ケプラー16
はくちょう座にある連星系
ケプラー16(英語: Kepler-16)は、はくちょう座の方向に地球から約200光年離れたところにある連星である。
ケプラー16 Kepler-16 | ||
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ケプラー16系の想像図
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星座 | はくちょう座 | |
見かけの等級 (mv) | 12.0[1] | |
変光星型 | アルゴル型食変光星[2] | |
分類 | 二重連星系[2] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 19h 16m 18.1759181246s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | +51° 45′ 26.777781114″[2] | |
赤方偏移 | -0.000108[2] | |
視線速度 (Rv) | -32.36 km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 14.041 ミリ秒/年[2] 赤緯: -48.601 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 13.2893 ± 0.0271ミリ秒[2] (誤差0.2%) | |
距離 | 245.4 ± 0.5 光年[注 1] (75.2 ± 0.2 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | 12.6[注 2] | |
物理的性質 | ||
スペクトル分類 | K7V[2] | |
色指数 (B-R) | 0.20 ± 0.06[2] | |
他のカタログでの名称 | ||
Kepler-16 (AB)[2] Gaia DR2 2133476355197071616[2] GSC 03554-01147[2] KOI-1611[2] KIC 1264476[2] 2MASS J19161817+5145267[2] |
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ケプラー16A Kepler-16A | |
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分類 | K型主系列星 |
物理的性質 | |
半径 | 0.6489 ± 0.0013 R☉[3] |
質量 | 0.6897+0.0035 −0.0034 M☉[3] |
平均密度 | 3.563+0.017 −0.016 g/cm3[3] |
表面重力 | 4.6527+0.0017 −0.0016 (log g)[3] |
スペクトル分類 | K |
光度 | 0.148 L☉[4] |
表面温度 | 4,450 ± 150 K[3] |
金属量 | -0.3 ± 0.2 [m/H][3] |
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ケプラー16B Kepler-16B | |
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分類 | 赤色矮星(M型主系列星) |
軌道要素と性質 元期:J2000.0 | |
軌道長半径 (a) | 0.22431+0.00035 −0.00034 au[3] |
離心率 (e) | 0.15944+0.00061 −0.00062[3] |
公転周期 (P) | 41.079220+0.000078 −0.000077 日[3] |
軌道傾斜角 (i) | 90.3401+0.016 −0.019°[3] |
近点引数 (ω) | 263.464+0.026 −0.027°[3] |
昇交点黄経 (Ω) | ~0°[3] |
通過時刻 | BJD 2455212.12316[3] |
物理的性質 | |
半径 | 0.22623+0.00059 −0.00053 R☉[3] |
質量 | 0.20255+0.00066 −0.00065 M☉[3] |
平均密度 | 24.69+0.13 −0.15 g/cm3[3] |
表面重力 | 5.0358+0.0014 −0.0017 (log g)[3] |
スペクトル分類 | M |
光度 | 0.0057 L☉[4] |
表面温度 | ~3,311 K[4] |
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概要
編集太陽 | ケプラー16A |
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太陽 | ケプラー16B |
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ケプラー16は、K型主系列星のケプラー16Aと、赤色矮星(M型主系列星)のケプラー16Bで構成される。Aの質量は太陽の約65%、Bは太陽の約20%である。AとBの質量比率は3.4であり、互いの重心を約41.1日かけて公転している。2個の恒星は地球から見て食を起こし、見かけの光度が変化するアルゴル型食変光星である。しかし、この恒星だけでは説明のつかない複雑な光度変化があり、これが第3の天体の食による光度変化、つまり惑星の影響によるものであることが分かった[3]。
惑星
編集ケプラー16には、太陽系外惑星が1個発見されている[1][3]。ケプラー16b(またはケプラー16(AB)b)は、その名の由来となったケプラー望遠鏡によって2011年9月15日に発見された土星サイズの惑星である。恒星同士の連星の重心を中心として公転している周連星惑星としては世界初の発見である[5]。また周連星惑星が恒星の手前を横切る様子が観測されたのも初である。ケプラー16bは、ケプラー16の重心から0.71AU離れたところを約229日かけて公転している。連星の軌道長半径と惑星の軌道長半径の比率は約3.41であり、見つかっている周連星惑星の中では最も小さい。
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
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b | 0.333±0.016 MJ | 0.7048±0.0011 | 228.776+0.020 −0.037 |
0.0069+0.0010 −0.0015 |
90.0322+0.0022 −0.0023° |
0.7538+0.0026 −0.0023 RJ |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b Jean Schneider. “Planet Kepler-16 (AB) b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. Paris Observatory. 2019年2月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “Results for Kepler-16”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2019年2月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Doyle, Laurance R.; Carter, Joshua A.; Fabrycky, Daniel C. et al. (2011). “Kepler-16: A Transiting Circumbinary Planet”. Science 333 (6049): 1602–1606. arXiv:1109.3432. Bibcode: 2011Sci...333.1602D. doi:10.1126/science.1210923. PMID 21921192.
- ^ a b c Haghighipour, Nader; Kaltenegger, Lisa (2013). “Calculating the Habitable Zone of Binary Star Systems. II. P-type Binaries”. The Astrophysical Journal 777 (2): 13. arXiv:1306.2890. Bibcode: 2013ApJ...777..166H. doi:10.1088/0004-637X/777/2/166 .
- ^ “NASA's Kepler Mission Discovers a World Orbiting Two Stars”. NASA (2011年9月15日). 2019年2月9日閲覧。
関連項目
編集- PSR B1620-26 - 初の周連星惑星を持つ中性子星と白色矮星の連星。
- BD +20°307 - 間接的にであるが、かつて周連星惑星があった証拠がある恒星同士の連星。
- タトゥイーン - NASAはこの惑星系を、映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場するこの架空の惑星に例えた。
- ケプラー47
- 周連星惑星
- 極端な太陽系外惑星の一覧
外部リンク
編集- “2つの「太陽」を持つ惑星を初めて発見”. AstroArts (2011年9月16日). 2019年2月9日閲覧。
- Kepler-16 - NASA Exoplanet Archive
- Kepler-16 b - Exoplanets Data Explorer
- Kepler-16 - Open Exoplanet Catalogue
- Kepler-16 (AB) - ExoKyoto