ギルバートセル
電子工学において、ギルバートセルは、乗算器による混合器(ミキサ)の一種で、1968年に初めてバリー・ギルバートによって発表された。この回路の出力電流は、2つの差動入力のベース電流を正確に乗算した結果となる。
ギルバートセルは次のような用途で用いられる:
- (2つの入力がVT(熱電圧)に比べて小さい場合)小振幅信号の正確な四象限乗算器(four-quadrant multiplier)。
- (2つの入力がVTに比べて大きい場合)大振幅信号の位相比較器。
- (一方の入力がVTに比べて小さく、もう一方は大きい場合)通信分野における変調器。
- フラッシュADコンバータの前処理に使うことで比較器の数を減少させることができる。この方式はFolding ADCと呼ばれる。
参照
編集- ^ 黒田忠広監訳「RFマイクロエレクトロニクス」 p.205 丸善 2002 ISBN 4-621-07005-3