ギニアアブラヤシ
ギニアアブラヤシ(学名:Elaeis guineensis、英名:African oil palm またはmacaw-fat[2])は、パーム油の主要な供給源であるヤシ科の種である。アフリカ西部・南西部、特にアンゴラとガンビアの間の地域が原産である。種形容語のguineensisは、国名のギニアではなく、その地域の名前であるギニア地域に由来する。油ヤシは赤道20度以内の熱帯地方、中米、西インド諸島、インド洋、太平洋の島々など多くの地域で帰化している。
ギニアアブラヤシ | ||||||||||||||||||||||||
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ギニアアブラヤシ
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Elaeis guineensis Jacq. | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
African oil palm macaw-fat |
パーム油は、本種以外にも近縁種のアメリカアブラヤシ、遠縁のマリパヤシからも採取される。
紀元前3000年のエジプトアビドスの墓遺跡からパームオイルが発見されている[3]。これはアラブの貿易商によってエジプトにもたらされたと考えられている[4]。
歴史
編集Elaeis guineensisは、アフリカのギニア地域を原産とし、1763年にニコラウス・フォン・ジャカンによって最初に描かれた。
1848年に、ドイツ人によってジャワ島に[5]、1910年にはスコットランド人William Simeとイギリス人銀行家Henry Darbyによって当時イギリスの植民地だったマレーシアにオイルパームが導入された。1961年に西アフリカで育った本種がナイジェリア東部からマレーシアに運ばれた。ナイジェリア南部の海岸は商品の取引に訪れたヨーロッパ人によってthe Palm oil coastと呼ばれていた。この地域は、後にthe Bight of Biafraと改名された。
用途
編集民間医療
編集伝統的なアフリカの医学では、植物の様々な部分が下剤・利尿剤、淋病、月経放散痛および気管支炎の治療薬、頭痛およびリウマチの治療、創傷の治癒促進、皮膚感染症治療、解毒剤として使用されている。
油
編集果実のパルプ(パーム油、食用油)と核(パーム核油、食品および石鹸製造に使用される)の両方から油が抽出される。果実100kgごとに、一般的に22kgのパーム油および1.6kgのパーム核油を抽出することができる。
栽培
編集世界的な生産量は、国別生産量首位であったマレーシアとインドネシアの生産拡大により右肩上がりに拡大し続けており、2000年代にはインドネシアが首位となった。その一方で無秩序なヤシ園の開発と劣悪な労働環境が問題視されるようになっており、2013年9月11日、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)によってパーム油の認証制度が設立されている[6]。
ヤシの病気
編集真菌マンネンタケ属によって引き起こされたBasal stem rot(BSR 基礎茎腐敗病?)は、マレーシアとインドネシアで最も深刻なヤシの病気である。以前のBSRに関する研究は、人工的に油ヤシに真菌を感染させなかったため発展しなかった。 マンネンタケ属はBSRと関連していると考えられたが、そのコッホの仮定を確信させる病原性の証拠は、根に接種することによって、またはゴム製のブロックを使用することによって1990年代初期に確認された。油ヤシの発芽した種子に接種することによって真菌の病原性を試験するための信頼性の高い迅速な技術が開発された[7]。
この致命的な病気は、植え付けサイクルを繰り返した後に80%もの損失をもたらす可能性がある。マンネンタケ属は感染した木部を分解する酵素を産出するため、ヤシの上部への水や栄養素運搬に深刻な問題を引き起こす[8]。感染した茎ははっきりとわかる。感染したヤシの茎の断面は、腐敗組織の明るい茶色の領域として現れ、その周囲の境界には不規則な形をした暗い帯がみられる[9]。感染した組織は灰白色の粉末になり、立っている木は空洞化していく[10]。
関連項目
編集出典
編集- ^ “The Plant List: A Working List of All Plant Species”. 2017.1.31閲覧。
- ^ “USDA GRIN Taxonomy”. 2017.1.31閲覧。
- ^ Kiple, Kenneth F.; Conee Ornelas, Kriemhild, eds (2000). The Cambridge World History of Food. Cambridge University Press. ISBN 0521402166 30 August 2012閲覧。[要ページ番号]
- ^ Obahiagbon, F.I. (2012). “A Review: Aspects of the African Oil Palm (Elaeis guineesis Jacq.)”. American Journal of Biochemistry and Molecular Biology: 1–14 30 August 2012閲覧。.
- ^ Lötschert, Wilhelm; Beese, Gerhard (1983). Collins Guide to Tropical Plants. London: Collins. ISBN 978-0-00-219112-8. OCLC 11153110[要ページ番号]
- ^ “開催報告:企業向け森林セミナー「パーム油と森林破壊」”. WWF (2013年10月7日). 2018年4月8日閲覧。
- ^ Idris, A S; Kushairi, D; Ariffin, D; Basri, M W (June 2006). “Technique for inoculation of oil palm germinated seeds with ganoderma”. Malaysian Palm Oil Board Information Series (314). ISSN 1511-7871 .
- ^ Idris, AS; Ariffin, D; Swinburne, TR; Watt, TA (August 2000). “The identity of ganoderma species responsible for basal stem rot disease of oil palm in Malaysia-pathogenicity test”. Malaysian Palm Oil Board Information Series (77b) .
- ^ Turner PD. Palm oil Diseases and Disorers. Oxford University Press, 1981.[要ページ番号]
- ^ Wardlaw, C. W. (1946). “A Wilt Disease of the Oil Palm”. Nature 158 (4002): 56. Bibcode: 1946Natur.158...56W. doi:10.1038/158056a0.