キヤノン EOS-1D X
キヤノンのデジタル一眼レフカメラ
キヤノン EOS-1D X(キヤノン イオスワンディー エックス[1])は、キヤノン製デジタル一眼レフカメラである。
キヤノンのプロフェッショナルモデルは、「EOS-1D X」が開発されるまで、報道・スポーツ向け(連写性能優先タイプ)の「EOS-1Dシリーズ」と、スタジオ撮影向け(画素数優先タイプ)の「EOS-1Dsシリーズ」の2機種が開発・販売されていた。「EOS-1D X」の開発により一台でカバーすることが可能になるとし、EOSのうち「1Dシリーズ」と「1Dsシリーズ」は製造が打ち切られる[2][3]。
特徴
編集- 撮像素子は、新開発した約1810万画素の35mmフルサイズのCMOSセンサーを搭載する。また35mmフルサイズセンサーとしては、ギャップレスマイクロレンズを初採用し、集光効率を高めている[1]。
- 映像エンジンは、新開発した「DIGIC 5+」を2基装備した、「デュアルDIGIC 5+」を搭載する。「DIGIC 5+」は、「DIGIC 5」の約3倍の処理能力を持ち、「DIGIC 4」と「DIGIC 5+」を比べると約17倍の処理能力を持つ[1]。
- AEセンサーは、新開発した10万画素のRGB測光センサーとAE専用の「DIGIC 4」を採用した「EOS iSA System[4]」を搭載する。
- 連続撮影速度は、AF/AE追従する「高速連続撮影」モードで最高約12コマ/秒である。「超高速連続撮影」モードでは、ミラーアップ・AF/AE非追従・JPEGのみと制限があるものの最高約14コマ/秒で撮影可能である。
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主な仕様
編集基本仕様
編集- 型式:デジタル一眼レフレックスAF・AEカメラ
- 記録媒体:CFカード(タイプI、II準拠、UDMA モード7対応)
- CFカード対応デュアルカードスロット
- 使用レンズ:キヤノンEFレンズ群(EF-Sレンズを除く)
- レンズマウント:キヤノンEFマウント
撮像素子
編集- 撮像素子形式:約36×24mm CMOSセンサー
- カメラ部有効画素:約1810万画素
- ホワイトバランス:オート、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、色温度指定(約2500~10000K)、カスタムホワイトバランス(5件)、ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能
記録形式
編集- 記録フォーマット:DCF 2.0
- 画像タイプ:JPEG、RAW(14bit)[5]、RAW+JPEGラージ同時記録可能
- 記録画素数
- JPEG - L(約1790万(5184×3456)画素)、M1(約1420万(4608×3072)画素)、M2(約800万(3456×2304)画素)、S(約450万(2592×1728)画素)
- RAW(14bit) - RAW(約1790万(5184×3456)画素)、M-RAW(約1010万(3888×2592)画素)、S-RAW(約450万(2592×1728)画素)
- JPEG画質 10段階
- 記録機能:標準、カード自動切り換え、振り分け、同一書き込み
ファインダー
編集- ファインダー方式:ペンタプリズム使用、アイレベル式
- 視野率:上下/左右とも約100%(アイポイント約20mm時)
- 倍率:約0.76倍[6]
- アイポイント:約20mm[7]
- 視度調整範囲:約-3.0~+1.0m–1(dpt)
- アイピースシャッター:内蔵
- フォーカシングスクリーン:交換可能(レザーマットタイプ「フォーカシングスクリーンEc-CV」を標準装備)
- AF作動表示:あり
- グリッド表示:可能
- 水準器表示
- 水平方向:1°ステップ ±6°(横位置撮影時)
- 垂直方向:1°ステップ ±4°(横位置撮影時)
- ミラー:クイックリターン式
- 被写界深度確認:可能
オートフォーカス
編集- 方式:TTL二次結像位相差検出方式
- 測距点 61点(クロス測距点:最大41点)[8]
- フォーカスモード:ワンショットAF、AIサーボAF、手動(MF)
- 測距エリア選択モード:スポット1 点AF(任意選択)、1 点AF(任意選択)、領域拡大AF(任意選択上下左右)、領域拡大AF(任意選択周囲)、ゾーンAF(ゾーン任意選択)、61点自動選択AF
- 測距点自動選択条件:EOS iTR[9] AFの設定による(色情報、顔情報を使用したAFが可能)
- AF微調整:AFマイクロアジャストメントにより対応(全レンズ一律調整、レンズごとに調整)
- AF補助光:EOS用外部ストロボのAF補助光による
- The EOS-1DX was recalled by Canon for defective focusing based on defective parts in the 1DX mirror box
露出制御
編集- 測光方式:252分割TTL開放測光「EOS iSA システム[4]」
- 測光モード:AFフレームに対応した評価測光・部分測光(中央部)・スポット測光(中央部、測距点連動、8回までのマルチスポット)・中央部重点平均測光
- 露出制御方式:プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、バルブ
- 常用ISO感度(推奨露光指数):ISO 100~51200任意設定(1/3、1段ステップ)
- 拡張可能ISO感度:L(ISO 50相当)、H1(ISO 102400相当)、H2(ISO 204800相当)
