カラハナソウ(唐花草[4]学名: Humulus lupulus var. cordifolius )はアサ科[注 1]カラハナソウ属多年草つる性雌雄異株。ビール製造に使われるホップと近縁で、雌果穂は食用になる。

カラハナソウ
雌花が変化した果穂
2008年9月 福島県会津地方
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: イラクサ目 Urticales
: アサ科 Cannabaceae
: カラハナソウ属 Humulus
: ホップ H. lupulus
変種 : カラハナソウ var. cordifolius
学名
標準: Humulus lupulus L. var. cordifolius (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav. (1878)[1]

広義: Humulus lupulus L. (1753) 別名:ホップ、セイヨウカラハナソウ[2]

シノニム
和名
カラハナソウ(唐花草)

分布と生育環境

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日本では北海道本州近畿地方以北に[4]、アジアでは中国北部に分布する。山地に分布し、日当たりのよい山野の草薮や林縁に自生する[4]。ホップの栽培地域では栽培種と区別するため本種を「山ホップ」と呼ぶことがある。

特徴

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つる性の草本[4]。他の植物に絡みながら這いあがる。は長い柄をもち、つるに対生し、葉身は広卵形で3裂し、長さ10 - 15センチメートル (cm) 、幅はそれよりやや狭く[4]、縁は粗い鋸歯がある。葉と茎には鉤状のトゲがあってひっかかり、触れると痛みを感じる[4]

花期は夏から秋にかけて(8 - 9月)[4]雌雄異株[4]葉腋花序をつける[4]。雄株につく雄花穂は大型の円錐花序で、つるの先に直立するか垂れ下がり、緑色の小さな雄花を多数つける[4]。雌株につく花序は、長さ2 - 5 cmの花軸に緑白色の苞に包まれた小型の花が集まり、雌花が変化した果穂は、松かさに似た2 - 3 cmの卵円形になり、短い柄をもって垂れ下がる[4]

食用

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夏から秋にできる雌果穂を集めて、そのまま天ぷらにして食べられる[4]。なるべく緑色が淡く、大型の果穂のほうが美味しいと評されている[4]。日なたにできた雌果穂は緑色小型で苦味が強く、香りが弱いが、林内などの日陰にできた雌果穂は白く大型で、苦味もほどよく強い香りがある[4]

近縁種

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ビールの苦味、香りの原料となるホップ(別名: セイヨウカラハナソウ、学名: Humulus lupulus )は、カラハナソウと近縁で別の変種とされる。カラハナソウは栽培ホップの変種とされ、ホップと雑種を作り、雌果穂はビールに似た香りと苦味がある[4]。本種の種子も齧るとホップと同様の苦味がある。

  • セイヨウカラハナソウ(ホップ)(Humulus lupulus ) - ビール製造に用いられ栽培されていて、栽培ホップの雌花序も同様に食べられる[4]
  • カナムグラ(鉄葎、Humulus japonicus ) - 葉が掌状に5 - 7裂し、雌果穂はカラハナソウよりもずっと小さい。食用にならない[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ 最新の植物分類体系のAPG体系ではアサ科であるが、古いクロンキスト体系新エングラー体系ではクワ科に分類されている[1]

出典

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Humulus lupulus L. var. cordifolius (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav. カラハナソウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月8日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Humulus lupulus L. カラハナソウ(広義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月8日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Humulus cordifolius Miq. カラハナソウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月8日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 吉村衞 2007, p. 114.

参考文献

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  • 吉村衞『おいしく食べる山野草』主婦と生活社、2007年4月23日、114 - 115頁。ISBN 978-4-391-13415-5