ガーダントヘルス
ガーダントヘルス(英: Guardant Health Inc.)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州レッドウッドシティに拠点をおくスタートアップ企業。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 |
アメリカ合衆国 94063 2686 Middlefield Road Suite C,D,E Redwood City, CA |
設立 | 2012年 |
事業内容 | 腫瘍遺伝子の解析 |
代表者 |
Helmy Eltoukhy(CEO&創業者) AmirAli Talasaz(CTO&President) |
主要株主 |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド33% Sequoia Capital9% Khosla Ventures OrbiMed Lightspeed Venture Partners Formation8 |
外部リンク | http://www.guardanthealth.com/ |
概要
編集ヘルミー・エルトーキーとアミールアリ・ハジホセイン・タラサズにより創業され、世界で初めて総合リキッドバイオプシー(液体生検)を発売。 エルトーキーCEOは「人の体や病気は複雑で理解するにはデータが足りない。簡単な検査でいつでもデータにアクセスできればゲームチェンジャーになれる」とコメントしており5年以内にがん患者100万人以上の腫瘍遺伝子を解析する計画を表明。[1]ビッグデータを用いることでがん治療の進歩が促進され、早期がん発見に向けた血液検査の開発が加速するとしている。[2] 国内において癌ゲノム診断は自由診療扱いで1回あたり数十万円~百万円程度の自己負担がかかるため技術の進展による費用低減が期待されている。[3]
この血液検査の有望性には国も着目しており、17年12月よりがん遺伝子検査プロジェクト「SCRUM-Japan」でガーダントと共同で血液検査の精度が検証されている。結果次第で保険適用の対象となる見通し。 [4]
ガーダント360
編集小さい試験管2本分(20 mL[5])の血液サンプルを用いて、73のがんに関連する遺伝子を網羅的に調べる遺伝子検査法「Guardant360」を提供している[6]。これは血液中に含まれる腫瘍片の遊離DNA(cfDNA)を取り出し、腫瘍のゲノムを解析して、乳、肺、皮膚、前立腺のがんに対応する正しい治療法を探す。 従来のがんの生体組織診断(生検)は内視鏡や針などを使って生体を傷つけ腫瘍組織を採取していたため患者の負担が大きく繰り返し行うことが難しかったが、この非侵襲的検査法では血液サンプルを採取する程度の負担で済むため繰り返し行いやすいとされている[7]。その他、麻酔リスクや採取ミスによる不検出もなく、検査にコストも時間もかからないといったメリットもある[8]。ただし現時点においてこの検査方法はあくまでも相補的な役割であり、従来の方法に取って換わるものではないと考えられている[9]。
沿革
編集- 2012年 - Guardant Health創業
- 2014年2月11日 - Guardant360を発表[10]
- 2014年4月22日 - シリーズBでKhosla Ventures、Sequoia Capitalより3,000万ドルを調達[11]
- 2014年5月30日 - アメリカ合衆国でサービス開始[12]
- 2015年2月3日 - シリーズCでLightspeed Venture Partners、Formation8、Khosla Ventures、Sequoia Capitalより5,000万ドルを調達[13]
- 2015年8月19日 - がんデータ解析ソフトを手がけるFlatiron Health社と提携[14]
- 2016年1月7日 - シリーズDでOrbiMed、Khosla Ventures、Sequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Pejman Mar、Formation8、Heritage Groupより1億ドル調達[15]
- 2017年5月11日 - シリーズEでソフトバンクグループ、Khosla Ventures、Sequoia Capitalより3億6,000万ドル調達[16]
- 2017年8月28日 - 日本国内で初めて東京医科歯科大学医学部附属病院が「Guardant360」を含んだ医師主導臨床試験「PROFILE試験」を開始[17]
- 2017年12月 - 国立がん研究センターが肺がん遺伝子スクリーニングネットワーク「LC-SCRUM-Japan」でGuardant360を用いた研究を開始[18]
- 2018年10月4日 - NASDAQに上場[19]
出典
編集- ^ “個人データ使い道、本命は”. 日本経済新聞 (2018年2月2日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “孫氏も出資 米VB、がん患者100万人の遺伝子解析”. 日本経済新聞 (2017年5月18日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “米最先端BioTechイベントで見えた日本の課題”. ASCII (2017年11月16日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “がんの変異、血液検査で一網打尽”. 日本経済新聞 (2018年3月9日). 2018年3月9日閲覧。
- ^ “国がん東病院、73種の遺伝子異常を血液で解析”. 日経デジタルヘルス (2018年3月13日). 2019年10月2日閲覧。
- ^ “リキッドバイオプシーのFreenome、アンドリーセン・ホロウィッツから6,500万ドル調達”. Techcrunch (2017年3月1日). 2018年2月25日閲覧。
- ^ “肺がんの遺伝子解析は血液で検査できる時代に”. 健康百科 (201-01-26). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “生体サンプルによらず血液でリアルタイムにがんを検査するGuardant Healthが$50Mの新資金を獲得”. Techcrunch (2015年2月4日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “東京医科歯科大学医学部附属病院 がん患者の血液サンプルのみによる73のがん網羅的遺伝子検査を国内で初めて実施。痛みのない迅速ながん医療に一助”. 東京医科歯科大学 (2017年9月13日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “Sequoia-Backed Guardant Health Wants To Improve Cancer Treatment And Diagnosis Via A New Blood Test”. Techcrunch (2014年2月11日). 2018年2月25日閲覧。
- ^ “Guardant Health Announces $30 Million Series B Financing Led By Khosla Ventures”. PrnewsWire (2014年4月22日). 2018年2月25日閲覧。
- ^ “Guardant Health Announces US Commercial Launch of Guardant360?: A Breakthrough Blood Test for Real-Time Cancer Patient Treatment Management”. PrnewsWire (2014年5月30日). 2018年2月25日閲覧。
- ^ “生体サンプルによらず血液でリアルタイムにがんを検査するGuardant Healthが$50Mの新資金を獲得”. Techcrunch (2015年2月4日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “Guardant Health And Flatiron Health Team Up To Cure Cancer With Big Data”. Techcrunch (2015年8月9日). 2018年2月25日閲覧。
- ^ “Guardant Health, Which Tests for Cancer Through Blood Samples, Raises $100M In Series D Funding”. Techcrunch (201-01-07). 2018年2月25日閲覧。
- ^ “がん早期発見のスタートアップ、ソフトバンクなどから約410億円調達”. BUSINESSINSIDER (2017年5月12日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “痛みの少ないがん医療の進展に期待 - TMDU、がん網羅的遺伝子検査を実施”. マイナビニュース (2017年9月15日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “LC-SCRUM-Japan、血液を用いた遺伝子解析を開始 低侵襲な遺伝子検査法で肺がん最適医療の実現を目指す”. 国立がん研究センター (2018年1月19日). 2018年2月27日閲覧。
- ^ “ソフトバンク出資の米ガーダントヘルス、上場後初取引で57%高”. bloomberg (2018年10月4日). 2018年11月16日閲覧。