キタオットセイ(北膃肭臍、Callorhinus ursinus)は、ネコ目(食肉目)アシカ科キタオットセイ属に分類される鰭脚類。本種のみでキタオットセイ属を構成する。単にオットセイとも呼ばれる。

キタオットセイ
キタオットセイ
キタオットセイ(オス) Callorhinus ursinus
保全状況評価[a 1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目 Carnivora
: アシカ科 Otariidae
: キタオットセイ属 Callorhinus
: キタオットセイ C. ursinus
学名
Callorhinus ursinus (Linnaeus, 1758)
和名
オットセイ
キタオットセイ
英名
Northern fur seal

分布

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アメリカ合衆国西部、ロシア東部の北太平洋オホーツク海ベーリング海[1][2][3]

繁殖地としてはコマンドル諸島千島列島プリビロフ諸島、サン・ミゲル島、ロベン島などが確認されている[1]。サン・ミゲル島の個体群を除いて、冬季になると越冬のため南下する[1]

形態

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全長213センチメートル[1]体重オス180-270キログラム[1]。メスよりもオスの方が大型になり、メスは最大全長150センチメートル[2]。最大体重50キログラム[2]。吻端は短く[1]、やや下方へ向かう[2]。全身は細かい下毛で密に被われる[2]

耳介は小型[2]

出産直後の幼獣は全長66-69センチメートルで、毛衣は黒い[1]。オスの成獣は頸部の体毛が伸長して鬣状になり[2]、毛衣は黒や暗褐色[1]。幼獣やメスの成獣の毛衣は背面が灰色、腹面が赤褐色[1]

分類

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アシカ科内では600万年前に他種と分岐した種と考えられている[1]

生態

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海洋に生息する。

食性は動物食で、魚類スケトウダラハダカイワシなど)、イカなどを食べる[1][2]

繁殖形態は胎生。オスは繁殖地で5月に縄張りを形成し、上陸したメスは出産後に交尾を行う[2]。6-8月に1回に1頭の幼獣を産む[1]。授乳期間は約4週間[1]。オスは生後7年(実際に繁殖を行うのは生後9-15年[1])、メスは生後3-4年で性成熟する[2]。寿命はオスが15年、メスが30年[2]

人間との関係

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過去には毛皮目的の乱獲により生息数が激減し、漁業による競合や混獲などにより生息数の減少が懸念されている[2][3]1786-1867年はプリビロフ諸島で2,500,000頭、1867-1911年は1,000,000頭以上が狩猟されたと推定されている[1][3]1892年に国際的に商業目的の捕獲が制限、1910年に海上捕獲やメスの捕獲が禁止、1985年に商業目的の捕獲が禁止されている[2]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 大隅清治監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科2 海生哺乳類』、平凡社1986年、21、93、97、100-102、105-106頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社2001年、26、163頁。
  3. ^ a b c 『絶滅危惧動物百科3 ウサギ(メキシコウサギ)―カグー』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店2008年、56-57頁。

関連項目

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外部リンク

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  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Gelatt, T. & Lowry, L. 2008. Callorhinus ursinus. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1.