カンフー・ヨガ
『カンフー・ヨガ』（原題：功夫瑜珈、Kung Fu Yoga）は、2017年に公開されたアクションコメディ冒険映画。中国・インド合作映画で、監督はスタンリー・トン、主演はジャッキー・チェンが務めた[5][6][7]。チェン主演、トン監督の2005年の映画『THE MYTH/神話』の続編的作品である[8][9]。なお、やはりチェン主演、トン監督による2024年の映画『A LEGEND/伝説』もシリーズの続編とされている[10]。
| カンフー・ヨガ | |
|---|---|
| タイトル表記 | |
| 繁体字 | 功夫瑜珈 |
| 簡体字 | 功夫瑜珈 |
| 英題 | Kung Fu Yoga |
| 各種情報 | |
| 監督 | スタンリー・トン |
| 脚本 | スタンリー・トン |
| 製作 | バービー・トン |
| 製作総指揮 |
ジャッキー・チェン チー・ジェンホン ジョナサン・シェン サレイシュ・パタック ワン・ウェイ |
| 出演者 |
ジャッキー・チェン アーリフ・リー レイ（EXO） ソーヌー・スード ディシャ・パタニ ムチミヤ アミラ・ダスツール |
| 音楽 | ネイサン・ワン |
| 撮影 | ホーレス・ウォン |
| 編集 | コン・チールン |
| アクション指導 |
ジャッキー・チェン スタンリー・トン ウー・ガン ブルース・ロウ（カーアクション） |
| 衣装 | フィービー・ウォン |
| 美術 | ジェイムス・チュン |
| 製作会社 |
タイヘ・エンタテインメント シャインワーク・ピクチャーズ |
| 配給 |
 KADOKAWA |
| 公開 |
 2017年1月28日 2017年2月3日 2017年12月22日 |
| 上映時間 | 107分[1] |
| 製作国 |
中国 インド |
| 言語 | 英語、普通話、ヒンディー語、アラビア語、粤語 |
| 製作費 | $65,000,000[2] |
| 興行収入 |
 $257,743,016[3] 2.6億円[4] |
| 前作 | THE MYTH/神話 |
| 次作 | A LEGEND/伝説 |
2017年1月28日に中華人民共和国で、2月3日からインドで公開された[5][11]。ジャッキー・チェン主演の映画としては、過去最高額の興行収入を記録した[12]。
あらすじ
編集西暦647年。マガダ国で反乱を起こしたアルジュナは、マガダ王家が唐に献上しようとした財宝を奪おうとするが、唐から来た王玄策率いる使節団に阻まれ失敗する。マガダ国の王女は唐に援軍を求めるが、王玄策に同行したマガダ軍はチベットの雪山で行方不明となる。
現代の中国・西安市の博物館で考古学者をしているジャックの元に、インドの考古学者アスミタが訪れ、消えたマガダ軍と財宝の在り処を示す地図を手に協力を求める。ジャックは助手のシャオグァン、ヌゥオミン、アスミタと彼女の妹カイラ、友人の息子でトレジャーハンターのジョーンズを連れて、地図が示すチベットの雪山に向かう。友人ジャングオの協力で地下の空洞に入り、マガダ軍のミイラを発見する。そこにアルジュナの子孫ランドルが現れ、財宝を奪おうとしてジャックたちと闘い、困難の中でジョーンズは財宝の在り処を示す「シヴァの目」を盗み脱出する。
空洞からの脱出後、アスミタから「シヴァの目」をジョーンズがオークションに出品したという知らせが届き、ジャックたちはドバイに向かい、友人ジョナサンの助けを借りて「シヴァの目」を落札する。しかし、オークションに参加していたランドルが「シヴァの目」を奪い取り逃亡する。ジャックは車に乗り込みランドルを追跡するが、「シヴァの目」はアスミタが奪い去ってしまう。
ジャックはインドに向かいアスミタの元を訪れ、彼女は自分がマガダ王家の子孫だと告げ、財宝探しの協力を求める。しかし、直後にジョーンズとカイラがランドルに誘拐され、ランドルもジャックに財宝を探すように命令する。ジャックとアスミタは、ランドルたちと共に財宝が隠されている寺院に向かい、地下寺院を発見する。そこには黄金で造られた巨大な仏像と財宝が保管されている箱が安置されていたが、箱の中にある財宝は医療書などの書物だけだった。ジャックは人類の叡智が詰まった書物の発見を喜ぶが、納得できないランドルは黄金を独占しようと企み、ジャックはそれを阻止するため、シャオグァンに助け出されたジョーンズたちと共にランドルの一味と闘いに挑むが、そこに財宝の発見を知って大勢の僧侶たちが押し寄せてきた。これを見たジャックはランドルに「財宝はこの世界と人々の物だ」と論し、ランドルもそれを受け入れジャックたちと和解する。ジャックたちは大勢の僧侶たちと共に財宝の発見を喜びながらダンスを踊る。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替[13]
製作
