クレメンチッチ・コンソート

オーストリア・ウィーンを本拠地とする古楽アンサンブル

クレメンチッチ・コンソート(Clemencic Consort)は、オーストリアウィーンを本拠地とする古楽アンサンブルである。レネー・クレメンチッチ(René Clemencic[rə'ne kleː'məntʃitʃ], 1928年2月27日 - )が古文献から掘り起こした古楽作品を演奏する。レネー・クレメンチッチはポジティヴオルガンチェンバロリコーダーシャルマイなどを受け持ち、指揮する。ウィーン楽友協会に独自のコンサートシリーズ(Konzertzyklus:ドイツ語Zyklusと英語cycleとは同じ語源)を持つがコンサートシーズン1962/63年よりアンサンブル・ムジカ・アンティクウァ(Ensemble Musica Antiqua)、コンサートシーズン1971/72年よりカペッラ・ムジカ・アンティクウァ(Capella Musica Antiqua)、そしてコンサートシーズン1972/73年より現在と同じアンサンブル名、クレメンチッチ・コンソート(Clemencic Consort)を名乗る。この名称でウィーン楽友協会での年3回アンサンブルコンサートシリーズとして現在まで続いている。そのうち年に1回は男性の器楽演奏者と歌手(カウンターテナーテノールバス)が燕尾服で正装するバロック音楽であり、ヒロ・クロサキがコンサートマスターをつとめる。[1] もちろん女性の器楽演奏者や歌手も共演している。

ウィーンの劇場博物館にて(2017年12月16日)

1962年11月20日よりEnsemble Musica Antiquaとしてウィーン楽友協会ブラームス・ホールを会場とする年数回のコンサートシリーズを持たされ[2]1964年には同じ内容で2回ずつ持つなどして合計7回が数えられた。ウィーン楽友協会におけるEnsemble Musica Antiquaコンサートシリーズは1970年3月24日[3]まで続く。翌シーズンにはウィーン楽友協会でのシリーズコンサートでのアンサンブル名がCapella Musica Antiquaとなり[4]、アンサンブル名クレメンチッチ・コンソートとしての楽友協会コンサートは1972年12月12日[5]より現在[6][7]まで続いている。

1957年レネー・クレメンチッチにより結成され、現在までクレメンチッチが芸術監督を務めている。[8]レパートリーは中世吟遊詩人の歌、トルバドゥール音楽やカルミナ・ブラーナなどに収められている世俗的な歌などや、ルネッサンス音楽、ゴシック音楽そして早期バロック時代の宮廷音楽ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァーヨハン・ヨーゼフ・フックスハインリヒ・ビーバー、またギョーム・デュファイジョン・ダンスタブルなどポリフォニー宗教音楽も含まれる。[9][10] アンサンブルの構成はその演奏内容によって変化し、国際的に著名な器楽演奏者や歌手も多く参加する。その中にはバロックバイオリン奏者ヒロ・クロサキやニッケルハルパ奏者のマルコ・アンブロジーニ[11]などがいる。

現在入手できるCDには、カルミナ・ブラーナ1992年2008年および2012年)やクリスマス賛歌Laudate Pueri(ハインリヒ・シュッツクラウディオ・モンテヴェルディなどの作曲作品)、ヨハン・ヨーゼフ・フックスなどがある。[12]

参考文献

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  • [1]
  • [2] ウィーン楽友協会2017年秋-2018年初夏のコンサートシリーズ全3回
  • [3] 2017年10月
  • CD Carmina Burana (2012年) 冊子
  • CD Laudate Pueri(2012年)冊子
  • Musikvereinウィーン楽友協会コンサートシリーズ「クレメンチッチ・コンソート」(年3回)プログラム誌のアンサンブル紹介ページ、例えば [13] より『Der Clemencic Consort ist ein international zusammengesetztes Ensemble für Alte Musik in variabler, programmabhängiger Besetzung unter der Leitung von René Clemencic.』『 René Clemencic fungiert seit 1957 als Leiter des eigenen Ensembles.』
  • Clemencic Consortの公式サイト(上述)より P R O G R A M M V O R S C H L Ä G E(演奏プログラムよりお薦め例)
  • [4]
  • [5] カルミナ・ブラーナ 1992年
  • [6] カルミナ・ブラーナ 2008年
  • [7] カルミナ・ブラーナ 2012年
  • [8] ギョーム・デュファイ 2006年
  • [9] ジョン・ダンスタブル 1996年
  • [10] ヨハン・ヨーゼフ・フックス 2004年
  • [11] ハインリヒ・シュメルツァー 1989年

脚注

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  1. ^ 楽友協会会員月刊誌Musikfreunde2010年4月号のMarkus Siberによる記事
  2. ^ 1962年11月20日の楽友協会コンサート
  3. ^ 1970年3月24日の楽友協会コンサート
  4. ^ 1971年1月12日の楽友協会コンサート
  5. ^ 1972年12月12日の楽友協会コンサート
  6. ^ 2016/17年度楽友協会コンサートシリーズClemencic Consort
  7. ^ 2017/18年度楽友協会コンサートシリーズClemencic Consort
  8. ^ 公式サイト
  9. ^ 楽友協会会員月刊誌Musikfreunde2011年9月10月号 次のコンサートではサン・マルシャル楽派やサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼音楽におけるポリフォニーに目を向ける
  10. ^ 楽友協会会員月刊誌Musikfreunde2012年9月10月号ハンガリーよりアッティラ王時代のフン族とニーベルンゲンの歌に迫り また時代を下がりカザフスタン英雄叙事詩に触れる
  11. ^ ORFラジオÖ1局古楽番組で2014年6月24日に放送されたクレメンチッチ・コンソートのコンサート、ウィーン楽友協会で2014年6月17日に演奏されたコンサートの録音、マルコ・アンブロジーニがニッケルハルパを演奏、歌手はマルクス・フォルスター(カウンターテナー)、ゲルノート・ハインリッヒ(テノール)、トム・トーレ・デニーズ(テノール)、演奏プログラムは13世紀フランスのダブルモテット
  12. ^ Clemencic - Discography
  13. ^ ウィーン楽友協会 プログラム誌Zyklus Clemencic Consort 2. Konzert Dienstag, 11. März 2014 Brahms-Saal8頁と9頁

外部リンク

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