キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル (Cavalier King Charles Spaniel) は、イギリス産の小型犬の一種。スパニエル種に分類される。日本では一般的にキャバリア、または端的にキャバと略されて呼ばれる。
原産地 | イギリス | |||||||||||||||||||||||||||
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イヌ (Canis lupus familiaris) |
名称の「キャバリア」とは、騎士という意味である。騎士らしく雄々しい感じがすることから。「キャバリア」には騎士道精神の持ち主、特に女性への礼を尽くす男性という意味がある。また、「キングチャールズ」とは、イングランド王チャールズ1世・チャールズ2世がこの犬を溺愛したことに因む[1]。
歴史
編集長らくイギリス王室の愛玩犬として愛されてきたが、18世紀になるとトイ・スパニエルにかわって、ヨーロッパでは短吻種の犬が流行、その影響を受けパグなどを交配し出来た犬種が、現在のキング・チャールズ・スパニエルである。
19世紀はじめ、チャールズ2世時代の絵画を見たアメリカ人、ロズウェル・エルドリッジが、その姿の復活を求めて25ポンドという、当時としては莫大な懸賞金をかけた。その結果、ブリーダーたちは競ってキング・チャールズ・スパニエルから時折産まれる、先祖返りしたタイプの個体を元に、ついにチャールズ2世時代の絵に近い個体を固定化させ「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」と命名した。
特徴
編集外見
編集体重は9〜11kg体高は30~33cm、平均寿命は9~14年。大きな目、大きな垂れ耳、平坦な頭頂。絹糸のような被毛を持ち、生後2~3年目程度から飾り毛が足・耳・胸などに発達する。
性格
編集優しく穏やかで、遊び好きで、愛情深く物静か。他の犬やペット、見知らぬ人に対しても社交的で、膝の上に乗ったり、スキンシップをしたりするのが好きで、ひとに触られるのを好む性格[2]。飼い主に従順で遊び好きな一方で、少々寂しがり屋な面もある[3]。
疾病
編集- 心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全症)
- 遺伝子疾患である。心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁の異常で、老年期に後天的に発生し、犬の心臓病では最も多いものである。小型犬の鬱血性心不全の95%はこの病気である。発生は年齢とともに増加し、16歳になると75%がこの病気を持つと言われている。キャバリアでは、1歳ですでに33%がこの病気を持ち、4歳以上では60%にもみられる[4]。
- 脊髄空洞症
- 遺伝子疾患で、キャバリアは発症率の高い犬種である。品種改良の結果、頭蓋骨が脳の大きさに対して小さいため、脳脊髄液の流れが阻害され圧力が高くなりすぎることが原因である。他の犬種では珍しい病気であるが、キャバリアでは90パーセント以上の割合で問題があるとの調査もある。しかし、実際に症状として現れることは少ない。頭の後ろを触るのを嫌がったり、首輪の後ろを気にしたり、しきりに足で頭の後ろをかく動作をする場合は発症の可能性がある。キャバリアの脊髄空洞症の参考映像。
高齢期は腎臓の機能低下により肺に腹水が溜まったり、上記の心臓の病気により肺が圧迫され咳が止まらなくなる症状などが現れる。外耳炎を患いやすく、目に関するトラブルも少なくない。
品種改良に起因する遺伝性疾患の多さから、2022年1月、ノルウェーはブルドッグとともにキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのブリーディングを違法とする判決を下した[5]。
種類
編集4種の毛色が存在する。
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ブレンハイム (Blenheim):赤褐色と白
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トライカラー (Tricolor):赤褐色と黒と白の三色
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ブラック・タン (Black and Tan):黒と赤褐色
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ルビー (Ruby):赤褐色
関連項目
編集脚注
編集- ^ ドッグ・ガイド - キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、2013年8月閲覧
- ^ キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル - アニマルプラネット、2013年8月閲覧
- ^ “キャバリアキングチャールズスパニエルの性格とは”. ペッツファースト. 2024年1月6日閲覧。
- ^ “犬の病気”. JBVP(日本臨床獣医学フォーラム). 2013年8月閲覧。
- ^ 「人為的な健康問題」が焦点 人気の“鼻ぺちゃのブルドッグ”のブリーディングがノルウェーで禁止になった理由 クーリエ・ジャポン、2022.2.5
外部リンク
編集- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエ - 社団法人ジャパンケネルクラブ
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル - アニマルプラネット