クーちゃん
クーちゃんは、2009年2月に北海道釧路市の釧路川河口に出現したラッコ。当時3、4歳ほどの若いラッコと推定され[1]、よく見物客の集まる岸壁近くにいた[1]。
2009年2月12日に撮影 | |
生物 | ラッコ[2] |
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職業 | 釧路ファイン特別観光大使 |
体長 | 約1メートル[2] |
名の由来 | 釧路川 |
公式サイト | |
備考 |
出来事
編集2009年2月11日に釧路川河口の幣舞橋付近で発見された[2]。野生のラッコが市街地の河川に出没するのは極めて珍しく[1]、釧路川にちなんで「クーちゃん」の愛称が付けられた[1]。付近には多数の見物客が訪れ、転落事故が発生したためガードマンが配置された[1]。
3月2日に左足鰭に釣り針が刺さっているのが確認された[2]。
釧路市は、4月29日にクーちゃん特別住民票を発行し、特別観光大使に任命した。特別住民票は幣舞橋近くの2か所で配布され、5月上旬までに約9千枚配られた[3]。釧路市観光協会はクーちゃんに感謝状を送るイベントを実施した[要出典]。
5月8日以降、それまで2日続けて目撃されないことはなかったクーちゃんが[3]釧路川で目撃されなくなり[4]、釧路市民には「暖かくなって海に帰ってしまったのではないか」と心配された[3]。6月11日に、釧路市は幣舞橋のそばにクーちゃんの記念パネルを設置した[5]。
その後、納沙布岬でクーちゃんらしきラッコが観察され[6]、一緒にいた3匹のラッコは納沙布岬にちなみ「ノンちゃん」「サッちゃん」「プーちゃん」と名付けられた[6]。観光ツアーが行われるなど観光資源になる一方で、移植放流していたエゾバフンウニが食害により壊滅するなど漁業被害が出ていた[7]。
翌2010年2月に釧路市生涯学習センターで「ラッコのクーちゃん再び」フォーラムが行われた[注釈 1][8]。また、釧路フィッシャーマンズワーフMOOで「クーちゃん来釧1周年特別展示 ~児童画・メッセージとパネル・記事で振り返るあの日あの時~」が開催され[8]、クーちゃんの写真や新聞記事、市内の保育園の園児が書いた似顔絵とメッセージ等の他に、特別住民票、釧路ファイン特別観光大使認定書が展示された[8]。
なぜ釧路川に来たのか
編集水産総合研究センター北海道区水産研究所の研究員は「北方領土などから海流に乗ってきたか、餌を探してたどり着き、餌が豊富で波が静かなため居心地がよく居着いたのでは」と推測した[1]。また、おたる水族館海獣飼育課長は「体の機能のどこかに問題があって釧路に流れてきたのかもしれない」と北海道新聞の取材に答えた[1]。
2月下旬に北海道新聞が取材した専門家は全員「餌が少なくなれば移動する」と推測していた[1]。
脚注
編集注釈
編集- ^ 後援:ラッコ追っかけ隊。
出典
編集- ^ a b c d e f g h 「ラッコのクーちゃん釧路川快適?」『北海道新聞』2009年2月24日。2022年12月29日閲覧。
- ^ a b c d e f “ID:6213”. 海棲哺乳類ストランディングデータベース. 国立科学博物館. 2022年12月29日閲覧。
- ^ a b c 「クーちゃん、どこに行ったの?釧路川のラッコ、姿見えず」『朝日新聞』2009年5月13日。オリジナルの2020年1月20日時点におけるアーカイブ。2022年12月29日閲覧。
- ^ “クーちゃん観察日記”. 釧路市観光情報. 釧路市. 2010年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月29日閲覧。
- ^ 「「家族連れて帰ってきて」釧路市がクーちゃんパネル設置」『産経新聞』2009年6月11日。
- ^ a b “歯舞地区マリンビジョンニュースVol.23”. 根室市. 歯舞地区マリンビジョン協議会事務局 (2009年6月). 2022年12月29日閲覧。
- ^ 「納沙布岬のウニ、野生ラッコが食べた? 歯舞漁協は困惑」『朝日新聞』2010年3月13日。2022年12月29日閲覧。
- ^ a b c “『クーちゃん来釧1周年特別展示』”. 2010年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月29日閲覧。
外部リンク
編集- ラッコのクーちゃん釧路川快適?(北海道新聞) - 釧路川で撮影されたクーちゃんの映像が視聴できる。
- ラッコのクーちゃんミュージアム(釧路市産業振興部観光振興室) - オリジナルの2016年4月26日時点でのアーカイブ
- クーちゃんアルバム(北海道新聞) - オリジナルの2009年3月3日時点でのアーカイブ