グリーゼ832c
グリーゼ832c (Gliese 832 c) とは、地球から見てつる座の方向に約16.1光年離れた位置にあるグリーゼ832を公転する太陽系外惑星である。グリーゼ832星系の中で、恒星から最も近いところを公転している。
グリーゼ832c Gliese 832 c | ||
---|---|---|
グリーゼ832cの想像図
| ||
星座 | つる座 | |
分類 | 太陽系外惑星 (スーパーアース) | |
軌道の種類 | 周回軌道 | |
発見 | ||
発見年 | 2014年 | |
発見方法 | ドップラー分光法 | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 0.163 ± 0.06 au[1] | |
離心率 (e) | 0.18 ± 0.13[1] | |
公転周期 (P) | 35.68 ± 0.03 日[1] | |
近点引数 (ω) | 80+280 −80°[1] | |
昇交点黄経 (Ω) | 246+114 −246°[1] | |
準振幅 (K) | 1.62+0.94 −0.92 m/s[1] | |
グリーゼ832の惑星 | ||
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 21h 33m 33.97533s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | −49° 00′ 32.4192″[2] | |
赤方偏移 | 0.000014 ± 0.000006[2] | |
視線速度 (Rv) | 4.30 ± 1.80 Km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -46.05 ミリ秒/年[2] 赤緯: -817.63 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 201.87 ± 1.01mas[2] | |
距離 | 16.14 ± 0.098 光年 (4.95 ± 0.03 パーセク[1]) | |
物理的性質 | ||
半径 | 1.7 ± 0.5 RE[3] | |
質量 | >5.40 ± 0.95 ME[1] | |
表面温度 | 253 K[3] | |
他のカタログでの名称 | ||
HD 204961c、HIP 106440c、LHS 3865c、CD-49°13515c、CC1290c、LCC0420c. | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
発見
編集オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究チームにより発見された。惑星の重力で振り回される主星の、わずかな動きのぶれから検出された。
物理的性質
編集グリーゼ832cは地球の5.4倍の質量を持つ星で、公転周期は35.68日。これまでにこの恒星系には木星サイズの惑星グリーゼ832bが2009年に見つかっていたが、グリーゼ832cはグリーゼ832bより内側に発見された[4]。
主星からの距離が太陽~地球の0.16倍前後(太陽~水星の約40%)と、主星に近いところにある。液体の水が存在できる0.132AU〜0.343AUの範囲(ハビタブルゾーン)からは外れているように思えるが、主星は太陽よりもずっと暗いので、グリーゼ832cはハビタブルゾーン内に収まっている。ただし地球の5倍以上の重さがあり、その重力で集められた濃い大気が熱をかかえこんで灼熱の世界となっている可能性もあるという。もしそうなら、この惑星はいわば「スーパービーナス(金星の大型版)」といえる[5]。
地球との比較
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h Robert A. Wittenmyer; et al. (2014). "GJ 832c: A super-earth in the habitable zone". arXiv:1406.5587 [astro-ph.EP]。
- ^ a b c d e f g “HD 204961 -- High proper-motion star”. SIMBAD. 2016年9月13日閲覧。
- ^ a b “Habitable Exopalnets Catalog”. Planetary Habitability Laboratory. 2015年11月18日閲覧。
- ^ Abel Mendez Torres (2014年6月25日). “Nearby Super-Earth with the Right Temperature but Extreme Seasons”. UPR Arecibo 2014年6月30日閲覧。
- ^ “ハビタブルゾーンの巨大惑星、地球型?金星型?”. アストロアーツ. (2014年6月30日) 2014年6月30日閲覧。