ケント郡 (ミシガン州)
ケント郡(英: Kent County)は、アメリカ合衆国ミシガン州ロウアー半島の西部に位置する郡である。人口は65万7974人(2020年)[1]。郡庁所在地はグランドラピッズであり、同郡で人口最大の都市である。郡名はオハイオ州と論争になったトレド戦争のときにミシガン準州の代表を務めたニューヨークの法学者ジェイムズ・ケントにちなんで名付けられた。
ミシガン州ケント郡 | |
---|---|
設立 | 1831年 |
郡庁所在地 | グランドラピッズ |
最大の都市 | グランドラピッズ |
面積 - 総面積 - 陸 - 水 |
2,259 km2 (872.18 mi2) 2,217 km2 (856.17 mi2) 41 km2 (16.01 mi2), 1.84% |
人口 - (2020年) - 密度 |
657,974人 |
標準時 | 東部: UTC-5/-4 |
ウェブサイト | www |
ケント郡はグランドラピッズ・ワイオミング大都市圏に属している。郡内にはスチールケース社があるなど、西ミシガンの経済と工業の中心である。また中西部の文化的な象徴でもあるフレデリック・メイエル庭園もある。伝統的に共和党の強い地盤であり、保守的な土壌にあるが、2008年アメリカ合衆国大統領選挙では民主党大統領候補を支持した。これは1964年以来44年ぶりのこととなった。宗教面でも保守的であり、かなりの数の福音主義キリスト教徒がいる。郡内にジェラルド・R・フォード国際空港がある。
歴史
編集ミシガン州最大の川であるグランド川が郡内を流れている。その西岸にはかつてこの地域に住んでいたホープウェル文化インディアンの遺跡である墳墓がある[2]。19世紀初期にグランド川の流域は毛皮交易の重要な中心地だった。米英戦争後、リックス・ロビンソンとルイ・カンポーが地域最初期の交易業者となった[3]。
ケント郡は1831年にカラマズー郡から分離して設立された[4]。1838年、グランドラピッズが郡内最初の村として法人化された。19世紀末までに幾つかの製材所建設で刺激され、この地域は農業、製材業、家具製造業の重要な中心地になっていた。
地理
編集アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は872.18平方マイル (2,258.9 km2)であり、このうち陸地856.17平方マイル (2,217.5 km2)、水域は16.01平方マイル (41.5 km2)で水域率は1.84%である[5]。
郡内最高地点はソロン郡区にあるフィスクノブ公園であり[6]、標高は1,048フィート (319 m) である[7]。
河川
編集グランド川が東郡境から西に流れ、オタワ郡を抜けた後、グランドヘイブンでミシガン湖に注いでいる。郡内には下記3つの支流がある。
- フラット川、東から郡内に入り、ローウェルで北からグランド川に合流する
- ソーンアップル川、南から郡内に入り、エイダでグランド川に合流する
- ログ川、北から郡内に入り、ベルモントでグランド川に合流する
トレイル
編集郡内には下記のようなハイキングと自転車用のトレイルがある。
- ノース・カントリー・トレイル、郡の南北全長にわたって伸びている。シーダースプリングス、グラッテン、ローウェルを通る。ローウェルが中間点であり、ここにノース・カントリー・トレイル協会の全国本部がある
- ソーンアップル・トレイル、ケントウッドから始まり、南西にダットンとカレドニアを通っている
- ホワイトパイン・トレイル、コムストック公園から始まり、北東にベルモント、ロックフォード、シーダースプリングス、サンドレイクを通る
- ケント・トレイルズ、グランドラピッズ市ジョン・ボール公園からバイロンの84番通りまで南北に通っており、76番通りにそって東西方向と、76番通りから84番通りのダグラス・ウォーカー公園まで南北方向の枝線がある
- フレデリック・メイエル・トレイル、2008年11月時点では未完成、州道6号線にそって東西方向に伸びており、完成すればケント・トレイルズやソーンアップル・トレイルと接続する
- キャノン郡区トレイル、郡東部のキャノン郡区を通っている。州道44号線に沿って進んだ後に南のサンフィッシュ湖道路に進み、東に転じてキャノンズバーグ墓地を通り、キャノンズバーグ近くのタウンゼンド公園で終わっている
交通
編集空港
編集グランドラピッズへの航空旅客定期便はジェラルド・R・フォード国際空港(GRR)がある。元はケント郡国際空港と名付けられていた。1926年7月31日にグランドラピッズ市とデトロイト市の間で国内最初の定期便が運航された。
バス
編集公共交通は「ザ・ラピッド」という名前の都市間交通共同企業体が運行している。「ダウンタウン・エリア・シャトル」もバス便を運行している。これらのバス便はグランドラピッズ市にある駐車場から市周辺の多くの乗降地に向けた輸送を行っている。
鉄道
編集アムトラックがグランドラピッズ市乗客駅からペレ・マルケット線でシカゴまで旅客便を運行している。貨物便はカナディアン・ナショナル鉄道、CSXトランスポーテーションが運行しており、地域の短線であるグランドラピッズ・イースタン鉄道もある。
主要高規格道路
編集- 州間高速道路96号線
- 州間高速道路196号線
- 州間高速道路296号線、標識は無く、グランドラピッズ市では一部国道131号線に合流している
- アメリカ国道131号線
- ミシガン州道6号線
- ミシガン州道11号線
- ミシガン州道21号線
- ミシガン州道37号線
- ミシガン州道44号線
- ミシガン州道46号線
- ミシガン州道50号線
- ミシガン州道57号線
郡指定道路
編集- 郡道45号線
- 郡道72号線
隣接する郡
編集主要企業
編集ケント郡に本社を置く企業は以下の通りである。
- アムウェイ、エイダ
- アメリカン・シーティング、グランドラピッズ
- ビッセル・ホームケア、ウォーカー
- ゴードン・フード・サービス、ワイオミング