編集当初はインドの製作会社ヴァイアコム18と共同製作する予定だったが、「計画が想定通りに進まない」ことを理由に製作から外れている [14][15]。最終的に、映画は中国のタイヘ・エンタテインメントとインドのシャインワーク・ピクチャーズが共同製作することになった[16][17]。主要キャストにはアーミル・カーンが検討されたが、主演映画『ダンガル きっと、つよくなる』の撮影と重なっていたため、彼は出演を辞退している[18]。
2016年9月から北京市で主要撮影が始まり、同月27日からは西安市・ドバイで撮影が10月30日まで行われ[16]、12月からは再び北京市での撮影及びインドでの撮影が行われた[19]。一部のシーンはアイスランドでも撮影された[20]。北京では郊外の懐柔スタジオに劇中の舞台となるズランダー寺院のセットを作り、アクションシーンの撮影が行われた[21]。ドバイでは王室からフェラーリ、ランボルギーニ、ベントレー、ブガッティ、マクラーレン・オートモーティブの特注車など70台が撮影用に提供され、市内の道路を封鎖してカーアクションシーンを撮影した[21][22]。また、カーアクションのシーンでは、本物のライオンをジャッキー・チェンの車に同乗させて撮影している[23]。映画のダンスシーンは、ボリウッドの振付師ファラー・カーンが担当し、音楽はネイサン・ワンが作曲した[24][25]。
音楽
編集作曲はネイサン・ワンが手掛けており、2017年にサウンドトラックが発売された。
| # | タイトル | 歌手 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 1. | 「Beautiful Fairy Tales」 | ジャッキー・チェン、M.I.C | |
| 2. | 「Curry Flavor」 | ジャッキー・チェン、チャン・イーシャン、ヤン・ズー | |
| 3. | 「Money Home」 | マニホン | |
| 4. | 「Goosebump (Ending song)」 | ファジルプリア | |
合計時間: | |||
公開
編集アジアではインド、香港、マカオ、シンガポール、大韓民国、インドネシア、フィリピン、台湾、タイ王国、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーで公開が決定し、アジア以外ではアメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、イタリア、ロシアの他にラテンアメリカや中東でも公開が決定した[26]。
評価
編集Rotten Tomatoesには20件のレビューが寄せられ、支持率50%、平均評価4.5/10となっている[27]。Metacriticでは9件のレビューに基き50/100のスコアを与えている[28]。
中国では17億5300万元の興行成績を記録し、ジャッキー・チェン主演映画としては最高額の興行成績を記録した映画となった[29]。一方、インドでは公開初日の興行成績は4000万ルピーと低調で、興行的に失敗したと見なされている[30]。日本では公開週末の興行成績は4500万円となっている[31]。
出典
編集- ^ “Kung Fu Yoga”. British Board of Film Classification. 1 February 2017閲覧。
- ^ Patrick Frater (4 November 2015). “AFM: Golden Network Kicks Off With Jackie Chan Movie Pair”. variety.com. 4 November 2015閲覧。
- ^ “Kung Fu Yoga Box Office Mojo Listing”. Box Office Mojo. 2021年7月10日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2019年3月下旬特別号 p.53
- ^ a b “功夫瑜伽 (2016)” (Chinese). movie.douban.com. douban.com. 18 June 2016閲覧。
- ^ Nyay Bhushan (30 March 2015). “Jackie Chan Planning to Shoot India-China Co-Production 'Kung-Fu Yoga'”. hollywoodreporter.com. 16 May 2015閲覧。
- ^ “Aamir, Jackie to star in Kung Fu Yoga”. THE HINDU. 16 May 2015閲覧。
- ^ “ジャッキー・チェンがインドと合作映画!「ボリウッドダンス」挑戦もアリ?-中国”. Record china (2015年5月15日). 2018年2月16日閲覧。
