ケプラー20e
ケプラー20e(英語: Kepler-20e)は、地球から見てこと座の方向に約900光年離れたところにある太陽よりやや小さなG型主系列星ケプラー20Aの周囲を公転している太陽系外惑星である。連星系であるケプラー20系の主星であるケプラー20Aを公転していることから、ケプラー20Aeとも呼称される[3]。
ケプラー20e Kepler-20e | ||
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ケプラー20eの想像図
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星座 | こと座[1] | |
分類 | 太陽系外惑星 地球型惑星 | |
発見 | ||
発見日 | 2011年12月20日(公表日)[2] | |
発見者 | Francois Fressin ら[2] | |
発見場所 | ケプラー宇宙望遠鏡[2] | |
発見方法 | トランジット法[2] | |
現況 | 確認[3] | |
位置 元期:J2000.0[4] | ||
赤経 (RA, α) | 19h 10m 47.5233433920s[4] | |
赤緯 (Dec, δ) | +42° 20′ 19.301370684″[4] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -3.869 ミリ秒/年[4] 赤緯: -27.105 ミリ秒/年[4] | |
年周視差 (π) | 3.4936 ± 0.0095ミリ秒[4] (誤差0.3%) | |
距離 | 934 ± 3 光年[注 1] (286.2 ± 0.8 パーセク[注 1]) | |
天文学上の意義 | ||
地球よりも半径が小さい太陽系外惑星 | ||
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 0.0637 ± 0.0012 au[5] (9,529,384 ± 179,517 km) | |
離心率 (e) | < 0.092[5] | |
公転周期 (P) | 6.0984882 ± 0.000099 日[5] | |
軌道傾斜角 (i) | 87.63+1.1 −0.13°[5] | |
通過時刻 | BJD 2454968.93956 ± 0.00034[5] | |
準振幅 (K) | < 0.28 m/s[5] | |
ケプラー20Aの惑星 | ||
物理的性質 | ||
直径 | 10,472 km[注 2] | |
半径 | 0.821 ± 0.022 R⊕[5] | |
表面積 | 3.438×108 km2[注 2] | |
体積 | 5.994×1011 km2[注 2] | |
質量 | < 0.76 M⊕[5] | |
平均密度 | < 7.5 g/cm3[5] | |
表面重力 (log g) | < 3.0[5] | |
放射束 | 169.8 ± 9.8 S⊕[5] | |
平衡温度 (Teq) | 1,004 ± 14 K[5] (731 ± 14 ℃) | |
他のカタログでの名称 | ||
ケプラー20Ae[3] KOI-70 e[6] KOI-70.04[6] KIC 6850504 e[6] 2MASS J19104752+4220194e[6] |
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発見
編集2011年にケプラー宇宙望遠鏡によるトランジット法での観測結果から発見され、同じくケプラー20Aを公転している他の4個の惑星と共に公表された[2][3]。プレプリント掲載サイト arXiv にて2011年12月19日にケプラー20Aを公転している3個の惑星の確認が報告されたが、この時はケプラー20eとケプラー20fは惑星候補と見做されていた[7]。その翌日である12月20日に別の研究チームがケプラー20eとケプラー20fも惑星であることが確定した旨の研究結果が arXiv に投稿された[2]。
特徴
編集地球 | ケプラー20e |
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ケプラー20eの大きさはケプラー20A系を公転することが知られている惑星の中で最も小さく、地球の約8割しかない[5]。発見時点で大きさが知られていた太陽系外惑星の中では史上初めて発見された地球よりも小型の太陽系外惑星として知られており、ほぼ地球と同等の大きさを持つケプラー20fの発見と併せて、太陽系外惑星において地球と同規模の大きさを持つことが確認された最初の事例となった[1][8]。質量については正確に分かっておらず、2011年の発見には分光学に基づく観測結果から地球の3.08倍未満、理論モデルに基づく推定では地球の0.39倍から1.67倍の範囲とされていた[2]。
2023年に発表された、HARPS-N分光器による主星の視線速度観測を用いて行われた観測ではケプラー20eの質量は最大でも地球の0.76倍と求められ、ケプラー20A系の惑星の中で唯一質量が地球より小さいことが判明した[5]。軌道長半径は主星からは約 0.06 au(約 950万 km)しか離れておらず、公転周期は約6日となっている[5]。表面に液体の水が存在できるハビタブルゾーンよりも遥かに内側に位置しており、大気の影響などを考慮しない場合の表面の温度である平衡温度は 1,004 K(731 ℃)に達していることから[5]、少なくとも地球上で考えられるような生命が存在できるような環境ではないとされる[1][8]。完全に岩石から構成されていると考えられ、主星から非常に近いため大気は持たないと考えられている[9]。主星からの強い相互作用の影響で自転と公転の同期(潮汐固定)が発生し、これに伴って永久に主星を向けている昼側の半球と主星を向くことがない夜側の半球で大きな温度差が生じている可能性があり、また、地質学的に活発であるとも考えられている[9]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c “地球より小さい系外惑星を初めて発見 1000光年かなたのケプラー20”. AstroArts (2011年12月21日). 2016年3月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g Fressin, Francois; Torres, Guillermo; Rowe, Jason F.; Charbonneau, David (2011). “Two Earth-sized planets orbiting Kepler-20”. Nature 482 (7384): 195–198. arXiv:1112.4550. Bibcode: 2012Natur.482..195F. doi:10.1038/nature10780. ISSN 0028-0836.
- ^ a b c d Jean Schneider (2024年8月3日). “Planet Kepler-20 Ae”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. Paris Observatory. 2024年8月11日閲覧。
- ^ a b c d e f “Result for Kepler-20e”. SIMBAD Astronomical Database. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2024年8月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p Bonomo, A. S.; Dumusque, X.; Massa, A. et al. (2023). “Cold Jupiters and improved masses in 38 Kepler and K2 small planet systems from 3661 HARPS-N radial velocities. No excess of cold Jupiters in small planet systems”. Astronomy and Astrophysics 677: 18. arXiv:2304.05773. Bibcode: 2023A&A...677A..33B. doi:10.1051/0004-6361/202346211. A33.
- ^ a b c d “Kepler-20 Overview”. NASA Exoplanet Archive. NASA Exoplanet Science Institute. 2024年8月11日閲覧。
- ^ Gautier, Thomas N.; Charbonneau, David; Rowe, Jason F. et al. (2012). “Kepler-20: A Sun-like Star with Three Sub-Neptune Exoplanets and Two Earth-size Candidates”. The Astrophysical Journal 749 (1): 15. arXiv:1112.4514. Bibcode: 2012ApJ...749...15G. doi:10.1088/0004-637X/749/1/15. ISSN 0004-637X.
- ^ a b “NASA Discovers First Earth-Size Planets Beyond Our Solar System”. Jet Propulsion Laboratory. NASA (2011年12月20日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ a b “Artist’s Concept of Kepler-20e”. NASA (2011年12月20日). 2024年8月11日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- NASA Exoplanet Exploration
- Exokyoto 系外惑星データベース - 英語 - 日本語
- Open Exoplanet Catalogue
- TEPCat