ブルック対ジェシー・バルガスと同日にゴロフキンVS元WBA世界ミドル級暫定王者クリス・ユーバンク・ジュニアと対戦するとマッチルーム・スポーツのエディー・ハーンが発表したが[1]、ユーバンク陣営との対戦交渉が決裂し、ゴロフキン陣営からの対戦要請にブルック陣営が即断し対戦が決まった[2][3]。しかしWBAはミドル級で1度も試合をしたことがないブルックの安全と健康を守ることを理由にゴロフキン対ブルックをタイトルマッチとして承認せずゴロフキン陣営から特別な許可の申請も無かった為、ゴロフキンが敗れればWBA世界ミドル級スーパー王座は空位となる変則ルールで行われることになった[4][5][6]

この試合でブルックにKO勝ちをして王座を防衛すれば17試合連続KO防衛となり34年ぶりにスーパーバンタム級時代にウイルフレド・ゴメスが打ち立てた連続KO防衛記録に並ぶことになった[7]

試合

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初回はストレートの差し合いになったが、ゴロフキンがボディアッパーからのコンビネーションでブルックを腰砕けにした。仕留められたかに見えたがブルックが反撃して持ちこたえた。

2回はブルックがアッパーをゴロフキンに当てて跳ね上げた。ブルックがゴロフキンのガードの隙間を見つけて打ち込んでいった。

3回はブルックがスリップダウン。そこからゴロフキンがプレッシャーを強めた。ブルックに左目を押さえ始めアクシデントが発生するも懸命に反撃する。

4回はゴロフキンが引き続きプレッシャーを強めるがブルックがゴロフキンを後退させる場面を作った。

5回はゴロフキンがコンビネーションを放つもブルックのボディワークであまり当たらなかったが、後退が目立つ。ゴロフキンが再度コンビネーションで仕留めにかかり、ブルックが反撃出来ないためトレーナーのイングルがタオルを振ってストップを要請するもレフェリーが気づかず試合が続いてしまう。イングルがタオルを投入した瞬間ようやくレフェリーストップ。会場はブーイングに包まれたが、ゴロフキンが17試合連続KO防衛となり34年ぶりにスーパーバンタム級時代にウイルフレド・ゴメスが打ち立てた連続KO防衛記録に並んだ。なお試合終了時のスコアは0-1(2者が38-38、37-39)と規定では引き分けだが1者がブルックが初回以外すべてのラウンドを取っていた為ブルックが僅かにリードしていた。

対戦カード

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階級 契約 vs. 結果 ラウンド 時間 Notes
ミドル級 160 lbs.   ゲンナジー・ゴロフキン (c)   ケル・ブルック TKO 5R 1:57 Note 1
バンタム級 118 lbs.   リー・ハスキンス (c)   スチュアート・ホール 判定3-0 3-0 - Note 2
スーパーフェザー級 130 lbs.   マーティン・ジョセフ・ワード   アンディー・タウネンド TKO 8R 0:54 Note 3
スーパーミドル級 168 lbs.   カラム・スミス (c)   ノルベルト・ネメサパティー TKO 7R 終了 Note 4
フライ級 112 lbs.   ジョンリル・カシメロ (c)   チャーリー・エドワーズ TKO 10R 1:57 Note 5
スーパーバンタム級 122 lbs.   キッド・ガラハド   エミリアーノ・サルヴィニ TKO 4R 0:38
スーパーバンタム級 122 lbs.   ギャビン・マクドネル   ロビン・ザモーラ 判定3-0 8R -
スーパーミドル級 168 lbs.   ポウル・スミス   ダニエル・レギ TKO 5R 2:16
ミドル級 160 lbs.   クレイグ・リチャーズ   ダルトン・ミラー 判定3-0 4R -
スーパーライト級 140 lbs.   コナー・ベン   シルヴィジェ・ケベト KO 2R 0:24

^Note 1 WBCIBFIBO世界ミドル級タイトルマッチ
^Note 2 IBF世界バンタム級タイトルマッチ
^Note 3 BBBofC英国スーパーフェザー級王座決定戦
^Note 4 WBC世界スーパーミドル級シルバータイトルマッチ
^Note 5 IBF世界フライ級タイトルマッチ

脚注

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  1. ^ Golovkin-Eubank Jr, Brook-Vargas Updates Fightnews.com 2016年7月5日
  2. ^ Gennady Golovkin vs. Kell Brook is on, that’s right GGG vs. Kell Brook! Fightnews.com 2016年7月8日
  3. ^ ゴロフキンはブルックと対戦! 9.10ロンドン Boxing News(ボクシングニュース) 2016年7月9日
  4. ^ Golovkin vs. Brook is NOT a WBA title fight”. Fight News.com (2016年7月15日). 2016年7月15日閲覧。
  5. ^ Golovkin vs. Brook Is Not a WBA Title Fight WBA公式サイト 2016年7月15日
  6. ^ ゴロフキンvsブルック、WBAは現状不承認 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年7月16日
  7. ^ GOLOVKIN AND BROOK CHIN TO CHIN! WBC公式サイト 2016年7月15日

外部リンク

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