ケチャ(Kethiakh)はセネガル伝統食品である。ニシン科(日本のサッパと同属のSardinella 属)を加工した薫製とも干物とも言える水産加工品で、セネガル料理の味付けに魚醤のように使われる[1]

作り方

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セネガルの沿岸では、年間を通じてヤーボイと呼ばれるニシン科の魚が大量の水揚げされる(2002年度約4万トン)。漁から帰ってきた男性を浜辺で女性が待ち構え、材料用のヤーボイを買い取る[1]

踏み固めた地面に、ヤーボイを直径2、3メートルの渦巻き状に並べる。この魚の固まりを3センチほどの厚さにオガクズで覆い、さらにバオバブの枯れ枝を乗せて火をつける[2]

一晩かけてじっくり火を通し、薫製状になったヤーボイから頭と皮を取り除いた後、塩をふりかけながらたらいに漬け込む。翌朝、塩漬けのヤーボイを取り出し、2日ほど天日干しにして、ケチャが完成する。1キロあたり200フラン(約40円)ほどで売れる[3]

利用

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ケチャをマメ(ニエベ)などと一緒に炊き込みご飯風にしたチェプケチャ(Thiebou kethiakh)は、セネガル料理の定番の一つであり、ケチャ独特の強い臭いが料理のアクセントとなっている。

脚注

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  1. ^ a b 小川了 2004, p. 147.
  2. ^ 小川了 2004, p. 148.
  3. ^ 小川了 2004, p. 150.

参考文献

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  • 水産物加工技術普及計画(独)国際協力機構
  • 小川了『アフリカ』農山漁村文化協会〈世界の食文化11〉、2004年10月。ISBN 4-540-04087-1 
  • セネガルフード&ヘルシーダイニングTERANGA