クロード (グランド・セフト・オート)
クロード(Claude)は、ロックスター・ゲームスが2001年に発売したクライムアクションゲーム『グランド・セフト・オートIII』に登場する架空の人物であり、同作品の主人公。クロードは無口な主人公であるため声優はいない。ゲーム中ではクロードの名前が明かされることはなく、後にデータファイルで明らかになった。
クロード | |
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グランド・セフト・オートシリーズのキャラクター | |
初登場作品 | グランド・セフト・オートIII |
声優 | 無し |
キャラクターデザイン
編集画像外部リンク | |
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クロードを表した初期のコンセプトアート、フード付きのジャケットと短髪のヘアスタイルが描かれている |
ロックスターはクロードの「一つのインスピレーション」も無かったと告白しているが、彼らは「これらの神経過敏で多弁なギャング達全てと面白い方法で並置されるであろう強くて無口な殺人者」のアイディアを好んでいた。彼らは彼は「より強くそして自制的である」ようだが、他の人々は「より弱くそして必死である」ようだと語っている。
クロードの名前はゲーム中で明かされることはない。彼の名前はGTA3のテキスト・データファイル内で見つけることができるが[1]、『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』まで公式に言及されることはなかった。GTA3のクロードが『グランド・セフト・オート2』の主人公「クロード・スピード」(Claude Speed)と同一人物であるかどうかの推測が多くなされた[2]。これはファーストネームが同じであること、装いの仕方、身体的外見が原因であった。そのような議論を確認するよう求められた際、ロックスター・ゲームスは単に彼の姓は「スピードであるかもしれないしそうでないかもしれない」[3] とし、その上で「恐らく」彼らが同一キャラクターであるようだと述べた[4]。
GTA3のほぼ全編を通じて、クロードは黒のTシャツの上から黒のレザージャケットを着て緑のカーゴパンツと靴底が白の青いスニーカーを履いている。髪色はダークブラウンで、前髪を上げている。クロードの服装は『グランド・セフト・オートIV』でもアンロックできる[5][6]。
クロードは作中で一言も発しない (負傷または死亡時の静かなうめき声を除く)。このトピックについて質問された際、ロックスターは「(彼らは)他にも解決すべき問題が山積しており、これは主要な問題のようには見えない」と語った[7]。ゲーム中のある時点でマリアがゲーム内のラジオ局の一つに電話をかけ、彼女が「新たな男に会った」が「彼はあまり話さない」と説明している。クロードはサンアンドレアスにカメオ出演した際にも無口のままであった。噂にもかかわらず、ロックスターはクロードを喋る主人公にすることは「如何なる場面でも」計画していなかった。
『グランド・セフト・オートV』のオンラインモードの「GTAオンライン」ではプレイヤーは異なる親の中から選ぶことで彼らのキャラクターがどのように見えるかを変更できる。クロードは利用可能な特別な親達の一人であり、プレイヤーは自分のキャラクターを彼に似せるためにクロードを選択することができる。クロードのイメージは最新のHD形式で表示される[8][9]。
登場
編集1992年、西海岸のサンアンドレアスで長年の因縁の相手となるカタリーナと出会い、恋人となる。彼女は最近まで同地のギャングの有力者であるカール・ジョンソン(CJ)に恋愛感情を抱いていたが、自身を恋愛対象として見ないCJの態度に不満を持って一方的に振り、そのままクロードの恋人となったのであった。その後、カタリーナの一方的な因縁により、CJとレッドカウンティのストリートレースで戦うことになるが敗北。そのままカタリーナと共にリバティーシティへと渡った(以上『GTA:SA』におけるストーリー)。
それから9年後の2001年。ギャング組織「コロンビアン・カルテル」の幹部となっていたクロードは、リーダーのカタリーナらと共にリバティーシティで銀行強盗を遂行。しかし逃走の最中、カタリーナの裏切りによって胸を銃撃され、そのまま警察に逮捕されてしまう。
刑務所への護送中、コロンビアン・カルテルがクロードら犯罪者を乗せた護送車を襲撃する事件が起こる。その混乱に乗じて逃走に成功したクロードは、共に逃走した犯罪者で有力なマフィア「レオーネ・ファミリー」の一員であるエイトボールから、ファミリーの幹部であるルイージ・ゴトレッリを紹介され、使い走りとして雇われる。その後はファミリーのアンダーボスであるジョーイ・レオーネの元で働き、彼の信頼を得て幹部のトニー・シプリアーニ、さらには首領のサルバトーレ・レオーネからも仕事が舞い込むようになる。
幹部達や自身が与える数々の仕事を淡々とこなすクロードを気に入り、ファミリーに加えようとしていたサルバトーレだったが、自身の愛人であるマリアに「(クロードと)付き合っている」という嘘を伝えられたことから嫉妬し、罠にかけて始末しようとするも失敗した[注 1]。
