オーハ島
沖縄県久米島町に属する島
オーハ島(オーハじま)は、沖縄県島尻郡久米島町に属する無人島。東奥武(あがりおう)島とも呼ばれる[1][2]。
オーハ島 | |
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左が久米島で、右がはての浜。その接点付近にある2つの島のうち、はての浜側がオーハ島 | |
所在地 | 日本・沖縄県島尻郡久米島町 |
所在海域 | 東シナ海 |
所属諸島 | 沖縄諸島 |
座標 | 北緯26度20分24秒 東経126度50分23秒 / 北緯26.34000度 東経126.83972度座標: 北緯26度20分24秒 東経126度50分23秒 / 北緯26.34000度 東経126.83972度 |
面積 | 0.37 km² |
海岸線長 | 2.7 km |
最高標高 | 8 m |
プロジェクト 地形 |
地理
オーハ島は奥武島の東400mに位置し、面積0.37km2、周囲2.7km[3]の島である。島の東側には、はての浜(スカイホリデーリーフ)と呼ばれる全長7kmの細長い砂州があり、観光スポットとなっている[4]。島の中央部に数軒の廃屋が残る。
歴史
明治時代末期に渡名喜島から2家族が入植し、1960年(昭和35年)は134人が住んでいたが、この年以降からは沖縄本島への転出が相次ぎ、2003年頃には3世帯5人にまで減少し、2011年には人口1人となっている[4]。2015年に最後の住人が島を去り無人島になった[5]。人口調査帳簿上では、2023年2月時点で1世帯9人が登録されている[6]。過去にサトウキビの生産などが行われていた。
行政の変遷
1908年(明治41年)島尻郡仲里村の一部 → 1946年(昭和21年)アメリカ合衆国施政権下 → 1972年(昭和47年)日本返還 → 2002年(平成14年)久米島町[7]
交通
オーハ島は隣の奥武島との間に橋は架けられていない。島には1台も車がなく、舗装された道路も存在しない。[7]定期便はないが、久米島の泊漁港(泊フィッシャリーナ)からチャーター船が運航されている[4]。奥武島との海峡は、狭いところで200m程度であり、大潮の干潮のときには砂浜が現れるため奥武島から10分程で歩いて渡ることができる。かつて住民は満潮時でも竹馬で渡っていた。現在では主にサバニや小型船が利用されている[8]。後述の市橋も奥武島に泳いで渡って真水を調達していた[9]。船を通すため一部を深堀にしてある箇所もあり、流れが速く危ない時は通ることが出来ない[10]。
特記事項
- リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件(千葉県市川市における英国人女性殺人・死体遺棄事件)の犯人・市橋達也受刑者(当時28歳)は、逃亡中4度にわたってオーハ島に潜伏していた[9]。市橋は、島の東側海岸近くにあった、コンクリートブロック造りの元アメリカ軍の監視小屋に最長3か月もの間隠れ住み、自給自足の生活を送った[11][12]。2013年にディーン・フジオカによって本事件が『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』として映画化された際には、同島のジャングルや潜伏先のコンクリート小屋で3日間の現地撮影が行われた[13][14]。
- オーハ島やナカノ浜の沖合には、琉球王国の進貢船、大陸や東南アジアを結んだ交易船などの残骸が沈んでおり[2]、海底調査では青磁器や白磁器の他、大型の木製アンカーや碇石などが引き上げられている[2]。2011年にはオーハ島で南西諸島初の水中文化遺産見学会が開催されている[15]。
- オーハ島には水源がなく[9]、水道は奥武島からの海底送水を利用している。
脚注
- ^ 沖縄のしまじま
- ^ a b c 沖縄の海に眠る文化遺産が一堂に 県立博物館・美術館で18日まで特別展/2015年01月06日 朝日新聞 西部地方版/福岡 26頁 福岡全県 写図有 (全584字)
- ^ オーハ島(久米島町) - ウェイバックマシン(2014年3月27日アーカイブ分)
- ^ a b c オーハ島 - ウェイバックマシン(2011年1月27日アーカイブ分)
- ^ <第6回世界のウチナーンチュ大会 10月26日~30日>古里実感 笑顔咲く/友好 未来へつなぐ/初の久米島ンチュ大会200人 2016年10月26日 琉球新報朝刊 29頁 社会 1版 写図表有 (全901字)
- ^ 久米島町 行政区別人口調査 令和5年2月 2023年4月5日閲覧
- ^ a b 『日本の島ガイドSHIMADAS』公益財団法人 日本離島センター、2019年10月1日、1588頁。
- ^ 公益財団法人日本離島センター『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス)』公益財団法人日本離島センター、2019年、1588頁。ISBN 9784931230385。
- ^ a b c 市橋達也『逮捕されるまで ―空白の2年7カ月の記録』 幻冬舎 2011年1月 ISBN 9784344019416
- ^ “オーハ島(東奥武)に渡ったさぁ~”. 【沖縄病】 (2008年7月24日). 2011年11月23日閲覧。
- ^ リンゼイさん事件の容疑者「本に書きたい」読売新聞 2011年 1月24日(月)10時27分配信
- ^ リンゼイさん殺害事件 容疑者、潜伏の沖縄の離島について図書館やネットで調査 フジテレビ系(FNN)2011年 1月24日(月)12時14分配信
- ^ 市橋受刑者の手記を映画化 ディーン・フジオカ監督インタビュー<下> 2013年12月13日 千葉日報 地域 (全2,422字)
- ^ 市橋被告の逃亡劇描く映画が公開 監督&主演のフジオカ「彼をヒーローにする気も美化する気もない」映画.com 2013年11月9日 19:53 2016年9月10日閲覧
- ^ 文化遺産活用を片桐さんが講演/久米島 沖縄タイムス 2014年03月12日 朝刊 31頁 地方 (全141字)
参考文献
- 『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス)』第2版、2004年7月、財団法人日本離島センター、ISBN 4931230229
- 『忘れ島』早稲田大学川口芸術学校 富野要太、3年間のオーハ島の記録ドキュメンタリー
関連項目
外部リンク
- 美ら島探訪 奥武島・オーハ島
- 忘れ島 オーハ島のドキュメンタリー※アクセス不可
- オーハ島 沖縄39離島情報サイト
- ウィキメディア・コモンズには、オーハ島に関するカテゴリがあります。