キリスト者の完全
『キリスト者の完全』("Plain Account of Christian Perfection")は、18世紀のイギリスで興ったメソジスト運動の中心的人物ジョン・ウェスレーの著書。
内容
編集この書に紹介された「キリスト者の完全」における「完全」は、神についてのみ言い得る哲学的な、絶対的完全を意味しない。「キリスト者の」と限定されているように、クリスチャンが恵みによって、また、信仰によって領有することのできる信仰の状態、すなわちアダムの堕罪以来、すべての人のものとなった「肉」の性質(罪に傾く思い、SIN)を、聖霊によってきよめられ、その支配から解放たれた心の状態を言い表している。欠点や過誤のないことではなく、その動機において、絶えず神の愛(アガペー)に支配された状態である。
この転機的なきよめの経験の後にも、その人は生涯かけて、恵みによって、キリストの満ち満ちた愛の身たけに達するまで、様々な原因から来る罪への傾き易さを克服して、愛に成長してゆく。成長の余地を残している、愛における動機の「完全」を「キリスト者の完全」と表現する。
継承
編集これは、ウェスレー派のメソジストときよめを強調するホーリネス派に継承されている。
翻訳
編集外部リンク
編集- 英語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:A Plain Account of Christian Perfection