その後はマリアと共にポートランドを脱出し、マリアから友人にしてヤクザの組長であるアスカ・カサイを紹介される。アスカは手始めにサルバトーレの暗殺を指示し、それを遂行した後は兄のケンジ・カサイや汚職警官レイ・マショウスキーをクロードに紹介し、さらなるコネクションを得る。
そんな中、カルテルの幹部であるミゲールがケンジを暗殺[注 2]したとの情報を掴んだアスカはカルテルへの復讐を誓い、建設現場でミゲールを拷問にかけるも、クロードが不在の隙を突いてカタリーナが現れる。
カタリーナはアスカ・ミゲール両者を殺害し、さらにはマリアを誘拐してクロードにマリアの身代金を要求する。その後、身代金を用意したクロードを再び裏切って身代金を奪い取った上に再度始末を図るが、またしても失敗に終わる。やがて追い詰められた先のコクランダムでヘリコプターを用いて逃走しようとするが、クロードによりヘリを撃墜され、ダムの藻屑と消えた。
その後、救出されたマリアが延々と喋り続ける最中に銃声が遮るという演出でゲームは終了する(映像はなく音声のみ)。クロードがマリアを射殺したか、ひたすら喋り続けるマリアを黙らせるためにクロードが威嚇発砲したものと推測されている[10]。
評価
編集本キャラクターは好評を博した。IGNは彼を「Grand Theft Auto Favorite Badasses」リストに入れ、「無口なキャラクターはプレイヤーが一体感を持ちやすいとの議論がしばしばなされている。それはクロードについて言えば確かに事実である」と述べた[11]。Crave Onlineは「議論の余地なく業界の形を永遠に変えたコンピュータゲームの顔」であるため「最も記憶に残るGTAキャラクタートップ10」 (Top 10 Most Memorable GTA Characters) の8位にクロードを位置づけた[12]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ Grand Theft Auto III (Grand Theft Auto III\text\american.gxt), DEFNAM -- Claude
- ^ Scheeden, Jesse (April 28, 2008). “Grand Theft Auto: Favorite Badasses”. IGN. April 16, 2013閲覧。
- ^ R* Q (December 15, 2011). “Grand Theft Auto III: Your Questions Answered – Part One (Claude, Darkel & Other Characters)”. Rockstar Games. April 16, 2013閲覧。
- ^ R* Q (October 5, 2011). “Asked & Answered: Max Payne 3, L.A. Noire, Red Dead and More”. Rockstar Games. July 26, 2013閲覧。
- ^ “How to Make Niko Wear Claude from GTA 3's Clothes in GTA 4”. wikiHow. June 23, 2013閲覧。
- ^ Wilson, Iain (31 August 2013). “The 15 biggest secrets of the Grand Theft Auto (image 9 of 15)”. Computer and Video Games. 1 September 2013閲覧。
- ^ Lin-Poole, Wesley (December 16, 2011). “Why Grand Theft Auto 3 has a silent protagonist”. Eurogamer. April 16, 2013閲覧。
- ^ R* Q (26 August 2013). “More Details and Screens from the Grand Theft Auto V Special and Collector's Edition Digital Content”. Rockstar Games. 3 October 2013閲覧。
- ^ R* A (23 September 2013). “Some More Details on Grand Theft Auto Online”. Rockstar Games. 3 October 2013閲覧。
- ^ “(UPDATED) Asked & Answered – Re: Vice City, Red Dead Redemption and Chinatown Wars” (英語). Rockstar Games. 2020年9月9日閲覧。
- ^ Scheeden, Jesse (April 28, 2008). “Grand Theft Auto: Favorite Badasses”. IGN. April 22, 2013閲覧。
- ^ Tamburro, Paul (November 2, 2012). “Top 10 Most Memorable GTA Characters”. PlayStation Beyond. April 22, 2013閲覧。