- ^ “63歳でも攻め続けるジャッキー!苦手なダンスや猛獣とのドライブなど新作は挑戦の“メガ盛り””. dmenu映画 (2017年12月12日). 2018年2月16日閲覧。
- ^ “2024東京・中国映画週間 公式サイト「A LEGEND／伝説」”. 2024年10月8日閲覧。
- ^ “Jackie Chan lands in India for Kung Fu Yoga promotions, Sonu Sood plays host. See pics” (英語). The Indian Express. (2017年1月23日) 2017年1月23日閲覧。
- ^ “Jackie Chan caper 'Kung Fu Yoga' tops China's box office during New Year holiday”. Los Angeles Times. (7 February 2017)
- ^ “カンフー・ヨガ”. ふきカエル大作戦!!. (2017年12月22日) 2017年12月22日閲覧。
- ^ “Viacom 18 Exits China-India Movie 'Kung Fu Yoga'”. VARIETY (2015年10月26日). 2018年1月3日閲覧。
- ^ “Film Review:'Kung Fu Yoga'”. VARIETY (2017年1月27日). 2018年1月3日閲覧。
- ^ a b Ramachandran, Naman (28 September 2015). “Jackie Chan’s ‘Kung Fu Yoga’ Begins Shooting in Dubai”. Variety.com 7 October 2015閲覧。
- ^ 网易. “中印合拍片《功夫瑜伽》签约_网易娱乐”. ent.163.com. 2017年1月6日閲覧。
- ^ “Here's the real reason why Aamir Khan is NOT a part of Jackie Chan's Kung Fu Yoga”. Bollywood Life. (26 January 2017)
- ^ “Jackie Chan is a superhuman: Sonu Sood” (6 November 2015). 24 January 2017閲覧。
- ^ Lee, Maggie (27 January 2017). “Film Review: ‘Kung Fu Yoga’”. Variety. 28 January 2017閲覧。
- ^ a b “アクションアドベンチャー×カンフー×ヨガ!?―あまりにも衝撃的すぎるジャッキー・チェン最新作『カンフー・ヨガ』12月公開決定”. CINEMA Life! (2017年8月30日). 2017年12月16日閲覧。
- ^ “ジャッキー・チェンもビックリ!お金持ちすぎるドバイ王室、映画ロケに大量の高級車提供”. Record China (2017年1月21日). 2017年12月16日閲覧。
- ^ “ジャッキー・チェンがインド映画?『カンフー・ヨガ』”. 日経トレンディネット (2017年12月22日). 2018年1月3日閲覧。
- ^ “Farah Khan to choreograph song in Jackie Chan's 'Kung Fu Yoga'”. The Times of India. (28 January 2017)
- ^ “'Kung Fu Yoga' to release on January 28, 2017”. The New Indian Express 2017年1月6日閲覧。
- ^ “AFM: First look and deals for Jackie Chan's 'Kung Fu Yoga'”. 24 January 2017閲覧。
- ^ “Kung Fu Yoga (2017)”. Rotten Tomatoes. 5 February 2017閲覧。
- ^ “Kung Fu Yoga Reviews”. Metacritic. 2017年12月17日閲覧。
- ^ “zh:内地总票房排名 ("All-Time Domestic Box Office Rankings")” (中国語). '中国票房 (China Box Office). Entgroup. 2018年2月16日閲覧。
- ^ “It flopped in India, but Jackie Chan’s Kung Fu Yoga has already made Rs 1200 cr” (英語). Hindustan Times. (10 February 2017)
- ^ “【国内映画ランキング】「スター・ウォーズ」V2、「未成年だけどコドモじゃない」は5位スタート”. 映画.com (2017年12月26日). 2018年2月16日閲覧。