ガス殻星[1](がすかくせい、shell star[1][2])、シェル星[2]は、スペクトル中に、赤道周囲にガスの円盤を持つことが示される恒星である。物質の流出のため、光度は不規則に変化する。ガス殻星は高速で自転し、その機構に一定の説明を与えているが、未だ謎が残っている。スペクトル型はO7.5からF5であるが、高速の自転と円盤の存在により、スペクトル中の吸収線の幅はかなり広がっている。自転の速度はおおよそ200から250km/sで、自転による加速度が恒星を破壊する寸前である。通常のスペクトルの特徴が変化する輝線によって上書きされるため、スペクトルその他の性質は解釈が難しく、そのため光度階級や正確なスペクトル型は誤認されやすい。

地球から見える最も明るいガス殻星であるアケルナルの模式図

変光星の場合、カシオペヤ座γ型変光星(カシオペヤざガンマがたへんこうせい、Gamma Cassiopeiae variable、GCAS)[3]に分類される[4]

下位分類

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ガス殻星は、以下の4つに細分される[5]

  • スペクトル型O7.5からB2.5の初期Be星
  • スペクトル型B3からB6.5の中期Be星
  • スペクトル型B7からB9.5の後期Be星
  • スペクトル型A0からF5のA-Fガス殻星

ガス殻星のプロトタイプ星は、カシオペヤ座γ星であり、最も明るい例はアケルナルである。また、HR 2309は鋭い吸収線を持ち、小さくはっきりした円盤を持つことが示唆される。その他の例には、以下のようなものがある。

出典

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  1. ^ a b 『文部省 学術用語集 天文学編(増訂版)』(第1版)丸善株式会社、279頁。ISBN 4-8181-9404-2 
  2. ^ a b 『天文学大事典』(初版第1版)地人書館、279頁。ISBN 978-4-8052-0787-1 
  3. ^ vartype.txt in Combined General Catalog of Variable Stars GCVS, Samus N.N., Durlevich O.V., et al.
  4. ^ 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、83-84頁。ISBN 4-254-15017-2 
  5. ^ Slettebak, A. (1982年). “Spectral types and rotational velocities of the brighter Be stars and A-F type shell stars, page 80”. 18 Jan, 2009閲覧。
  6. ^ おおいぬ座EW星GCVS
  7. ^ こいぬ座β星GCVS
  8. ^ Tur, N. S.; Goraya, P. S. (April 1988). “Scanner observations of shell stars Phi Persei and Psi Persei”. Astrophysics and Space Science 143 (1): 99–105. Bibcode1988Ap&SS.143...99T. doi:10.1007/BF00636758. 
  9. ^ ペルセウス座φ星
  10. ^ おうし座BU星GCVS

外部リンク

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