カール・フランクリン
カール·フランクリン(Carl Franklin, 1949年4月11日 - )は、アメリカの俳優、脚本家、映画監督、テレビドラマ監督。
人物
編集カリフォルニア大学バークレー校、AFIコンセルバトワールで学び、演出の修士号を1986年に取得。
代表作は1995年映画『青いドレスの女』で、主演はデンゼル・ワシントンとドン・チードルだった。
生い立ち
編集カリフォルニア州サンフランシスコ郊外リッチモンドで生まれる。生まれる前に実父が死に、母親と継父により育てられた。継父について「愛情の深い人」と語っているが、虐待傾向があり、酒に酔って暴れることがあった[1]。家庭の問題に加えて治安の悪い地区で育ったせいで、「家族で初めて大学に入る」という野心を持った。高校では勉学にはげみ、カリフォルニア大学バークレー校への奨学金を得た。
教師か弁護士になろうと思い、歴史を学んだが[2]、2年後に舞台芸術へ専攻を変えた。女の子が目当てだった。
バークレー校で俳優としてのキャリアが始まった。1960年代の政治デモの時代だったが、あまり積極的に参加はしなかった。
初期
編集卒業してニューヨークに行き、シェイクスピア祭に参加した。『十二夜』『アテネのタイモン』『シンベリン』に出演している。オフブロードウェイの「パブリック・シアター」にも出た。リンカーン・センター、ジョセフ・パップ・パブリック・シアター(ニューヨーク)、アリーナステージ(ワシントンD.C.)の舞台にも立った[3]。
1973年、映画『Five on the Black Hand Side』に出演する。テレビドラマ『ロックフォードファイル』『グッド·タイムズ』『カリブ』『超人ハルク』『マクレインの法則』『サンフランシスコ』にゲスト出演した[1]。
警官や軍人の役が多かった。1983年から1985年の『特攻野郎Aチーム』でのキャプテン・クレーン役で人気が出た[3]。この後演技に飽き、満足できなくなった。
脚本や製作を手伝い映画製作を学んだ。「演技が僕を監督にした」と『週刊LA』に語っている[1]。
37歳、1986年に学校に戻ることを決意する。AFIコンセルバトワールでヨーロッパや日本の映画監督を研究した。1986年に演出の修士号を取得した。
卒業制作で30分の短編映画『Punk』を1989年に撮った。家族からのストレス、社会からのプレッシャー、性的目覚めに直面する黒人少年の物語だった[4]。この製作で破産の危機におちいったが、業界から注目された。
コンコルド・フィルム
編集1989年にロジャー・コーマンのもとで働く。コーマンは『パンク』を認めており、以前にも自分の会社コンコルドでマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、ロン・ハワード、ピーター・ボグダノヴィッチなどを育てていた。コーマンからは低予算映画の作り方を学び、2年で6本に関わる。また、1989年から1990年に映画『Nowhere to Run』『Eye of the Eagle 2: Inside the Enemy』『Full Fanthom Five』を監督した。
キャリア後半
編集1980年代の終わりにプロデューサーのジェシー・ビートンは『One False Move』という脚本のための監督を物色していた。この脚本はエッジの効いたものだったので、新鮮で大胆な監督が必要だった。短編映画『パンク』のことを思いだしたビートンは、フランクリンを呼び出し話し合った[4]。
同作は3人の麻薬売人の物語で、ビリー・ボブ・ソーントン、シンダ・ウィリアムズ、マイケル・ビーチが演じた。シェリフ役はビル・パクストンだった[3]。
それまでは低予算でやっていたが、200万ドル(6億円)の予算でクリエイティブになれた[4] [5]。
映画『One False Move』は口コミで広まり、複数の賞を獲た[6]。
フィルモグラフィー
編集俳優
編集
|
監督編集映画編集
テレビドラマ編集
|
脚本
編集- Punk (1986年)
- Eye of the Eagle 2: Inside the Enemy (1989年)
- Last Stand at Lang Mei (1990年)
- Devil in a Blue Dress (1995年)
受賞
編集- 映画『一歩間違えれば』
- 1992年 ロサンゼルス映画批評家協会賞「新世代賞」
- 1993年 コニャック祭グランプリ
- 1993年 インディペンデント·スピリット賞監督賞
- 1993年 MTVムービーアワード「ベスト·ニュー·フィルムメーカー」
参照
編集- ^ a b c Carl Franklin: Biography from Answers.com
- ^ Easing Into Old L.A.: With 'Devil in a Blue Dress,' director Carl Franklin checks out postwar black Los Angeles, where cool jazz flows from steamy nightspots and corruption t...
- ^ a b c Carl Franklin | Biography, Photos, Movies, TV, Credits | Hollywood.com
- ^ a b c Carl Franklin Biography - Yahoo! Movies
- ^ Scruggs, C. (2004). “The Pastoral and the City in Carl Franklin's "One False Move"”. African American Review 38 (2): 323–334. doi:10.2307/1512294. JSTOR 1512294.
- ^ “BFC/A Hosts Carl Franklin”. Black Camera 15 (1): 8. (2000). JSTOR 27761553.
- ^ Sante Fe New Mexican.com