- マイアー、ウォーカー
- オールドオーチャード、スパータ
- スパータンストアーズ、バイロン郡区
- スチールケース, グランドラピッズ
- ユニバーサル・フォレスト・プロダクツ、ノースビュー
- ウルバリン・ワールドワイド、ロックフォード
- X-ライト、ケントウッド
- プラクシス・パッケージング・ソリューションズ、バイロン郡区
- ゾンダーヴァン、カスケード郡区
人口動態
編集人口推移 | |||
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年 | 人口 | %± | |
1840 | 2,587 | — | |
1850 | 12,016 | 364.5% | |
1860 | 30,716 | 155.6% | |
1870 | 50,403 | 64.1% | |
1880 | 73,253 | 45.3% | |
1890 | 109,922 | 50.1% | |
1900 | 129,714 | 18.0% | |
1910 | 159,145 | 22.7% | |
1920 | 183,041 | 15.0% | |
1930 | 240,511 | 31.4% | |
1940 | 246,338 | 2.4% | |
1950 | 288,292 | 17.0% | |
1960 | 363,187 | 26.0% | |
1970 | 411,044 | 13.2% | |
1980 | 444,506 | 8.1% | |
1990 | 500,631 | 12.6% | |
2000 | 574,335 | 14.7% | |
2010 | 602,622 | 4.9% | |
2020 | 657,974 | 9.2% | |
U.S. Decennial Census |
以下は2000年の国勢調査による人口統計データである。
基礎データ
人種別人口構成
先祖による構成
言語による構成 |
年齢別人口構成
世帯と家族(対世帯数)
収入編集収入と家計 |
郡政府
編集郡政府は郡監獄の運営、地方道の維持、地方裁判所の運営、権利譲渡と抵当権設定記録など重要記録の維持、公衆衛生規制の管理、福祉など社会サービスの項目で州の施策への参加を行う。郡政委員会は予算を管理するが、法や条例を作るのは限定付き権限である。ミシガン州では、警察と消防、建設と区画割、税評価、街路維持など地方政府の大半機能は個々の都市と郡区の責任である。
政治
編集ケント郡は昔から共和党の強い地盤であり、地元でも全国的な者でも共和党候補者を支持するのが通常である。
2008年アメリカ合衆国大統領選挙では、民主党のバラク・オバマが149,909票、49.34%を獲得し、対する共和党候補のジョン・マケインは148,336票、48.83%と接戦でケント郡を制した[8]。オバマは10%以上の得票率差でミシガン州を制した。
2004年では、共和党大統領のジョージ・W・ブッシュが171,201票、58.85%を獲得し、民主党のジョン・ケリーは116,909票、40.19%だった[9]。
2000年、ブッシュは148,602票、59.37%、民主党のアル・ゴアは 95,442 票、38.13%だった[10]。
郡区
編集ケント郡は下記21の郡区に分割されている。
- エイダ
- アルゴマ
- アルパイン
- ボーン
- バイロン
- カレドニア*
- キャノン
- カスケード*
- コートランド
- ゲインズ*
- グランドラピッズ*
- グラタン
- ローウェル*
- ネルソン
- オークフィールド
- プレーンフィールド*
- ソロン
- スパータ
- スペンサー
- タイロン
- バージェンス
* チャーター郡区
都市と町
編集
都市
|
村
|
未編入の町
|
脚注
編集- ^ “Quickfacts.census.gov”. 25 September 2023閲覧。
- ^ Beld, Gordon G. (2012). Grand Times in Grand Rapids: Pieces of Furniture City History, pp. 17-19. The History Press.
- ^ Fuller, George Newman (1916). Economic and Social Beginnings of Michigan, p. 423. Wynkoop Hallenbeck Crawford Co.
- ^ Purkey, Thomas H. (1986). Soil Survey of Kent County, Michigan, p. 2. United States Department of Agriculture, Soil Conservation Service.
- ^ “Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2011年11月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ Fisk Knob[リンク切れ], Grand Valley State University - Kent County Parks
- ^ Highest Point in Kent County, Google Earth/Maps]
- ^ http://www.uselectionatlas.org/RESULTS/statesub.php?year=2008&fips=26081&off=0&elect=0&f=0
- ^ http://www.uselectionatlas.org/RESULTS/statesub.php?year=2004&fips=26081&off=0&elect=0&f=0
- ^ http://www.uselectionatlas.org/RESULTS/statesub.php?year=2000&off=0&elect=0&fips=26081&f=0