グリーンティー・リキュール
グリーンティー・リキュールとは、日本原産のリキュールの1種である。原料の1つに緑茶が使用されているのが特徴。代表的なものとして、1960年に発売されたヘルメス・グリーンティー・リキュールが挙げられる。緑茶の香りと渋みを生かした甘めのリキュールで、アペリティフとしても飲用されている。アルコール度数は25 %前後、エキス分は47 %前後。
概要
編集グリーンティー・リキュールの中でも代表格として特筆される、ヘルメス・グリーンティー・リキュールは、宇治産の玉露を原料とする。さらに、香りを損なうことのないよう石臼で丁寧に引かれた抹茶とともに中性スピリッツに浸漬する。その後、濾過を行ってからブランデー、シロップを加えることにより、製造されている。
こうして製造されたグリーンティー・リキュールは、緑茶の色がそのまま抽出された、透き通った緑色をしている。また、ブランデーとシロップの甘みが緑茶の香りと非常にマッチしており、生クリームや牛乳などと、また、同じお茶であるウーロン茶と相性が良いとされている。このためグリーンティー・リキュールは、カクテルの材料としても使用されている。
さまざまなグリーンティ・リキュール
編集「ヘルメス・グリーンティー・リキュール(アルコール度数=25 %)」を始祖、代表格とする文献があるが、2007年現在では他にも「ジャポネ・抹茶、アルコール度数=20%」や「SaSa(茶々)、アルコール度数=24 %」や「Dover Green Tea Liqueur(ドーバー・グリーンティー・リキュール)、アルコール度数=20 %、エキス分=25%」といった銘柄のグリーンティー・リキュールも登場している。
グリーンティー・リキュールを使ったカクテル
編集- レイク・クイーン
- 1984年に行われた、サントリー主催のカクテル・コンベンションでグランプリを獲得したカクテル。作者は渡辺一也。グリーンティー・リキュールに相性が良いとされる生クリーム、さらにウォッカとパイナップル・ジュースを加えた、甘く、濃厚なカクテルに仕上がっている。なお、ショートドリンク(ショートカクテル)の1種である。
- グリーンティー・リキュール20ml、ウォッカ20ml、パイナップル・ジュース10ml、生クリーム10mlを十分にシェークし、カクテル・グラス(容量75〜90ml程度)に注いで供する。
- 照葉樹林
- グリーンティー・リキュールをウーロン茶で割っただけの、非常にシンプルなカクテル。照葉樹林文化圏[注釈 1]の産物である緑茶とウーロン茶を使用して作られるカクテルなので、照葉樹林と命名された[1]。
- グリーンティー・リキュールのアルコール度数が抑えられ、またグリーンティー・リキュールはウーロン茶との相性も良いとされることから、アペリティフとして手軽に飲用されている。こちらは冷たいタイプのロングドリンク(ロングカクテル)の1種である。
- 作り方は、グリーンティー・リキュール45mlを氷の入ったタンブラー(容量240ml程度)に注ぎ、ウーロン茶で満たし、ビルドすれば完成となる。
- なお、カクテル名の由来からも判るように、元々のレシピはグリーンティー・リキュールとウーロン茶だけで作られるものであったが、後にラムを加えるレシピが考案された。こちらは、グリーンティー・リキュール30ml、ホワイト・ラム30mlに、適量のウーロン茶を加えて作られる。
- グリーン・フィールズ
- こちらを参照。
注釈
編集出典
編集- ^ 「カクテルハンドブック」 p.94
参考文献
編集- 「決定版 リキュール&カクテル大辞典」渡辺一也監修、ナツメ社、2004年発行。ISBN 4-8163-3734-2
- 「リキュールで楽しむカクテル321 第2刷」小島武彦監修、日本文芸社、2004年発行。 ISBN 4-537-20233-5
- 「カクテルハンドブック」(ニューセレクション132) 花崎一夫 監修、永岡書店 1997年11月10日発行 ISBN 4-522-31073-0
- 「リキュールとカクテルの事典」 成美堂出版 編集、成美堂出版 2001年8月20日発行。 ISBN 4-415-00835-6
- 「自分でつくる おいしいカクテル」 花崎一夫 監修、永岡書店、2000年9月10日発行。 ISBN 4-522-41081-6
関連項目
編集外部リンク
編集- ヘルメス公式 ヘルメス・グリーンティー・リキュールを製造・販売しているサントリーのホームページ。
- ドーバー和酒シリーズ / ドーバー酒造 ドーバー洋酒貿易内記事(名酒紀行)「発売から25年 日本初のリキュール、ドーバー和酒」
- ドーバー和酒シリーズ / ドーバー酒造 ドーバー洋酒貿易内記事(名酒紀行)「和の香りが凝縮された、和素材のリキュール」