- ISOオート:設定可能(感度拡張は不可)
- ISO感度関連設定:ISO感度設定範囲、ISOオート範囲、ISOオート低速限界設定可能
- 露出補正
- 手動:1/3、1/2段ステップ±5段
- AEB:1/3、1/2段ステップ±3段(手動露出補正との併用可能)
- AEロック
- 自動:ワンショットAF・評価測光時、合焦と同時にAEロック
- 手動:AEロックボタンによる
- 露出基準微調整 AEマイクロアジャストメントにより対応
多重露出撮影
編集- 撮影方法 機能・操作優先、連続撮影優先
- 多重枚数:2〜9枚
- 多重露出制御:加算、加算平均、比較(明)、比較(暗)
シャッター
編集- シャッター形式:電子制御式、フォーカルプレーンシャッター
- シャッター速度 1/8000~30秒、バルブ(すべての撮影モードを合わせて)
- ストロボ同調最高シャッター速度=1/250秒
ドライブ関係
編集- ドライブモード:1枚撮影、高速連続撮影、低速連続撮影、セルフタイマー:10秒、セルフタイマー:2秒、1枚:静音動作、超高速連続撮影
- 連続撮影速度:「超高速連続撮影」最高約14コマ/秒、「高速連続撮影」最高約12コマ/秒[10]、「低速連続撮影」最高約3コマ/秒
- 連続撮影可能枚数:NA
ストロボ
編集- 対応ストロボ:キヤノン製EXシリーズスピードライト
- 調光方式:E–TTL II 自動調光
- 外部ストロボ制御:可能
- 内蔵ストロボ:非搭載
ライブビュー撮影機能
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動画撮影機能
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液晶モニター
編集再生機能
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インターフェース
編集- 映像/音声出力・デジタル端子:アナログ映像(NTSC、PAL対応)/ステレオ音声出力・パソコン通信、ダイレクトプリント(Hi-Speed USB相当)
- HDMIミニ出力端子:タイプC(解像度自動切り換え)、CEC対応
- 外部マイク入力端子:φ3.5mmステレオミニジャック
- リモコン端子:リモートコントロールシステムN3タイプに対応
- イーサーネット端子:RJ-45端子、ギガビットイーサーネット対応
- 拡張システム端子:「ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-E6B」、「GPSレシーバー GP-E1」接続
電源
編集- 使用電池:下記のキヤノン製バッテリーパックを1個使用
- 電池情報:残容量、撮影回数、劣化度確認可能
- AC:「ACアダプターキット ACK-E4」使用により可能
- 撮影可能枚数(CIPA試験基準[11]による)
- ファインダー撮影 - 常温(23℃) 約1,120枚/低温(0℃) 約860枚
- ライブビュー撮影 - 常温(23℃) 約290枚/低温(0℃) 約250枚
- 動画撮影可能時間(フル充電のバッテリーパックLP–E4N使用時)
- 常温(23℃) 約2時間10分
- 低温(0℃) 約2時間
- 日付/時計機能用電池:リチウム電池 CR20251個使用
大きさ・質量
編集- 大きさ(幅×高さ×奥行き):約158×163.6×82.7mm
- 質量:約1340g(本体のみ)/約1530g(CIPAガイドライン[12]による)
動作環境
編集- 使用可能温度:0℃〜+45℃
- 使用可能湿度:85%以下
脚注
編集- ^ a b c 武石修 (2011年11月21日). “インタビュー:キヤノンに聞く「EOS-1D X」のハイエンド戦略 - デジカメWatch”. Impress Watch Corporation. 2011年11月22日閲覧。
- ^ “EOS DIGITAL 新製品ニュース” (PDF). キヤノン. pp. P.2 (2011年10月18日). 2011年10月20日閲覧。
- ^ 武石修 (2011年10月18日). “キヤノン、12コマ/秒・ISO204800のプロ向けフルサイズ機「EOS-1D X」 - デジカメWatch”. Impress Watch Corporation. 2011年10月20日閲覧。
- ^ a b EOS iSA システム - EOS Intelligent Subject Analysis System
- ^ RAW(14bit) - キヤノン独自
- ^ ファインダー倍率:約0.76倍 - 50mmレンズ・∞・-1m–1
- ^ アイポイント:約20mm - -1m–1時/接眼レンズ中心から
- ^ 使用レンズにより、測距点数、クロス測距点数が変動する。
- ^ iTR - Intelligent Tracking Recognition
- ^ ISO32000以上のときは、高速連続撮影時の連続撮影速度が最高約10コマ/秒
- ^ “カメラ映像機器工業会ガイドライン「デジタルカメラの仕様に関するガイドライン(改訂版)」” (PDF). カメラ映像機器工業会 標準化委員会. pp. 49 (2012年). 2012年8月3日閲覧。
- ^ “カメラ映像機器工業会ガイドライン「デジタルカメラの質量および寸法に関する測定法および表記法」” (PDF). カメラ映像機器工業会 標準化委員会. pp. 5 (2009年). 2012年8月3日閲覧。
参考文献
編集Canon EOS-1D X Product AdvisoryRetrieved 20 October 2013