カンガルーポー(学:Anigozanthos manglesii)は、ハエモドルム科アニゴザントス属に含まれる多年草。日本では英名のカンガールーポーカンガルー・ポウとして流通している。単に学名からアニゴザントス・マングレシーと呼ばれる場合もある。

カンガルーポー
カンガルーポー Anigozanthos manglesii
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ツユクサ目 Commelinales
: ハエモドルム科 Haemodoraceae
: アニゴザントス属 Anigozanthos
: カンガルーポー
Anigozanthos manglesii
学名
Anigozanthos manglesii
英名
Kangaroo paw
Red-and-Green

概要

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オーストラリア西オーストラリア州に自生する固有種で、地植えの場合、草丈は100㎝以上になる。花はかなり特殊な形状をしており、キルタンサスに似た屈曲した花筒を持つ。花茎の色は赤色だが、花筒の部分の色はきれいな深緑色をして、光沢を持っている種や花茎は普通の緑色で、筒状の部分が赤色、橙色、黄色になる種類がある。花筒の先端は4裂し上部に反り返る。この花は花茎に対し上側に一列になって付く場合がある。いずれも花茎から花にかけて僅かな毛に覆われている。雄蕊が5本花の外側に出て来て、上側に細い雌蕊が一本出てくる。葉はアヤメ科の植物の様に葉が葉先は尖り、重なって薄い形状になっており、株元に密生する。花序は総状花序である[1][2][3]

フラヴィダス種(A. flavidus)も含めカンガルーポーと呼ぶ場合もある[3]

栽培方法

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植え付けは3~4月に行う。日本では2月頃から稀に鉢植えが見られるようになる。開花期は4~6月頃であり、肥料が十分ある環境下で栽培する。耐暑性、耐乾性は非常に強く、長時間直射日光に当たっても葉焼けしにくい。耐湿性、耐寒性には乏しく、冬季は温暖な環境で栽培し、梅雨時期の土壌の加湿に気を付ける。繁殖方法は株分けがあり、9~10月頃が適期になる。実生もあるが、開花まで一年以上の時間を要する。花は固く褪色しにくい為、セルリアレウコスペルマムの様にドライフラワーにも出来る[3][4]。1月3日、1月6日(※赤色の花のみ)、1月9日、2月5日、4月29日、5月14日、5月21日、8月13日(※緑色の花のみ)、9月9日、10月3日(黄色の花のみ)、11月1日、12月4日の誕生花で、花言葉は「不思議」「驚き」「陽気」「快活」「明朗」「可能性」「分析」「解放」「脆弱」がある[5]

名称について

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属名Anigozanthos の由来は、Anises(等しくない)+Anthos(花)の合成語で、各花被片の大きさが不揃いである形態にちなむ。種小名manglesiiの由来は、ジェームズ・マングレスへの献名[4]。英名のカンガルーポーは、花の形状がカンガルーの足に見える事にちなんでいる。ちなみにフミリス種(A. humilis)はキャッツポーと呼ばれる[6]

ギャラリー

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出典

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  1. ^ Anigozanthos manglesii D.Don | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月22日閲覧。
  2. ^ Anigozanthos manglesii D.Don” (英語). www.worldfloraonline.org. 2025年2月22日閲覧。
  3. ^ a b c カンガルーポー(アニゴザントス)とは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)」『みんなの趣味の園芸』。2025年2月22日閲覧。
  4. ^ a b カンガルーポー|園芸植物小百科|育て方|花の写真”. flower365.jp. 2025年2月22日閲覧。
  5. ^ 花言葉.net (2021年1月13日). “カンガルーポーの花言葉と由来”. 花言葉.net. 2025年2月23日閲覧。
  6. ^ GKZ植物事典・カンガルー・ポー”. gkzplant.sakura.ne.jp. 2025年2月22日閲覧。