キリギリス科(キリギリスか)Tettigoniidae は、バッタ目キリギリス亜目。キリギリス、ウマオイ、クツワムシなど、コオロギとともに鳴く虫として馴染みのある種が多い。草むらや樹上で生活し、熱帯地方には木の葉や枯葉、コケ、地衣などに擬態(隠蔽的擬態)した種が知られる。世界の熱帯から亜寒帯にかけて、19亜科8000種余りが知られる。最近の図鑑ではこれらの亜科を科とし、全体をキリギリス上科としている[2]

キリギリス科 Tettigoniidae
カラフトキリギリス
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: バッタ目(直翅目) Orthoptera
亜目 : キリギリス亜目(剣弁亜目)
Ensifera
下目 : キリギリス下目 Tettigoniidea
上科 : キリギリス上科 Tettigonioidea
: キリギリス科 Tettigoniidae
学名
Tettigoniidae
Krauss[1], 1902
英名
katydids
bushcrickets
long-horned grasshoppers
亜科

触角は糸状で長い。口器は咀嚼に適した頑丈な大顎を持つ。前脚の脛節に聴覚器官をもつ。3対の脚はいずれも歩脚でとくに後脚は跳躍に適して腿節と脛節が長く発達するが、樹上生活する種では後脚がやや短い傾向がある。雑食性の種では獲物を捕獲するため前脚及び中脚の脛節に棘状突起が列んで生えている。左右の前翅は閉じた状態のとき背中で一部重なるが、コオロギと異なり、左の前翅が上になる。一方、ササキリモドキ亜科の多くの種のように、一見翅がないかのように見えるくらい短く退化した種も多い。腹部末端にオスは一対の尾肢を持ち、その形状は種の同定にしばしば利用される。メスはよく発達した産卵管を持ち、横から見た形が、土の中に産卵する種は長い剣型、草の茎や樹皮に生む種では短く湾曲した鎌型をしているものが多い。

昼行性または夜行性。食性は植物食または雑食。種によっては植物の葉や花を食べるだけでなく、虫を積極的に捕食する。左右の前翅の、重なりの部分を擦り合わせて発音することで鳴く。多くは雄だけが鳴くが、ツユムシ亜科のクダマキモドキ類では雌も鳴く。

下位分類

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ツユムシ亜科 Phaneropterinae

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ササキリモドキ(ヒメツユムシ)亜科 Meconematinae

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Pseudophyllinae

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クツワムシ亜科 Mecopodinae

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ウマオイ亜科 Listroscelidinae

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クサキリ亜科 Copiphorinae

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ササキリ亜科 Conocephalinae

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キリギリス亜科 Tettigoniinae

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ギャラリー

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関連項目

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脚注

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  1. ^ Christian Ferdinand Friedrich Krauss (1812-1890; 旅行家・採取者) もしくは Hermann August Krauss (1848-1939; 昆虫学者)
  2. ^ 町田龍一郎監修 日本直翅類学会編 2016 日本産直翅類標準図鑑 学研プラス

参考文献

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外部リンク

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